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かなり久しぶりの紹介となるNu Jazz系12インチ。北欧Ricky-Tickからリリースされた彼らの2枚目のシングルです。昨年末に日本先行でリリースされたアルバムは、試聴こそしてみたものの何となく惹かれず購入に至りませんでしたが、こちらはシングルは気になったので2週間ほど悩んで結局買うことにしました。アルバムからの収録曲はB-1のJust Give Me Timeのみで、他の2曲はこのシングルのみで聴けるナンバー。ただし、タイトル曲とこのJust~はいずれもクラーク=ボラン楽団のレパートリーなので、実質的には彼らへのトリビュート作と捕らえた方が自然なのかもしれません。A-1のタイトル曲は例によって高速調のボサ・ジャズ。このままでもNu Jazz的な硬いリズム展開が悪くない佳曲なのですが、個人的には回転数を33に合わせて遅回しでかける方がずっと好みです。ヴォーカルが入らないこともあって、遅回しで聴いてもそれほど違和感は感じられないし、こちらの回転数でかけるDJさんも出てくるかもしれませんね。オリジナルはわりと上げ気味のテンポですが、こうするとグッと落ち着いた雰囲気で、黄昏時のカフェ仕様に早変わりします。ジャケットのイメージに近いのもこちらなのではと思ったり思わなかったり…。ただ、それよりも注目なのはB-2のVisions Of Blue。リズム的にはほとんど人力ハウスと言った感じですが、ニコラのプロデュース下でプレイしている時とは対照的に、こちらはディープ・ハウスにも通じる都会的で煌びやかな音色が眩しい好ナンバーに仕上がっています。何となく井上馨さんによるChari ChariのAurora辺りを思わせる壮大な展開が素晴らしいですね。Schemaの雰囲気とは全く違いますが、これはこれでEspecialや西ロンドン系が好きな人に受けそう。しかし、彼らの楽曲はいつ聴いてもSchemaレーベルに感じるイタリアらしさが(良い意味で)希薄ですね。もはや完全に純正の北欧ジャズと言ってしまっても良いくらいRicky-Tickのレーベル・カラーに同化している気がします。こういうクラブ系12インチも、一度完売してしまうと次の入荷を待つのが面倒になりがちなので、興味のある方はお早めにどうぞ。
そう言って頂ければ幸いです。
これからもボチボチ更新していきたいと思います。。。