なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

講義の準備

2015年05月23日 | Weblog

 高校看護科(専攻科)での血液疾患の講義の準備をしている。次回は白血球(造血器腫瘍)と血小板(出血性疾患)の講義をする。造血器腫瘍は一般医からみると相当難しくなっている。

 昨年内科学会地方会の教育講演会で、血液内科教授の多発性骨髄腫の講演を聴いた。長年MP療法(メルファラン+プレドニゾロン)を上回る治療がなかったが、最近の新規治療薬では上回るようになり、治癒を目指した治療が期待できるというものだった。

 病院に行くのを嫌がっていた60歳代男性が動けなくなって兄弟に連れて来られた。内科の若い先生が担当したが、血清蛋白の異常高値から多発性骨髄腫が疑われた。貧血もひどく、輸血が行われた。輸血後に突然呼吸困難になった。肺水腫(非心源性)だった。気管挿管して人人工呼吸器管理になったが、約1週間で何とか回復した。輸血関連急性肺障害(TRALI)と判断された。県立がんセンターへの受診は患者さんの都合で(認知力低下あり。通院は兄の付き添い付きを要する)できず、何とか通院できるという当地の基幹病院の血液内科外来(大学病院から週1回)を受診した。やはり患者さんの都合で毎回そこを受診できないので、当院の外来でボルテゾミブを使用することになり、現在継続中だ。

 私の外来に通院していた85歳女性も多発性骨髄腫で、同じ病院の血液内科外来に紹介した。先週返事が来て、そこで高血圧症などふだんの慢性疾患も含めて外来で継続して診てくれるという。高齢だが、一人暮らしでADLは自立している。治療の内容は分からないが、やはりボルテゾミブなのだろうか。

 看護科では講師の確保に苦労している。呼吸器疾患は基幹病院呼吸器科医が担当していたが、診療が忙し過ぎて断られたそうだ。今は当地の病院に大学病院から応援に来ている先生が、午前中の診療の後に高校まで来て教えているという。昨年当院を辞めた腎臓内科医が腎泌尿器疾患とリウマチ膠原病を担当していたが、今は腎疾患は施設勤務の泌尿器科医が教えている。専門医でなくてもいいなら、何でも講義できなくはないが、診療が忙しいので今のコマ数で手いっぱいということにしておく。

 今日は「感染症的往復書簡」MEDSIを購入した。ちょっと難しそうだが、読んでみましょう。

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