なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

志智大介先生のブログ

2015年05月30日 | Weblog

 聖隷三方原病院の感染症・リウマチ内科志智大介先生のブログを覗いていた。リウマチ性は発筋痛症(PMR)の治療に難渋する時の話だ。0~13%はプレドニゾロン初期量が15mg/日以上要する。15mg/日1週間の投与で軽快しない時は、5mg追加して20mg/日1週間投与する。それでダメな時はsubclinical or silent GCA(giant cell arteritis)を考える。

 PMRの多くはプレドニン15mg/日(炎症反応と臨床症状が軽度だと10mg/日にしていた)1週間で軽快する。軽快すればPMRでほぼ間違いないので、リウマチ膠原病科には紹介しない。ただ、一部はある程度軽快はするもののと途中で改善しなくなり、また症状と検査所見が増悪してくることがある。その時GCAの症状所見がないと困ってしまう。患者さんがリウマチ膠原病科に紹介したいが、地方ではちょっと距離があって、なかなか行ってくれない。仕方なく、(気持ちは悪いが)プレドニン20~30mg/日を投与して反応をみたりする。

 一人は60歳代女性で、プレドニン30mg/日で幸いに軽快した。10mg/日前後で症状はないが、検査所見が軽快とちょっと悪化を繰り返した。70歳を超えてから、認知症が進行してADLが低下して生活全般に全介助となり、嚥下障害で胃瘻造設経管栄養となった。入所した施設から通院していたが、誤嚥性肺炎や尿路感染症で入退院を繰り返してした。プレドニン5mg/日で元の病気(PMR+GCA?)は安定していたが、結局肺炎の増悪で亡くなった。

 もう一人は80歳代男性で、プレドニン20mg/日でまあまあの改善が得られた。ゆっくり漸減して、それでも軽度の悪化と軽快を繰り返して5mg/日で現在病状は安定した。

 症状がなくても、GCA疑いとなれば、正しくは側頭動脈生検をすべきなのだろう。リウマチ膠原病科の外来が当地の基幹病院にもできたので(大学病院から出張)、以前よりは紹介しやすい条件が整ってきた。免疫抑制剤での治療は自分の診療範囲を越えてしまう。

コメント
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