昨日は日直の後、内科当番だったのでそのまま病院に泊まっていた。宿直は麻酔科研修をしている若い先生だった。循環器科に通院している80歳男性が受診して、肺炎だった。宿直の先生が、肺炎は自分で診ます(もともと呼吸器科)ということで、お願いした。
朝医局のコンピュータの画面で救急外来の患者さんを確認すると、早朝に88歳女性が救急搬入されていた。宿直の先生が対応していて、検査で血清カリウムが8.1と著明に上昇していた。医局にその先生が上がって来た。経緯を聴くと、搬入時の脈は20/分台の徐脈だった。P波のない、それでもnarrow QRSだった。T波思ったよりはとんがっていない。カルチコール静注とGI療法を行い、カリウムが5.8まで下がった。高血圧症と糖尿病で2か所のクリニックに通院していた。初診なので普段の値がわからない(連休で問い合わせようもない)。糖尿病はジャヌビア50mgのみで血糖180mg/dl、HbA1c7.0%とそう悪くない。尿蛋白(1+)、血清クレアチニが1.92mg/dl。
降圧薬として、ARBが入っていた。これが悪影響を与えたとしても、それだけではないはずだ。この方はふだん一人暮らしで、たまたま息子さんが、帰省していた。朝方にトイレに行こうとして倒れたのに気づいた。反応がおかしいので救急要請した。そのまま倒れていたら、今日の午後か夜には心停止に陥っていた可能性が高い。息子さんの話では、ひとりで買い物にも行っていて会話は普通ですというが、処方を見るとアリセプトが入っていた。昨日は室外で作業をしていたそうだ(暑かった)。あまり水分をとらない傾向があるという。昼食までは食べたが、夕食は食べられず、嘔吐した。午前2時半ごろ、午前4時半ごろも嘔吐した。脱水症をきたしたためと推定された。
しばらく救急室でそのまま経過をみていたが、心電図でP波が出現して、通常の洞性除脈になった。電解質と血糖を再々検して血清カリウム5.2、血糖170mg/dlとなったところで、病室に上げることにした。
昨日の日中に洞性徐脈・6秒の洞停止で循環器科に入院した71歳男性は、入院後も40/分台の洞性徐脈が続いていた。準夜帯になって患者さんが寝ると、8秒の洞停止が出現して、16/分の徐脈になった。循環器科医が来て、体外式ペースメーカーを挿入した(VVIで70/分)。週1回来ている大学病院の心臓血管外科医に相談して週賭けにペースメーカー植え込み術を行うという。睡眠時無呼吸の傾向があるのではとも言っていた。最近、この先生は睡眠時無呼吸症候群の検査をせっせとやっている。