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趣味の話など

日本真珠会館

2023-12-03 | 一寸お出かけ(関西)
久々の告知以外の記事です(笑)

四谷コーポラス的なレガシー建築物が神戸にもないかなと物色したところ、
某web百科事典で、日本真珠会館を見つけました。1952年築です。


神戸市役所との位置関係が分かる写真。


官民合同出資で建てられたこの建物、設計者の光安氏は兵庫県職員で、後に現・
兵庫県庁舎も設計しました。モダニズムを体現したこの建物は、有形文化財と
しても登録されています。


震災にも耐えたこの名建築も、70年という年月には勝てず、残念ながら2023年3月末
で閉鎖されることになりました。
最終週に名残り惜しく、外観と常時公開の1階のパールミュージアムを眺めていた
ところ、本来は事前予約制だった当建築ツアーにキャンセルによる空きが出たとの
ことで、内部が見られるまたとない機会、有難くご一緒してきました。

最上階(4階)のホールでのイントロダクション。
案内人は設計者のご子息で、一時期、当建物の管理もされていたそうです。


屋上。


70年前の竣工当時は目立つ存在だったそうですが、現在ではタワマン含む周囲
の高層建築に埋もれてしまっています。

屋上機械室。


エレベータの巻上機が何ともいかめしく、配電盤は何とヒューズによる保護。
後年、合うヒューズがなくなり、苦労されたそうです。

灯具も光安氏によるデザインで、光量が均一になる工夫がされています。


左: モダニズムを体現するらせん階段。老朽化が進んでいてちょっと怖い?
右: 3段式の窓は上から下まで全て開閉可能。(「危険」の注意書きにも関わらず、
  光安氏が実演)


地下室。
左写真は石炭炊きボイラで。時代を感じさせます。
明り取りの窓がこれまたおしゃれです。右写真はそうと分からない地上からの外観。


こまかい意匠や造作に至るまでまさにモダニズムの体現、公務員離れしていて
驚かされます。

2023年3月の閉鎖後もしばらく雄姿を留めていましたが、ついに11月末から
解体工事が始まりました。
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