なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

脳出血で内科入院

2015年05月03日 | Weblog

 今日は日直で出ている。小児科の先生も今日は出番で、小児の外来受診は診てもらえるので、内科として診る患者数は少なかった。ひとり暮らしだという90歳女性が娘さんに連れられて受診した。感冒症状が数日続いて、食欲がなくなったという。発熱はないということだったが、38℃の発熱があった。咳はそれほどひどくはない。外科で骨折(脛骨と腓骨)の患者さんが搬入されて、X線検査をしていたので、点滴と血液検査を先に行った。白血球数17000と上昇して、CRPも19と高かった。尿所見は正常で尿路感染症ではなかった。体型的に読みづらい胸部X線では肺炎かどうかはっきりしなかったが、胸部CTで確認すると浸潤影を認めた。当然入院治療になる。娘さん(といっても、結構な年齢)に今後も一人暮らし継続ですかと聞くと、考えてはいたという。

 午後になって、当院循環器科と脳神経外科に通院していた86歳男性が昏睡で救急搬入された。心筋梗塞・急性冠症候群で2回のPCI・急性硬膜下血腫術後の既往がある。頭部CTで著明な脳出血を認めた。右視床出血から広範に広がったと思われ、脳室穿破していた。脳神経外科処置の適応はないが、どうしたものかと思った。当院にいた唯一の脳神経外科医は他の病院に移って、4月から当院は脳神経外科常勤医なしとなった。月に2回だけ外来を診に来ている。

 この方は一人暮らしで、昨日は夕方まで息子夫婦が来ていて、世話をしてから帰ったそうだ。今日も午前9時に電話したが、出なかった(外出しているものと思ったという)。近所の方が新聞受けから新聞を持って行ってないことに気づき、自宅内に入った。寝室で倒れているのを発見したが、意識はなかった(昏睡)。救急要請して、息子(当地から車で1時間ちょっとの他市在住)に連絡した。布団のそばのスタンドが付いていて、本があったというので、就寝前に発症したらしい。

 頭部CTが終わった時に、息子夫婦が病院に到着した。病状をお話しすると、当院でそのまま診てもらいたいという。患者さんを搬送するのも危険なので、息子さんが紹介状と画像を専門病院に持って行って脳神経外科医の説明を聞くのもありますがと言ったが、希望しなかった。時間の単位、あるいは短い日にちの単位で心肺停止になる見込みとお話して、その時はDNRの方針となった。内科で脳出血の患者さんが入院となった。まあこれまでも、看取りのみの脳血管障害の患者さんは救急で診た医者が自科入院で担当してくださいというのが、ひとり脳神経外科医体制での指示なので、変わりないことになるが。他の病院の脳神経外科医とインターネットでつながって、画像を見ながら家族に説明するようなシステムがあればいいのにと思う。

 金曜日に高熱で受診した看護師さんが今朝病院に来た。診察した消化器科医は今日当直明けでまだ病院にいたが、来院の指示を出していたようだ。その後頻回の下痢があって、キャンピロバクター腸炎疑いが濃くなった。便培養はとっていなかったというが、解熱して炎症反応も軽快していた。エリスロシンを3日分追加処方して問題なければそこで終診となった(確定はしてないが、ギラン・バレーに注意)。

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