なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

リンパ腫その後

2015年05月25日 | Weblog

 腹部腫瘤で紹介されて、消化器科で検査してMALTリンパ腫の進行したものと診断された90歳女性は、家族の希望で県立がんセンター血液内科へ紹介となった。今日その返事が来て、入院で極少量の抗癌剤治療を行うことになったそうだ。当院でピロリ菌除菌療法を行って、食欲は回復していた。極少量でも血液癌なので効果が期待できるのだろうか。

 両側副腎と腰背部に腫瘤があり、背部の腫瘤を外科で生検した83歳女性は、悪性リンパ腫だった(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)。もともとは橋本病による甲状腺機能低下症で、CTで見ると、甲状腺左葉の濃度がまだらになっている。リンパ節腫大を指摘できるのは左鼠径部リンパ節だけ。原発巣はどこになるのか。甲状腺癌に治療を専門にしている外科医に診てもらうことになった。シンチも行うことにした。患者さんご本人は認知症で、すぐに衣服を脱いで裸になってしまう。血液内科への紹介について家族と相談だが、適応なしという判断になりそうだ。

 多臓器不全の83歳男性は、順調に回復した。尿培養と血液培養から同じ大腸菌が検出された。凝固異常はまだ目立つが、入院時の驚くような検査異常はだいぶ改善した。入院数日後まで嚥下障害が目立っていたが、今日の様子では食べられそうだ。それにしても丈夫なのものだ。

 新入職員にツ反を行ってきたが、学会で推奨されていないこと、大学病院や主だった病院で行っていないことから、当院でも来年から中止することになった。IGRAが推奨されているが、それは費用の点で行わない。

 病棟も落ち着いていて、今日は二つの会議を済ませてもまだ余裕がある。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする