前提として、出力インピーダンスは600Ωとしたい。ここには拘りたい。
プリの出力インピーダンスを600Ωとするには、真空管を2.5kΩで動作させる必要が有る。
現状は、
Lch Out-imp 768Ω (NFB 0dB)、 真空管内部インピーダンス3.2kΩ、rp 3.6kΩ(電圧より計算)
Rch Out-imp 666Ω (NFB 0dB)、 真空管内部インピーダンス2.8kΩ、rp 3.6kΩ(電圧より計算)
と内部インピーダンスは少し高めになっているので。出力インピーダンスは600Ωより高めである。
これを下げる方法として。
現状 5687 rp=3k Ep:250V(動作例より)
これをEp 180Vで動作させたら?
rp=2kΩとなる。 0.7倍とは小さすぎかな?
250Vで、カソード抵抗を少し下げてやれば内部抵抗が下がるのではないか?
少し下げてやればいいのでカソード抵抗を1kΩ→800Ωにする。
過去データより、これで1~2割ほど内部抵抗が下がると思われる。768Ω(Lch)を600Ωまで下げるのは、rpを2割ほど下げる必要が有る。
Epも少し下がって(成り行き)rpも3.3kΩ位になれば。
NFBは掛けない。
カソード抵抗を1kΩから800Ωにしてみた。合わせて初段電圧も下がったので調整。
カソード電圧は14V弱から13Vほどに下がり、プレート電圧は250V程になった。
各電圧から内部抵抗は3.3kΩになった。
測定してみた。
低域が下方にある茶色線。これは左右chの物が重なっている。
前回NFB 2dB掛けてた時の物は上グラフ低域が真ん中にある赤線。
真空管内部抵抗下げてもあまり変わらない。此れならNFB掛けてた方がいい。
あまり期待できないが、600Ω固定抵抗ではなくパワーを繋いで測定してみた。
低域はほとんど変わらない。
参考に感度を測ったが、少し良くなった。600Ωで受け渡ししたからかと思ったが、単純に測定ミスかもしれない。音聴いて良かったらしっかり測り直そう。
トランスにかかる負荷は、真空管のrpを下げるのとNFBは同じかと思ったが、何か違うんだ。NFBはOPT含む、rpは含まない・・・この辺かな。
今、鳴らしているのだが、やはりだめだと思う。低域がほぼ無い。
ただ、中音は良くなったと思う。前は位相がズレたというか、ひっくり返った?裏返った?ような薄い感じだ。今はしっかり感が出た。尤も気のせいかもしれないほど小さな違い。600Ωで出してるという安心感がそう思わせてるだけかも。
多分プリに関しては、思いつくことはすべてやったと思う。
一つ思うことは、パワーアンプの入力トランスの二次側にかました抵抗だ。どうもパワーアンプ、特に入力トランスで制限されてるように思えてきた。
これで周波数特性をいじれないかと思っている。
いま、20kΩが付いている。15kΩにしてみたが、F特がほとんど変わらなかったのでやめてしまった。
現状の最終データとしてF特を残しておく。
プリ(青線)、パワー(赤茶線)、プリ+パワー(緑の太線) のf特
もっと何かやることが有りそうだが、今は思いつかない。
取り敢えずこれで鳴らしていこう。
20200518
このプリを作る前、(今より)低音がでないでずっと疑問でした。
それがトランスの伝送という原因が分かってもパワーの入力インピーダンスが判らず、また悶々としました。なのでインピーダンスにはちょっと敏感になってたと思います。
そのため一回は600Ωで合わせた音を聴いて確認したく調整してました。
結果は「変化が良く分からん」でした。これで気が済みました。(なので今はLPを聴きまくってます。音も良い。)
それが6/5にアップした分です。
トランスのインピーダンスマッチングは融通が利く、という事はこういう事か、と思った次第です。
実はロードラインをなぜこの点(250V、7mA)にするか分かりませんでした。
なので一番きつい動作をさせていこう(根拠無し)という事で決めてました。
色々いじりましたが結局雑誌記事の動作点に戻りました。
今はそういう事か、とおぼろげに見えてきました。
なのでこれからB電圧150V、電流12mAを試してみようと準備中です。
お気付きかもしれませんが、私のブログは投稿を予約してましてリアルタイムではありません。投稿が遅くなってちょっと苦しい部分もあります。
それよりも、低域のf特を改善したいのでしたら積極的に内部インピーダンスは下げるべきです。
プリとパワー間の信号伝送では、できるだけフラットなf特で歪を少なくすることが重要で、電力のロスを考える必要は、ほとんどないはずです。
それから、5687の動作点を変えることによる内部抵抗の変化ですが、B電圧を上げてP電流を下げるほど内部抵抗は高くなります。
EP-IP特性で電流が5mA以下の部分が、曲線が寝ていますが、これは内部抵抗が高くなることを意味しています。
ということで、B電圧を150V程度にして電流を12mA程度にすることをお勧めしています。