なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

脳出血その後

2015年05月21日 | Weblog

 先々週入院した脳出血の87歳女性は、バイタルサインとしては降圧薬を点滴で使用しているものの安定している。ただし意識障害(昏睡)は変わらない。脳外科への転送について家族と相談したが、それは希望せず当院で保存的に診ることになったのだった。

 約2週間経過して、行うとすれば経管栄養なので再度家族と相談した。3人の娘がいて、直接介護していたのは三女だった。患者さんと、同じく認知症の患者さんの夫(父)を通いで世話していた三女が責任者で決定権があるらしい。その三女は胃瘻造設などは希望せず、以前から患者さんと延命的な処置は希望しないことになっていたという。直接世話していない姉妹は、できることはやってほしいような雰囲気だったが、三女は点滴を継続して最期まで病院で診てもらえればいいと言った。3年間充分介護してきて、もうそろそろ終わってもいいという気持ちらしい。こういうことに正解はないが、多分この方針がいいのではないかと思う。

 末梢血管からの点滴が困難になってきて(もともと血管が見えにくい)、今日内頸静脈からCVカテーテルを挿入した。高カロリー輸液は希望されていないので、末梢用の輸液で継続する。数週間はもつ見込みだ。

 昨日76歳男性が腹痛で消化器科の外来を受診した。消化器科の外来は予約患者数が多い。腹痛がひどくて処置室で横臥している患者さんを診察すると、明らかな腹膜炎だった。腹部X線でフリーエアーを認め、腹部造影CTでS状結腸憩室穿孔が疑われた。すぐに外科に回されて緊急手術となった。一昨日近くの病院jを受診して便秘と言われたらしい。今日どうなっているのかと画面を確認すると、術中からノルアドレナリン点滴が入っていた。気管挿管・人工呼吸器管理のままだった。患者さんも大変だが、治療する外科も大変だ。

 

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