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麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

エイジ

2007年03月06日 | 身辺雑記
 重松清さんの『エイジ』を古本屋で買った。
 びっくりした
 
 新潮文庫。カバーには中学校の体育館。
 ケースに入ったバスケットボールと、そこからこぼれたボールが、扉の開いた倉庫からフロアにまたがってあり、倉庫の奥には丸めたマットやバレーボールのポール、得点板に跳び箱が見える。。。

 表紙をめくるとシンプルな横組みで、まず「新潮文庫」。タイトルの「エイジ」、「重松清 著」、そして葡萄の「マーク」と上からすべて1ラインで並んで、「新潮社版」の下に「7464」。
 その、新潮文庫とエイジの9㎜くらいの空白に、手書きのシャーペン書きで、ひらがなの「たかはし」。

 僕、高橋と言います。
 びっくりしませんか 購入した本の、いきなり1頁めに、手書きで名前、しかも自分と同じ姓が書き込まれていたら。
 確かに古本に書き込みはあることだ。ただそれが、こーゆー偶然になることは、ねえ…。まあ平凡な名字ではあるけどネ。

 その謎は8頁の9行目に解ける。
 “ぼくの名前--高橋の下には、三つ目の「正」の字が完成していた。”

 なるほど、僕が買う前にこの本を手にした人は、主人公「高橋エイジ」をわざわざ表紙に書き入れたのだな。
 
 読み進んだ59頁。Ⅰ章の4の終わり間際、
 “掌で弦の震えを止めた”の「弦」の字の脇に、またも手書きで今度は「げん」と読み仮名をふっている。どうやら小学生のような筆跡である。

 そういえば、僕が初めて文庫本を買ったのは小学校6年生だった。担任の小俣先生が、探偵小説(二十面相やルパン)を好んで読んでいた僕に、クリスティを紹介してくれ、中でもお勧めという『ABC殺人事件』を駅前の大塚書店で買ったのだった。。。
 なんじゃこの小さい文字は
 それに漢字ばっかじゃ。しかも、文章が少々難解だ。でも、読み応えはある。さらに安価なのが嬉しい
 当時の僕のおこずかいは月に600円だったからナ。

 と、文庫本の思い出からおこづかい論へ…
 話がスライドしそうだ
               
 山本周五郎賞受賞作でもある『エイジ』の話。
 それは別途、日を改めて書きます。

コメント
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