《武蔵野歩紀(武蔵野あるき)》と
題してはみたけれど、
はて、そもそも「武蔵野」とは?
と自問
広辞苑を引いたら「埼玉県川越以南、
東京都府中までの間に拡がる地域」。
あ、埼玉も入るのか
小説『武蔵野』のイメェージで
勝手に東京都下だと。
1952年開業の「武蔵野銀行」は
確かに埼玉県に本社。
その行名は武蔵国に由来していて、
ではその武蔵国は何処かといえば、
現在の東京都と埼玉県及び
神奈川県の川崎市、横浜市あたり。
納得だ。
ただ、川崎で産湯につかった身には
つい目線が地図の下の方になって、
また川崎を貫く南武線が、
武蔵国の国府があったことから
「府中」を通っていたりもして
そんな前段を踏まえつつ、
今回ぶらりと歩いたのは
西東京市。
旅先で聞かない市だなぁ
と思うのは大抵「合併市」だが、
学生時代を東京近郊で過ごし、
Uターンした方などには
「なんね、そん小説ごと出てきよる
毎朝新聞、四菱銀行みとう地名ばぁ」
となるやも知れない。
2001年、田無と保谷が合併して
西東京市。
そんな旧保谷市の「柳沢」から
今回のぶらり旅は始まる。
「やなぎさわ」と読みたいところ、
だが「やぎさわ」が正しい。
鉄道は西武新宿線が走っている。
1927(昭和2)年からある古い駅で、
長野に柳沢(こちらは「やなぎさわ」)が
先に存在したため会社名が冠された。
長野電鉄河東線「柳沢」開業は
大正14年だから、実に僅差。
北口はこぢんまり。
駅の真ん前のスーパーの一角で
焼鳥を焼いている。
昭和では定番のスタイルで、
チビでも小銭を握りしめて
「ねぎま〜」なんて一丁前に買って、
でも台が、あの頃は高かった。
時には「おまけ」っておじさんが
レバーなんかくれちゃう。
「レバー食べられっか?」と
気の利く人は言ってくれるが、
鉢巻した太い眉の口数少ないタイプは
無言で2本渡しなので、
テンション高めに「ありがとっ」と
受け取って走り出すしかない。
「こりゃ喜んでると誤解されんな」
と最初の角を左カーブしながら
失敗したと思うのだった。
・・・そんな北口の逆の、
南口が本来のスタート地点。
何も始まらずにつづく
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます