唯物論には欠陥がある。
考える方途としては、やむを得ないところではある。
でも、それを理解しない人がいる。
特に戦後の日本社会には。
教育によって騙されているのである。
今や甚だしい欠陥となっている。
・・・・・
孔子は言った、「われ鬼神を語らず」と。
私には何を言いたいのかよく分からなかった。
でもある時、本を読んでいたら、
そのことについて記していた。
それは、
私(孔子)は若輩者だから鬼神のことはよく分からない。
分からないものを、分かったように語ることはできない。
と。
ということであるので、
孔子はなにも鬼神を否定している訳ではない。
語れないと言っただけである。
それで腑に落ちた。
納得したのである。
・・・・・
唯物論は考える方途としては有用である。
分かりにくいものを横に置いて、
分かるものだけで考えよう、
ということである。
しごく、もっともなことである。
方法論としては素晴らしい。
が、そのことが欠陥となる。
横に置いたものを忘れるのである。
さらには、
忘れるだけならまだしも、
否定するのである。
こうなれば最悪だ。
目を瞑って見るようなもので、
言うことが頓珍漢であるばかりか、
毒を持つ。
そして人間の心を蝕む。