![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/4d/600bc115267eadf7005606aec22945b7.jpg)
僕たちの世代では「新世紀エヴァンゲリオン」の音楽担当としても知られる作曲家/マルチプロデューサー、鷺巣詩郎氏による1979年のデビュー作品。例のLight Mellow和モノ669掲載後、一部で話題となったことがきっかけで、2年ほど前にdisk unionのThink!からCD化済みの作品です。実はCD化の際に一度試聴するも今ひとつピンと来ずスルーしていたのですが、最近たまたま入った地元のレコード屋で帯付きLPが安く売られていたので買ってみました。一通り聴いてみた印象としては、全体的に悪くはないものの地味。いわゆるフュージョン~クロスオーヴァー畑の人がやっている和製AORとしてはなかなかの佳作で全体的に隙もないのですが、なんというかこのモノクロ写真のジャケット含め全体的に華がないので、きっとどこまで行ってもマニアックな作品止まりで、広く世に知られる作品になることはなさそうです。おそらくリイシューCD自体もそれほど極端には売れていないはず。ただ、そうした中でもA-3の「黒い雪」はやはり名曲。吉田美奈子あたりにも通じる和製メロウグルーヴで、須貝恵子嬢のヴォーカル・ワークを含めJ-AOR前夜のシティポップスとしてはかなりの完成度を誇っているため、一部マニアの間で人気があるのも頷けます。その他の曲では村川ジミー聡とのデュエットで歌われるB-2のLong Peaceも程よくポップなナンバーで良い感じ。途中のテナーサックスによるソロも雰囲気抜群です。いわゆる和モノ系DJが好みそうなのは全英語詞で歌われるダンサンブルなB-3のFly!。個人的には音の質感含めあまり好みの雰囲気ではありませんが、これはこれで和製ディスコブギーとしてクラブではそれなりに機能するのでしょう。個人的にはわざわざ大枚叩いて購入するほどの作品ではないと思いますが、もしも僕のようにどこかで安く発見できたら買ってみても損はない一枚。もしも興味があれば街のレコード屋さんを気長に探してみてください。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます