なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性呼吸不全

2016年01月01日 | Weblog

 今日も日直で病院に出ている。日勤帯が始まってすぐに救急車が2台搬入された。ちょうどその時に、施設に入所中の86歳女性が施設職員といっしょに受診した。心房細動・心不全で当院循環器科に通院していた。1週間前から息切れ・動悸がして、今朝血痰も出たという。両側下腿に浮腫があった。聴診すると頻脈を呈していた。心不全の悪化と思って胸部X線をみると、心不全とは言い難い陰影だった。胸部CTで確認すると、両側中~下肺に間質性陰影があると判断された。この方は何十年も前に左下肺の摘出手術を受けていた(詳細はわからない)。BNPは300くらいでふだんと同じ程度だった。

 心電図は心房細動で、案外心拍数自体は正常域だった。虚血性変化も目立たない。白血球数は9900だが、ふだん3000台なのでけっこう上昇している。CRPは5.6だった。LDHが416(それまでは200台)と上昇。昨日の当直医が若い循環器科の先生だったので、相談した。心不全の悪化(肺うっ血)とはとりにくい、間質性肺炎ではないかということになった。

 受診時にSpO2が91%だったが、撮影後に横臥して再検すると70%台になった。急いで、血液ガスをとるとPaO2が40mmHg(PaCO2が32mmHg)で、マスクでO25L/分にしてSpO294%となった。一番近い当地域の基幹病院呼吸器科は心肺停止から人工呼吸管理になった患者さんが入院したばかりで(3人のうち病院に出ているのは1人のみ)、外来で使用する人工呼吸器しか残っていないので対応はできないという。呼吸器センターのある病院に連絡すると受け入れてもらえて、そちらに救急搬送した。本当に間質性肺炎でいいかはわからない。

 

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