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Mさんは、新宿区坂町に戦後すぐに借地して60数年たっている。
この間、平成2年の契約更新時に地主に更新を拒絶され、自己使用という理由で借地の明渡しを求められて調停を起された。調停は不調に終わり、地代の受領も拒否された。以後、法務局に明渡しを係争中として供託していた。
今年に入り、今度は借地関係調停申し立てと称して、今回の更新料として400万円、前回平成2年の更新料300万円の合計700万円の支払いを求めるものであった。区役所の無料の法律相談に行けば、「支払ったほうが無難ですよ。もめごとを大きくしない方がいいんですよ」と言われ、知り合いから紹介された丸の内の弁護士に相談に行けば「更新料を支払わないというのは世間の常識を知らなすぎる」と脅かされた。別の弁護士に相談したところ「いくら位なら払えるのかと」と言われていた。
その時、週刊誌に載った「更新料特集(賃貸住宅)」の記事に東借連の更新料問題の学習会の様子が載っていた。ここだと思い、インターネットで調べ、組合事務所に相談に来た。組合では、更新料の歴史的な背景や最高裁判決、また更新料支払いの特約のある契約でも法定更新されたものについては支払い義務がないという判決について説明した。本沢さんは法的な根拠のない更新料については支払わないと決意を固め、組合に入会した。今回の調停には、依頼している弁護士にも、更新料については一切の妥協はせず、支払わないということを確認し臨むことにした。
東京借地借家人新聞より
<関連記事>
①【判例紹介】 更新料請求の消滅時効は5年、更新料は法定更新の場合には支払義務が無い
②【判例】 更新料支払の慣習を否定し、更新料支払義務なしとした最高裁昭和51年10月1日判決 (1)
③【判例】 更新料支払の慣習を否定し、更新料支払義務なしとした最高裁昭和53年1月24日判決 (2)
④【判例】 (借家) 更新料支払特約があっも法定更新した場合には更新料の支払義務が無い(最高裁判決)
東京・台東借地借家人組合
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