竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
初めてのお人でも、それなりのお人でも、楽しめると思います。

万葉集 集歌4139から集歌4143まで

2023年02月09日 | 新訓 万葉集
天平勝寶二年三月一日之暮、眺矚春苑桃李花作歌二首
標訓 天平勝寶二年三月一日の暮に、春の苑の桃李(すもも)の花を眺矚(なが)めて作れる歌二首
集歌4139 春苑 紅尓保布 桃花 下照道尓 出立感嬬 (感は女+感の当字)
訓読 春し苑紅(くれなゐ)にほふ桃し花下照る道に出で立つ感嬬(おとめ)
私訳 春の庭園の紅色に輝く桃の花の下の光輝く道に出で立つ官女の少女。

集歌4140 吾園之 李花可 庭尓落 波太礼能未 遣在可母
訓読 吾が園し李(すもも)し花か庭に降るはだれのいまだ残りたるかも
私訳 私の庭園の李の花弁でしょうか。庭に降った斑雪が未だに残っているのでしょうか。

見飜翔鴫作謌一首
標訓 飜(と)び翔(かけ)る鴫(しぎ)を見て作れる謌一首
集歌4141 春儲而 悲尓 三更而 羽振鳴志藝 誰田尓加須牟
訓読 春まけて悲しむるにさ夜更けて羽振(はぶ)き鳴く鴫(しぎ)誰が田にか住む
私訳 春になり淋しままに夜が更けて、羽ばたきして鳴く鴫。いったい、誰の田にいるのだろうか。

二日攀柳黛思京師謌一首
標訓 二日に、柳黛(りうたい)を攀(よ)ぢて京師(みやこ)を思(しの)へる謌一首
集歌4142 春日尓 張流柳乎 取持而 見者京之 大路所思
訓読 春し日に張れる柳を取り持ちて見れば都し大路(おほぢ)そ思(おも)ほゆ
私訳 春の日光を浴びてふくらむ柳の枝を手折って取り持って眺めると、都の大路を思い出される。

攀折堅香子草花謌一首
標訓 堅香子草(かたご)の花を攀(よ)ぢ折りたる謌一首
集歌4143 物部能 八十乃感嬬等之 挹乱 寺井之於乃 堅香子之花 (感は女+感の当字)
訓読 物部(もののふ)の八十(やそ)の感嬬等(をとめ)し汲み乱(まが)ふ寺井し上の堅香子(かたかご)し花
私訳 大王にお仕えするたくさんの官女の少女たちが入り乱れて水を汲む、寺井のほとりの堅香子の花よ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 万葉集 集歌4137から集歌413... | トップ | 万葉集 集歌4144から集歌414... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

新訓 万葉集」カテゴリの最新記事