なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

腸管子宮内膜症

2015年05月12日 | Weblog

 5月2日5連休の初日に44歳女性が腹痛で救急外来を受診した。腹部X線・腹部造影CTで腸管の拡張・消化液の貯留を認めた。腸閉塞(イレウス)に違いなかったが、腹部手術歴はなかった。当直は消化器科医だった。外科医と相談して、絞扼性イレウスで緊急手術が必要とは判断されなかったが、外科で入院となった。5月3日に日直だったので朝病院に来ると、その消化器科医から、イレウスで入院したその患者さんの話を聞いた。子宮内膜症で治療を受けているので、関係があるかもしれないとも言っていた。

 外科では、イレウスチューブを挿入して保存的にみていた。連休明けの5月7日にイレウス状態が解除せず、手術となった。回腸末端がヘアピン状に屈曲狭窄していて、そこで閉塞していた。虫垂は重積を呈していた。回盲部切除が行われた。病理所見では、回腸癒着部に子宮内膜を認め、虫垂・盲腸の漿膜側から固有筋層、一部粘膜下層に子宮内膜を認めた。

 腸管子宮内膜症による腸閉塞だった。症例報告を調べてみた。月経中に発症しているとか、絞扼性イレウスではないにもかかわらず血性腹水を伴う場合には腸管子宮内膜症を考慮すべきとある。術後の経過は良好で退院予定になった。そんな病態があるのかと勉強になった。

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