なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

結核菌PCR陽性

2015年05月16日 | Weblog

 2か月前から誤嚥性肺炎で入院している86歳男性の喀痰検査で抗酸菌が疑われた。抗酸菌染色で陽性になって、結核菌・MACのPCRと液体培養が追加で提出された。昨日検査会社(SRL)から連絡が来て、結核菌PCR陽性と判明した。

 患者さんの今の状態は、嚥下障害で欠食になっている。誤嚥性肺炎で入院して、肺炎の軽快後に経口摂取を開始してムセがひどくて中止、また肺炎の治療をして嚥下訓練を再開して、と繰り返してきた。担当医は粘り強く経口摂取させようとしていたが、私だったらもっと早く経口摂取を断念していたかもしれない。

 当院は結核病床を持っていない。各病院で1~2床の結核病床を自前で持つようにという、モデル事業に参加するかどうかの話は出ていたが、決めかねていた。現状では結核病床への転院になる。週末の夕方(時間外)だったので、週明け早々に結核病床を持つ病院と交渉することになる。ただ患者さんは抗結核薬の内服自体がきびしい。喀痰培養ではMRSA・緑膿菌・大腸菌ESBLが検出されている。紹介するのも申し訳ない病状ではある。

 病院に1床だけ結核病床を置くべきと思われるが、病院内での合意を得なければならない。県内には1か所の病院しか結核病床がない。当地域で結核病床を置くとしたら、呼吸器内科医が複数いる基幹病院だが、その気はないようだ。

コメント
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