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麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

ゴドーとヘニーとハリーが来る!(その1)

2007年03月28日 | 鑑賞・まなび

木山事務所『やってきたゴドー』
(作/別役実 演出/末木利文
 3/24~3/31 於:俳優座劇場)


演劇集団円『ラプチュア~うちょうてんなひとびと』(作/ジョアンナ・マレー・スミス 訳・演出/山本健翔
3/16~3/28 於:ステージ円)

 【文中敬称略】

 不朽の名作! ベケットの『ゴドーを待ちながら』の、あのゴドーがやって来てしまうのが“不条理 ドタバタ 喜劇”と副題のついた前者だ。
 の前に、今日千秋楽の後者から書こうか…。こちらは、ハリーとヘニーが来るのを二組の夫婦が待っているところから始まります。

 人気小説家トム(井上倫宏)とその妻イブ(高橋理恵子)の家で、編集者ダン(青山伊津美)と映画監督ジェーン(唐沢潤)の4人が待っている。
 やって来るのは、不動産業で成功しハリー(石田登星)と料理研究家として売れっ子のヘニー(込山順子)の夫婦だ。火災で豪邸を喪ったことから姿を消した二人と、七ヶ月後、ようやく「親友たち」は再会するのだが、ハリーとヘニーは、彼らとは別世界~精神的充足の世界に生きていた…。
 長い付き合いの6人の男女の間に、それぞれ成功の中にあった3組の親友の間に、突如大きな亀裂が入る・・・。

 相変わらず円が精力的だ
 昨年一年の、僕の僅か110本の観劇の中、一番に挙げさせていただいた『ロンサム・ウエスト』を創り上げた演劇集団は、会の重要なメンバーを相次いで失う試練を越えて、今回はオーストラリアの“大人のホン”を、見事に立体化してくれました。
 本当にセクシーな舞台でした
 別に妖艶なシーンがあるわけじゃなく、例えば劇中「善」について語られもしますが、単純に誰が正しいとは捉えられないような“うねり”が効いているのだ。その辺りがとっても巧いホンで、それに役者も演出をはじめとしたスタッフも、決して負けていないのだ
 07年、ここまででのNo.1です

 対面型の客席も大変効果的。物質社会と精神社会の間で揺れる6人の個人=役者と同様、見ている者も、自分と対峙するかのように舞台の向こうでこちらを向いている観客と相対する構造である。

 円も素敵だが、豪州の戯曲も最近良いモノが紹介されています。まあ今年度(06.4~07.3)は日豪交流年であったことも大きいのでしょうが…。

 で、そんな円のベテラン俳優・三谷昇が絶品の演技をみせる『やって来たゴドー』については、明日書きます。

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