債権法の改正により,債務の引受けに関する規定が新設された(民法第470条~第472条の3)。旧法には,債務引受の要件及び効果を定める規定はなかったが,判例はこれを可能と認めており,実務においても広く利用されてきたことから,新たに規定が設けられたものである。
民法
(併存的債務引受の要件及び効果)
第470条 併存的債務引受の引受人は、債務者と連帯して、債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担する。
2 併存的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる。
3 併存的債務引受は、債務者と引受人となる者との契約によってもすることができる。この場合において、併存的債務引受は、債権者が引受人となる者に対して承諾をした時に、その効力を生ずる。
4 前項の規定によってする併存的債務引受は、第三者のためにする契約に関する規定に従う。
(免責的債務引受の要件及び効果)
第472条 免責的債務引受の引受人は債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担し、債務者は自己の債務を免れる。
2 免責的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる。この場合において、免責的債務引受は、債権者が債務者に対してその契約をした旨を通知した時に、その効力を生ずる。
3 免責的債務引受は、債務者と引受人となる者が契約をし、債権者が引受人となる者に対して承諾をすることによってもすることができる。
そして,免責的債務引受に伴い,債権者は,債務者が負担していた債務の担保として設定された担保権及び保証について,引受人が負担する債務に移転することができる旨の規定が設けられ,引受人以外の者が設定しているときは,その者の承諾を得なければならないものとされている(民法第472条の4)。
(免責的債務引受による担保の移転)
第472条の4 債権者は、第472条第1項の規定により債務者が免れる債務の担保として設定された担保権を引受人が負担する債務に移すことができる。ただし、引受人以外の者がこれを設定した場合には、その承諾を得なければならない。
2 前項の規定による担保権の移転は、あらかじめ又は同時に引受人に対してする意思表示によってしなければならない。
3 前二項の規定は、第472条第1項の規定により債務者が免れる債務の保証をした者があるときについて準用する。
4 前項の場合において、同項において準用する第1項の承諾は、書面でしなければ、その効力を生じない。
5 前項の承諾がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その承諾は、書面によってされたものとみなして、同項の規定を適用する。
不動産担保に関連して,債務引受の契約に接する機会は多いと思われるが,新設された上記の規定等に十分留意すべきである。
民法
(併存的債務引受の要件及び効果)
第470条 併存的債務引受の引受人は、債務者と連帯して、債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担する。
2 併存的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる。
3 併存的債務引受は、債務者と引受人となる者との契約によってもすることができる。この場合において、併存的債務引受は、債権者が引受人となる者に対して承諾をした時に、その効力を生ずる。
4 前項の規定によってする併存的債務引受は、第三者のためにする契約に関する規定に従う。
(免責的債務引受の要件及び効果)
第472条 免責的債務引受の引受人は債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担し、債務者は自己の債務を免れる。
2 免責的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる。この場合において、免責的債務引受は、債権者が債務者に対してその契約をした旨を通知した時に、その効力を生ずる。
3 免責的債務引受は、債務者と引受人となる者が契約をし、債権者が引受人となる者に対して承諾をすることによってもすることができる。
そして,免責的債務引受に伴い,債権者は,債務者が負担していた債務の担保として設定された担保権及び保証について,引受人が負担する債務に移転することができる旨の規定が設けられ,引受人以外の者が設定しているときは,その者の承諾を得なければならないものとされている(民法第472条の4)。
(免責的債務引受による担保の移転)
第472条の4 債権者は、第472条第1項の規定により債務者が免れる債務の担保として設定された担保権を引受人が負担する債務に移すことができる。ただし、引受人以外の者がこれを設定した場合には、その承諾を得なければならない。
2 前項の規定による担保権の移転は、あらかじめ又は同時に引受人に対してする意思表示によってしなければならない。
3 前二項の規定は、第472条第1項の規定により債務者が免れる債務の保証をした者があるときについて準用する。
4 前項の場合において、同項において準用する第1項の承諾は、書面でしなければ、その効力を生じない。
5 前項の承諾がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その承諾は、書面によってされたものとみなして、同項の規定を適用する。
不動産担保に関連して,債務引受の契約に接する機会は多いと思われるが,新設された上記の規定等に十分留意すべきである。