なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

調剤薬局からの疑義照会

2015年05月11日 | Weblog

 先月外科系の先生方から、調剤薬局からの疑義照会が手術中や処置中に来るので煩わしい、何とかならないかという話が出た。平均して1日10件から15件の照会がある。内科でも来るが、診療中ならば患者さんの処方を画面で確認して返答するが、午後に病棟で処置をしている時や廊下を歩いている時にきても、すぐには画面を確認できない。ただ、内容は薬剤の個数の調整や、湿布の枚数をもっと多くもらいたかった、前から時々もらっている睡眠薬をもらうのを忘れたなど、単純なものがほとんどだった。

 何とかならないかという先生方の希望は、まとめて院内の薬剤師が対応できないかというものだったが、薬局長の話では実際は難しいらしい。専任の薬剤師を置くのはマンパワーが足りないという。地域の基幹病院でも同じ問題があり、そこは薬剤師の数が当院の2倍いて、薬剤師が対応しているという。当然処方した医師に確認しなければならないケースは処方医に直接聞くことにはなる。

 自分の外来にも、毎回残薬があり個数を調整してほしいという患者さんがいて、処方箋に個数は調整可能とコメントを入れている。薬局長の話ではそれは、認められるという。そこで、調剤薬局からの疑義照会の大部分を占める薬剤の個数や湿布の枚数に関しては、「個数・枚数は調整可能」の記載(とりあえずハンコをつくる)で対応することになった。それ以外の疑義照会は、内容をまとめてさらに対応策を考えることになった。

 昨日入院した消化器科で診ていたGIST術後・多発性肝転移の88歳男性は、外来主治医が担当になってくれた。たぶん診てくれると思って消化器科での入院にしていたが。脳出血の87歳女性は今のところバイタルに変わりはない。BPPVの65歳男性はvertigoが消失して(少しduzzinessはある)午後退院した。肺癌・癌性胸膜炎の86歳男性は、意識が低下してきて、鎮痛も鎮静もしないで経過をみている。

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脳出血だった

2015年05月10日 | Weblog

 今日は日直でまた病院に出ている。地域の当番医が小児科医だったので、大人は当院を受診して忙しいかと思われたが、歩いて受診する患者さんは多くなかった。20歳代女性が咽頭痛と高熱で受診した。明らかに扁桃が化膿して、前頸部リンパ節が腫脹して圧痛があった(咳はなし)。白血球17000・CRP7で肝機能障害はない。溶連菌迅速試験は陰性だったが、化膿性扁桃炎と判断された。食欲もないというので(呼吸苦はなし)、点滴と抗菌薬点滴静注として、経口抗菌薬を3日分処方した。別の20歳代女性(大学生)は高熱・咳・鼻水・関節痛で受診した。1月にインフルエンザA型に罹患した時と同じ症状だという。インフルエンザB型と思って迅速検査は陰性だった。検査で証明はできなかったが、食欲がだいぶ落ちていることもあり、イナビルも使用して経過をみることにした。

 救急車は、まず消化器科外来に通院しているGIST術後の多発性肝転移の88歳男性が呼吸困難で搬入された。39℃の高熱もあった。全身浮腫(主に下半身)で陰嚢も腫れている。CTで肝転移が前回よりも増加している。門脈圧亢進状態と低蛋白血症が浮腫の原因になるのだろう。炎症反応上昇があり、感染症が併発しているはずだ。尿混濁はなかった。肺炎としての浸潤影も明らかなものはない。肝胆道系の問題と思われた。血液培養2セット提出後に抗菌薬を開始した。利尿薬は内服で出ていたが、今日は静注でラシックス・ソルダクトンを使用した。消化器科・主治医自分として入院させて、明日外来担当医にかわる予定だ。

 65歳男性が、回転性めまいで救急搬入された。2~3年前に茨城県に行っていた時になって、筑波大学付属病院に搬入されたそうだ。一晩入院して治癒退院している。今回も前回と同じ症状という。頭部CTは異常なし(少なくとも出血はない)。短期入院で明日まで経過をみることにした。、

 その後は90歳女性が美容院で一過性意識消失となって搬入された。母の日なので、娘が美容院に連れて行ったそうだ。椅子に座ってカットしているときに美容師が意識がないのに気付いたが、そのまま座らせたままでの救急要請だった。確かにうごかしにくかったのかもしれないが、できれば静かに横臥させたいところだ。救急隊到着時から意識は戻っていた。まったく医療機関にかかっていないので、家族は健診として全部診て下さいという。胸部X線・心電図・血液検査・頭部CTと行い、脳萎縮以外に異常はなかった。1回だけ水様便(タール便ではない)が出たというが、その後は腹痛・嘔気嘔吐・下痢はなかった。そのエピソードが循環血液量低下(一過性脳循環不全)につながったのか。すっかり元気になって帰宅となった。パーマの途中だったので、髪の毛は独特のにおいがしていた。

 87歳女性が意識障害・左半身麻痺で救急搬入された。1月に軽度の脳梗塞で当院神経内科に入院して、今はかかりつけの内科クリニックから処方を受けていた(プラビックスが入っている)。救急隊からの依頼がきて、これは脳梗塞再発と思った。思って搬入後に頭部CTをとると延髄レベルで第四脳室に出血があった。基底核レベルで大きな右被殻出血があり、両側の第三脳室に穿破した血液が貯留していた。当院は4月から脳神経外科医が不在になっている。脳神経外科医のいる施設への搬送となるが、実際には手術はないと判断される。この方は老夫婦の二人暮らしで、寝たり起きたりの両親の介護をまかされた娘が通って世話をしていた。昨日の夕方には変わりなかったというが、今日の午後までのどこかで発症したらしい。その娘夫婦と相談したが、脳神経外科へのコンサルトは希望しなかった。当院で保存的に経過をみることになった。出血の周囲は脳浮腫があり、側頭葉から後頭葉では脳溝が圧排されている。どのくらい持つかわからない状態での入院となった。

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微生物学の本はどれがいい?

2015年05月09日 | Weblog

 今日は休みなので、掃除をした後に、丸善に行って微生物学の本を探してみた。「戸田細菌学」のような大冊はいらない。教科書でいいので「標準微生物学」にしようと思ったが、無味乾燥でたぶん通読はしない。南山堂の本で簡単で良さそうなものがあったが、決めかねて購入にいたらず。購入予定だった「あなたも名医!不明熱、攻略」日本医事新報社を買ってきた。出ている疾患は定番の疾患が並んでいて、「急性副腎不全」と「CRP低値でも重症」が参考になる。カラーできれいな(学習参考書風な)本で読みやすい。

 誤嚥性肺炎で入院した92歳女性は、入院時の検査で白血球増加があるがCRPが陰性だった。その後、白血球増加は改善してCRPは遅れて上がってくるかと予想したが、陰性だった。先月にも同じ病態で入院しているが、CRPは軽度ながら上昇していた。なぜ今回は陰性のままなのわからない。解熱して食事も開始できているが、違和感がある。特別な疾患が隠れているようにも見えない。CRPを治している訳ではないので、気にしなくてもいいのかもしれないが。

 内科の若い先生が、ALP高値(骨由来)で内科医院から紹介された80歳代女性を診察して、血清カルシウムは正常域だったが、副甲状腺ホルモンを検査したところ、明らかな高値だった。自覚症状はない。一般的な血液検査として施行されて、たまたまALPが高かったという経緯だ。いったいどんな病態なのか。

 朝日新聞に「悩みのるつぼ」のコーナーがあり、回答者のひとりが上野千鶴子さんだ。イメージでは、あまり好きになれない女性と思い込んでいたが、なやみに対する回答が適切でおもしろい。これまでの回答をまとめて、すでに一冊「身の下相談にお答えします」朝日文庫が出ている。今日のお悩みは、仕事を定年退職した後に、電話による自殺予防の相談をしている男性のものだった。相談相手から感謝されて、自分も世の中の役に立っていると実感していた。最近、自分の心に(相手に対する)「優越感」が湧いていることがあり、そんなことでいいのかというものだった。上野さんの回答は、「死にたいほどの悩みを持った人と比べると自分のつつがない生活が幸福に思える、それはあたりまえの感情で、「よこしまな心」と呼ぶ必要はない。それよりも、この仕事に少し飽きがきているのでは。もうひとつ私利私欲系のお楽しみメニューも増やして両方やってみると、自殺予防のボランテイアの価値が再びよくわかるようになるでしょう。」 

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肺炎と肺癌

2015年05月08日 | Weblog

 今日は施設に入所している78歳女性が誤嚥性肺炎(尿路感染症も)で入院になり、他院からの紹介で肺癌終末期のの80歳男性が転院してきた。まあ、いつも通りの状況ではある。肺癌の患者さんは県内の病院だが、車で2時間かかる。両側肺に多発性の転移巣があり、胸水も貯留している。介護タクシーで来るはずが、朝に入院している病院から連絡が来て、現在酸素5L/分で救急車で送るという。転送する場合ではないのではと思ったが、予定通り来てもらった。来てみると、ほんとに何日持つかという病状だった。当院が地元というわけでもなく、内縁の妻の子供さんが当地(といってもそれほど近くない)にいるというのが理由で、その妻はその病院のある市内の施設に入所したままだという。数日内入院継続でよかったのではないか。

 別の肺癌・癌性胸膜炎の86歳男性は胸水が増加して反対側の肺を圧排したため、胸腔ドレーンを挿入した。昨日2L排液して、今日は800ml排液した。胸部苦痛は軽減したが、食事摂取量が減ってきている。薬剤を注入しての胸膜癒着術に耐えられないかもしれない。

 午後は入院の指示出しの後、病棟稼働率(いかに上げるか)のことなどの会議があった。内科は入院が多いので、今の状態で限界ですというしかない。

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GI療法

2015年05月07日 | Weblog

 昨日高カリウム血症で救急搬入された88歳女性は、尿も出ていたのでソルデム1の点滴で経過をみていたが、夕方の血清カリウムが6.8とまた上昇した。心拍数30/分台の洞性徐脈が続いていた。またGI療法を行うことにした。

 搬入時に若い先生が、50%グルコースとヒューマリンRを短時間に静注したところ、一時的に血糖が700で上がって、400になって、1時間後に150になった。そんなに頻回に血糖を測定しなければ高血糖になったのに気付かなかったのだろう。インスリンが効く前にグルコースの効果が即出るのだった。グルコースとインスリンの比率は50%グルコース40~50ml+レギュラーインスリン10単位(グルコース2~2.5gにインスリン1単位)がいいのか、50%グルコース100ml+レギュラーインスリン10単位がいいのか。前者の場合は低血糖に注意とある。今回、若い先生のオーダーは50%グルコース60ml+ヒューマリンR10単位だった(20mlのアンプルなので単純に3アンプル使用したのだろう)。

 1時間以内は高血糖となり、その後は血糖100前後で経過した。低血糖にはならなかった。血糖の変動など詳しいことはテキストには記載されていない(調べれば出てくるのだろうか)。速効性を期待すれば、使用すべきは50%グルコースの静注だろう。その後に、10%グルコース500ml+ヒューマリンR10単位を点滴静注すののがいいのだろう。適切な点滴スピードはどのくらいなのかわからないが。

 夕方から、10%グルコース500mlにヒューマリRを混合して点滴静注を開始した。その時の血糖が90台だったので、ヒューマリンRを6単位と中途半端な(巧妙な?)量にした。午後9時に、血清カリウム5.6となり、心拍数は60/分台と正常になった。血糖は120いい値だった。GIの点滴速度を減量して、今朝は血清カリウム5.0になり、昼食から食事を開始したが、夕方の血清カリウム4.4となったのでGIの点滴を中止した。血糖は120とちょうどいい。点滴して尿が十分で出ていたので、GI療法だけの効果ではないが。

 基本的な治療にもかかわらず、試行錯誤的にGI療法をおこなっていまうのは、案外使用経験がないからだ。自分自身これでたぶん3回目だ。1日持続して使ったのは初めてになる。これは異常に経験が少ないのだろうか。GI療法は100回以上やってますという医師も専門によってはいるのかもしれない。腎臓内科医?、いや救急医かな?。

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高カリウム血症

2015年05月06日 | Weblog

 昨日は日直の後、内科当番だったのでそのまま病院に泊まっていた。宿直は麻酔科研修をしている若い先生だった。循環器科に通院している80歳男性が受診して、肺炎だった。宿直の先生が、肺炎は自分で診ます(もともと呼吸器科)ということで、お願いした。

 朝医局のコンピュータの画面で救急外来の患者さんを確認すると、早朝に88歳女性が救急搬入されていた。宿直の先生が対応していて、検査で血清カリウムが8.1と著明に上昇していた。医局にその先生が上がって来た。経緯を聴くと、搬入時の脈は20/分台の徐脈だった。P波のない、それでもnarrow QRSだった。T波思ったよりはとんがっていない。カルチコール静注とGI療法を行い、カリウムが5.8まで下がった。高血圧症と糖尿病で2か所のクリニックに通院していた。初診なので普段の値がわからない(連休で問い合わせようもない)。糖尿病はジャヌビア50mgのみで血糖180mg/dl、HbA1c7.0%とそう悪くない。尿蛋白(1+)、血清クレアチニが1.92mg/dl。

 降圧薬として、ARBが入っていた。これが悪影響を与えたとしても、それだけではないはずだ。この方はふだん一人暮らしで、たまたま息子さんが、帰省していた。朝方にトイレに行こうとして倒れたのに気づいた。反応がおかしいので救急要請した。そのまま倒れていたら、今日の午後か夜には心停止に陥っていた可能性が高い。息子さんの話では、ひとりで買い物にも行っていて会話は普通ですというが、処方を見るとアリセプトが入っていた。昨日は室外で作業をしていたそうだ(暑かった)。あまり水分をとらない傾向があるという。昼食までは食べたが、夕食は食べられず、嘔吐した。午前2時半ごろ、午前4時半ごろも嘔吐した。脱水症をきたしたためと推定された。

 しばらく救急室でそのまま経過をみていたが、心電図でP波が出現して、通常の洞性除脈になった。電解質と血糖を再々検して血清カリウム5.2、血糖170mg/dlとなったところで、病室に上げることにした。

 昨日の日中に洞性徐脈・6秒の洞停止で循環器科に入院した71歳男性は、入院後も40/分台の洞性徐脈が続いていた。準夜帯になって患者さんが寝ると、8秒の洞停止が出現して、16/分の徐脈になった。循環器科医が来て、体外式ペースメーカーを挿入した(VVIで70/分)。週1回来ている大学病院の心臓血管外科医に相談して週賭けにペースメーカー植え込み術を行うという。睡眠時無呼吸の傾向があるのではとも言っていた。最近、この先生は睡眠時無呼吸症候群の検査をせっせとやっている。

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入院と搬送

2015年05月05日 | Weblog

 今日も日直で病院に出ている。午前中は小児科の受診ばかりで、小児科医が外来診療をしていた。昼前から内科の救急搬入が3件続いた。

 71歳男性が義父の葬儀で火葬場にいて、突然意識消失した。救急車が到着した時までわからなかったという。搬入時は意識清明だった。この方は先月に2回同様の意識消失があり、1回は救急搬入されて、もう1回は回復していから自宅の車で受診していた。循環器科でホルター心電図と心エコー検査が行われて、異常なしとされていた。ただホルター心電図の結果を出してみると、心拍数が40台/分になることがあり、これは異常だと思う。さらに神経内科で頭部MRIと脳波検査が行われて、来週神経内科外来で結果説明ということになっていた。搬入されてからも心拍数は40台/分で洞性除脈だった。話が急に途切れ意識消失した。心電図では6秒間flatになっていた。心拍が出ると意識も次第に戻った。洞停止だった。循環器科の当番に連絡して入院した。モニターで監視して経過をみるようだ。

 その後、地元の温泉に家族と日帰りで来ていた19歳女性が入浴中に意識消失した。倒れて、いったん意識が戻ったらしいが、それを抱えて座らせた時にまた意識消失して、ごく短時間痙攣もしたそうだ。救急搬入された時は意識清明で、前額部に打撲して5mmほどの切創があったが、それ以外は特に症状はなかった。血圧は100ちょっとで、ふだんの血圧が100未満の時もあるというが、これまで倒れたことはないそうだ。倒れる直前の眼前暗黒感までは覚えていた。10分くらい温泉に浸かっていた。心電図は異常なしで、血液検査でも貧血その他異常なしだった。家族の希望で頭部CTを施行したが、異常なし。入浴で血管が開いたことによる症状と判断された(てんかん発作も完全に否定しない方がいのか)。途中で抱き起こさずに、横にしたまま休ませれば、そのまま回復して救急要請には至らなかったのだろう。

 さらに、痙攣が止まらない71歳男性の搬入要請がきた。2年前に当地域の基幹病院に脳出血で入院した既往があり、今は別の病院に通院していた。そこは夜間休日には救急対応できない。その後、入院していた基幹病院に連絡すると、ちょうど急性心筋梗塞の患者さんが搬入されたところで、受け入れできませんと断られた。当院に来てもらうことにしたが、脳出血後の症候性てんかんで、搬入時には痙攣も治まっているだろうという見込みだった。見込みだっが、搬入時にも間代性痙攣は続いていた。生食500mlで血管確保して、セルシンを静脈して、ちょっと治まったかに見えた。続いてホストインを15ml(1125mg)の点滴静脈注を開始したが、まだ痙攣は治まっていなかった。ゆっくりホストインが入っていって、痙攣が止まって意識が戻ったりしたが、また痙攣して応答がなくなった。これを数回繰り返してるうちにホストインが入りきった。やっと効いたかと思ったら、また痙攣が始まった。ちょっと痙攣が治まった時に頭部CTを撮影していて、新規の脳出血(2回の既往あり)がないことは確認できた。これは出ごわい。さらに薬剤を投与すべきか迷ったが、専門医にまかせるのが賢明だと判断した。基幹病院に電話してみると、心筋梗塞の患者さんは救急室から専門医の治療に回ったらしい。既往と搬入の経緯をお話しすると、引き受けてくれた。ここは休みでも日中なら脳神経の専門医が院内にいるはずだ。確か常勤は脳神経外科2名と脳神経内科4名+後期研修医。ありがたく、搬送させていただいた。

 内科の入院は80歳女性の肺炎と、92歳男性の肺炎だった。後者はHbA1cが9.2%で血糖が302mg/dlと出た。近くの病院で糖尿病の治療をしていたが、やめたいと希望したところ、担当医も高齢なのでそれでもいいと認めたという(本当かどうかあくまで患者さんの話)。

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けっこう詳しい看護科教科書

2015年05月04日 | Weblog

 昨日救急搬入された脳出血の患者さんは今日の午前4時前に亡くなった。脳溝の状態から見て、脳圧は相当亢進していたと思われる。グリセオールも効果がなかった。一昨日の就寝前に発症して、昨日の午後に救急搬入され、約30時間ぐらいの経過だった。日直が終わった後、そのまま病院にいて看取った。

 外科では、土曜日の当直帯で入院した腸閉塞の40歳代女性が緊急手術となった。整形外科も金曜日に入院した脛骨の開放骨折の手術がある。今月は高校看護科(専修科)の講義があるので、新版になった成人看護学「血液・骨髄疾患」の内容を確認していた。内容がけっこう新しくなっている。難治性ITPの治療がサードラインとしてまとめられていて、トロンボポエチン受容体作動薬などが記載されている。そこまで覚える必要があるだろうか。昼まで病院にいて帰宅した。

 例年2回の講義で血液疾患をざっと教える。過去に出された看護師国家試験問題から、プリントにして10ページくらいの必須項目を記載して、それだけを覚えてもらうことにしている。教科書には白血病などに使用される抗腫瘍薬も詳しく記載されているが、それはさすがにこれまで試験に出されたことはないようだ。

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脳出血で内科入院

2015年05月03日 | Weblog

 今日は日直で出ている。小児科の先生も今日は出番で、小児の外来受診は診てもらえるので、内科として診る患者数は少なかった。ひとり暮らしだという90歳女性が娘さんに連れられて受診した。感冒症状が数日続いて、食欲がなくなったという。発熱はないということだったが、38℃の発熱があった。咳はそれほどひどくはない。外科で骨折(脛骨と腓骨)の患者さんが搬入されて、X線検査をしていたので、点滴と血液検査を先に行った。白血球数17000と上昇して、CRPも19と高かった。尿所見は正常で尿路感染症ではなかった。体型的に読みづらい胸部X線では肺炎かどうかはっきりしなかったが、胸部CTで確認すると浸潤影を認めた。当然入院治療になる。娘さん(といっても、結構な年齢)に今後も一人暮らし継続ですかと聞くと、考えてはいたという。

 午後になって、当院循環器科と脳神経外科に通院していた86歳男性が昏睡で救急搬入された。心筋梗塞・急性冠症候群で2回のPCI・急性硬膜下血腫術後の既往がある。頭部CTで著明な脳出血を認めた。右視床出血から広範に広がったと思われ、脳室穿破していた。脳神経外科処置の適応はないが、どうしたものかと思った。当院にいた唯一の脳神経外科医は他の病院に移って、4月から当院は脳神経外科常勤医なしとなった。月に2回だけ外来を診に来ている。

 この方は一人暮らしで、昨日は夕方まで息子夫婦が来ていて、世話をしてから帰ったそうだ。今日も午前9時に電話したが、出なかった(外出しているものと思ったという)。近所の方が新聞受けから新聞を持って行ってないことに気づき、自宅内に入った。寝室で倒れているのを発見したが、意識はなかった(昏睡)。救急要請して、息子(当地から車で1時間ちょっとの他市在住)に連絡した。布団のそばのスタンドが付いていて、本があったというので、就寝前に発症したらしい。

 頭部CTが終わった時に、息子夫婦が病院に到着した。病状をお話しすると、当院でそのまま診てもらいたいという。患者さんを搬送するのも危険なので、息子さんが紹介状と画像を専門病院に持って行って脳神経外科医の説明を聞くのもありますがと言ったが、希望しなかった。時間の単位、あるいは短い日にちの単位で心肺停止になる見込みとお話して、その時はDNRの方針となった。内科で脳出血の患者さんが入院となった。まあこれまでも、看取りのみの脳血管障害の患者さんは救急で診た医者が自科入院で担当してくださいというのが、ひとり脳神経外科医体制での指示なので、変わりないことになるが。他の病院の脳神経外科医とインターネットでつながって、画像を見ながら家族に説明するようなシステムがあればいいのにと思う。

 金曜日に高熱で受診した看護師さんが今朝病院に来た。診察した消化器科医は今日当直明けでまだ病院にいたが、来院の指示を出していたようだ。その後頻回の下痢があって、キャンピロバクター腸炎疑いが濃くなった。便培養はとっていなかったというが、解熱して炎症反応も軽快していた。エリスロシンを3日分追加処方して問題なければそこで終診となった(確定はしてないが、ギラン・バレーに注意)。

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看護師さんの発熱

2015年05月02日 | Weblog

 昨日は電子カルテを含む病院の次期コンピュータシステムの選定会議があった。来年1月から当院もやっと電子カルテになる。医局内に詳しい先生はひとりしかおらず、他の病院で電子カルテを使用した経験のある先生も5人くらいだった。なんとか選定業者を決めたが、はたして本当にいいのかわからない。ただそれぞれの業者は主だった病院を担当した実績があり、価格とメインテナンスに問題なければ正直どこでもいのかもしれない。

 出産後に仕事に復帰した看護師さん(32歳女性)が、39℃の発熱・心窩部痛・めまい・ふらつき(pre-syncope)で外来を受診した。内科新患は大学病院の応援医師だったので、外来で再来をみていた消化器科医が診察することになった(最初に心窩部痛を訴えたため)。点滴を開始して検査を行うと、白血球数増加(12000)・CRP11と、思いがけず高値だった。腹部エコーは異常なしだった。インフルエンザ迅速試験は陰性で(現在もB型が散発している)、上気道症状はない。病棟で連休中の指示出しをしていると、その消化器科医が来た。何か見落としがないか相談したいという。やはり病院の職員のことなので、慎重な対応になる。

 尿検査は異常なし。出産後まだ生理がないということだった。妊娠反応は陰性だった。連休に入ってしまうので、できるだけ危険な疾患を否定しておきたい。最初に心窩部不快感・嘔気を訴えたが、腹部に明らかな圧痛部位はないそうだ。高熱が先行して。その後下痢などの消化器症状が出現して、キャンピロバクター腸炎ということがあるが、下痢・回盲部の圧痛がないと確定はできない。CTまでしておきますか、ということになった。会議などが始まる直前だったので、終わったらいっしょに診ましょうと伝えたが、結局終わったのが、午後7時過ぎだった。看護師さんはすでに帰っていた。

 画面で確認すると、胸腹部CTが施行されて、上は副鼻腔から胸部までは単純で、腹部は造影で撮影されていた。放射線科医の読影レポートもすでに出ていて、これといった異常は指摘されていない。処方をみると、エリスロシンとミヤBM、それに発熱時のカロナールが処方されていた。キャンピロバクターの一点ねらいの処方だった。うーん、それでいいのか。今日はその先生が宿直で、明日は私が日直なので、症状が続く時はまた診察できる。

 今日は休みで、イエローハットで遅くなったタイヤ交換をして、連休中掃除できるのは今日だけなので、掃除機がけをした。あとは岩田先生の「テーブル回診Live」を読んでいた。教科書ではないので、岩田先生の日常の指導に含まれる至言をまとめるには、読み返して付箋を付ける必要がある。amazonで大曲先生たちの「Fever」も予約注文した。

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