なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

ツ反検査

2015年05月18日 | Weblog

 病院では入職時の検査としてツ反をずっと行ってきた。昨秋から係り(感染管理室長)になったので、新入職員のツ反の結果が回ってきた。潜在性肺結核としての治療歴のある医師もいた。看護師さんたちはほとんど陽性で、強陽性の人もけっこういる。看護学校でもツ反を行うので、反応が強くなっているのだろう。有症状者、胸部X線で異常を指摘された人はいなかった。これまでどうしていたのかと感染管理の看護師さん(ICN)に聞くと、強陽性の人はQTF検査を行っていたという。ただしQTF検査が導入されてそれほど年数は達っていないので、ずっと以前からではないのだろう。

 結核病学会の発表では、雇い入れ時のツ反は推奨しないとある。QTF検査を推奨するとあるが、現在ではT-SPOT.TBもあるので、要するにIGRAを推奨ということになる。では基礎データとして、全員にIGRAを行った方がいいのだろうか。

 大学病院の感染症科の先生に月1回来ていただいて、感染管理に指導を受けている。ICNが以前聞いたところでは大学病院では入職者のツ反はやっていないそうだ。IGRAをやっているのかどうか、今月末に来られた時に聞いてみることにした。

 結核菌PCR陽性と出た86歳男性は、明日結核病棟のある病院へ転院することになった。同室者や病棟スタッフの検査については、保健所とも相談して進めると報告があった。感染管理の書類にハンコを押すだけの係りだが(これまでも感染症とあまり関係ない先生が立場上務めていた)、できるだけ勉強しておきたいと思って結核の本を2冊買ってきた。

 今日は、施設入所中の84歳女性が高熱で救急搬入された。先々月急性腎盂腎炎で入院していたので再発かと思ったが、尿所見から尿路感染は否定的で、胸部X線・CTで肺に浸潤影を認めて肺炎の診断で入院した。歩行器で歩行できる認知症の方で、病棟で対応に困っていた。高血圧症・糖尿病で循環器科外来に通院している71歳女性が、昨日からの労作時の息切れで午後に受診した。うっ血性心不全かと思われたが、心不全の所見はなく、慢性閉塞性肺疾患(肺気腫)が感染(おそらくウイルス性)で悪化したようだ。胸部CTまで検査したところ、大動脈弓に5㎝の大動脈瘤があった。点滴・入院を希望せず、外来で診ている循環器科医と相談して、抗菌薬内服で経過をみて明後日循環器科外来を受診することにした。大動脈瘤はいずれステント挿入という話だ。

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