なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

皮下出血で貧血

2015年05月27日 | Weblog

 今日は3人の入院患者さんが退院した。一人は歯科で抜歯後に数週間の食欲不振・倦怠感が続いて受診した89歳女性で、血液培養2セットからStreptococcus bovisが検出された。セフトリアキソン4週間の投与で軽快して、血液培養陰性となった。心エコーで疣贅は証明できなかった(当院は経胸壁エコーのみ)。診断基準は満たさないが、感染性心内膜炎と判断した。

 一人は高熱で日曜日の内科当番医から紹介された90歳男性で、肺炎だった。HbA1cが9%あって、糖尿病治療を中断していた。畑仕事もする元気な高齢者だった。性格が頑固で病院嫌い。高熱で動けなくなって、家族がやっと連れてきた。抗菌薬投与で肺炎は治癒した。糖尿病はジャヌビア50mg/日のみ投与してある程度改善した。糖尿病で通院していた住居のある町の病院へ紹介とした。

 三人目は施設に入所している83歳女性で腎結石と膀胱結石があり、前回は急性腎盂腎炎で入院していた。今回も発熱で、施設の嘱託医から急性腎盂腎炎疑いで紹介された。尿所見は感染を示唆せず、胸部X線・CTで肺炎と判明した。抗菌薬投与で順調に回復して、案外経口摂取は良好だった。

 開業している外科医から電話が来て、80歳男性が食欲不振で受診したが、Hb8.6の貧血があり、左下肢に皮下出血があるという。当院循環器科に通院してバイアスピリンを内服していた。こちらに来てもらうと、左大腿から下腿にかけて確かに皮下出血があるが、半分は黄色になっていてもう半分はぼけた紫色だった。1週間か10日前に転倒して打撲したらしい。普段のように歩行器で室内歩行はできるという。幸いに大腿骨頸部骨折や腰椎圧迫骨折は起きなかったことになる。ご本人は受診する気はなかったらしいが、今日デイサーブスに行った時に、なんとなく元気がなくて、いつもよりは食欲がないため(朝昼と食べてはいる)、施設から医療機関を受診するよう指示されたのだった。受け答えもふだんの通りにできる。直腸指診では普通便でタール便はなかった。この方は入院時に、認知症の症状で途中で外来治療に切り替わった既往がある。「看護師さんに触ると治るよ」と言ってしまい(本院としては冗談?)、病棟で看護師さんたちから「セクハラ」と問題になったこともある。新たな皮下出血がないことから、来週の初めにまた受診してもらって、貧血の経過をみることにした。

コメント (1)
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