原題 OUR DAILY BREAD
製作 ドイツ・オーストリア 2005年
久々に映画見ました。
しかもとっても変わった映画。
台詞とかインタビューとか全くなく、
とにかく私たちの口に入るものがどのように作られるかが
次々と映し出される。
生命の営みが全く機械的に操作されているさまが。
野菜が栽培されるハウスでは
防護服やガスマスクをつけた人たちが
農薬と思われる液体を噴霧している。
ガスマスク・・・
そんな液体を浴びた野菜を私たちは口にしているのか。
雄牛の目の前に雌牛を置いといて、
雄牛が興奮して交尾しようとした瞬間にそれを静止して
精子だけを採取する作業・・・・
美味しい牛肉を作るために交配を重ねるためなんだろうね・・・。
この映画では
鶏、豚、牛、
それぞれが生まれたときから人間の食べ物となるときまでに
たどる過程を目にすることができます。
最後にはどの動物も足から宙につるされて
喉を掻っ切られて血を抜き取られ
皮を剥ぎ取られていく。
牛の血は大量だから滝のように流れ
今まで生きていた証のように暖かい湯気がその滝から立ち上る。
そこで働く人たちは全く機械的に命を食べ物に変える作業を
黙々とこなしている。
最近読んだ「食堂かたつむり」という本にも
豚の解体の描写がありますが、
それを読んだときには
「もう豚肉は食べられないかもしれない」と思いました。
結局数日後には豚肉食べちゃってましたけどね・・・。
でも、今回この映画を見ても
「もう肉は食えないかも」
なんてぜんぜん思わなかった。
それくらい機械的に物事が動いている。
それはホントに恐ろしいことだと思いました。
こんなに大量の命をこんなに機械的に操作して
当たり前のように食べて時には無駄にして。
無駄にならない程度の命を丁寧にいただくような
そんな生活をしたいと思いました。