あるがままに、おのずからしかり。
作為を捨てて現実に寄り添い、
お天道様とともにゆうゆうと生きる。
これが日本人の生き方である。
それは始まりもなく終わりもない、
ただ在るのみ。
ただ道に在るのみ。
・・・・・
言葉を使うからこそ人であるのだが、
言葉は計らいである。
計らいを持てばすなわち自然でなくなる。
困ったものよ、矛盾である。
言葉を持てば持つほど「あるがまま」では居られない。
言葉を持ったまま、
言葉を封印しなければならない。
捨てるのではない、
捨てたら人間ではなくなる。
ほとほと矛盾である。
・・・・・
言葉を計らいとしてではなく持てば良い。
その方途を日本は教えている。
和歌の国、俳句の国。
すなわち歌の国。
言葉はいつに魂の為せる技である。
しかして、ただ魂に帰るのみ。
すなわち、言葉を魂に寄り添わせる。
言葉に魂を乗せる。
そのため、言葉は歌うように用いる。
そして一体化する。
言霊となる。
そこに嘘はない。
まことがあるのみ。
・・・・・
歌はプロパガンダではない。
また嘘を付く道具でもない。
歌は理屈を押し付けない。
ただ歌うのみ。
まことを立てるのみ。
神ながらの道、自然の道。
真に日本は皇尊の国、
言霊の幸わう国である。