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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

糖尿病

2012年02月08日 | Weblog
 76歳男性。糖尿病。
 2か月前から頻尿が続くという訴えで、内科開業医を受診した。そこには10年以上前に高血圧症で通院していたが、中断していた。頻尿ということで当院泌尿器科に紹介された。泌尿器科外来で行った血液検査で随時血糖570mg/dl・HbA1c13%と著名な高血糖状態と判明した。症状は確かに頻尿には違いないが、多尿・多飲・口渇の典型的な糖尿病症状であった。内科外来に紹介となり、入院治療とした。糖毒性解除のため、インスリン強化療法で治療を開始した。
 泌尿器科から紹介した内科医へ、「糖尿病(それも著しい高血糖)による症状でした」という報告がいったが、きっとガッカリしたことと思われる。
 4年前に内科開業医から嘔吐・心窩部痛が続く22男性が紹介になって、当時いた研修医が検査して、血糖1300mg/dlで糖尿病性ケトアシドーシスだったことがあった。
 私が遠い昔に研修した病院では、内科初診の患者さんには前例診察前に尿検査をしていた。尿糖と尿ケトン体が陽性がわかれば、重症の糖尿病を見逃すことはないシステムだったわけだ。当院では診察後に医師のオーダー入力がなければ、尿検査はしていない。診察後に入力すればいいので、内科初診患者には、前例診察前に尿検査をするほうがいいのかもしれない。
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肺結核後遺症・慢性呼吸不全

2012年02月07日 | Weblog
 82歳男性。肺結核後遺症・慢性呼吸不全
 高熱で夜間に救急外来を受診した。当直は外科医で、流行していることからインフルエンザ迅速試験を行い、A型と判明した。イナビル吸入をさせて、内科で入院にしていた。翌朝申し送りを受けて担当医となった。熱は微熱で、食欲はふだんの半分くらいはあり、案外元気そうだった。20歳台に肺結核で入院して、右胸郭客形成術を受けている。胸部X線でインフルエンザに伴う肺炎はなかった。入院時から1~2L/分酸素吸入していたが、解熱して食欲良好となったので1週間たって中止してみた。
 ところが、酸素吸入を中止すると、酸素飽和度がいっぺんに80%台から70%台になった。アレッ、そんなに肺機能が悪かったのか。室内気で血液ガスをみると、酸素分圧46・二酸化酸素分圧58と、著しい低酸素で高二酸化炭素もあった。これでは在宅酸素にするしかない。低流量の在宅酸素を導入して、かかりつけの内科医院は慣れているので、管理をお願いすることにした。
 結核後遺症があったので、入院時から抗生剤(ロセフィン)を使用していたが、使っていてよかった。インフルエンザに二次的細菌性肺炎を併発したら、かなり危ない状態になるところだった。
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側頭動脈炎

2012年02月06日 | Weblog
 79歳女性。側頭動脈炎・リウマチ性多発関節痛
 1週間前に受診した認知症の79歳女性。それまでなかった右側頭部痛と食べ物を噛んでいると痛がる(顎跛行)があり、また四肢近位部の疼痛もあった。血液検査で炎症反応上昇と38℃台の発熱があるが、感染症は否定的であった。側頭動脈炎とリウマチ性多発筋痛症の診断でプレドニン30mg/日から開始して経過をみることにした。数日で症状が軽快して、今日は歩いて外来を受診した。息子の話では見違えるように良くなったという。患者さんは、先週痛い痛いと騒いでいたのがうそのように笑顔だった。約2年間は投与する予定のステロイド治療で合併症が出なければいいがと思う。

 2日前に低血糖遷延で入院した認知症の76歳男性は、すっかり元気になって夜間ベットから落ちていたそうだ。奥さんと相談して、本日午後退院とした。糖尿病の処方を外来主治医の了解を得て減量した。3日前に誤嚥性肺炎で入院した認知症の82歳男性もすっかり元気になっていた。夜間大声を出したり、ベットから降りようとしたり(移動は介助で車いすの人で、自力歩行できない)していたが、さすがに肺炎が良くならないと退院外来治療にはできない。
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アルコール性急性膵炎

2012年02月05日 | Weblog
 68歳男性。アルコール性急性膵炎。
 昨日は病院の当直だった。午後11時に嘔吐と上腹部重苦感で救急外来を受診した。昨年12月にアルコール性急性膵炎で入院していた。退院後は一時的に禁酒していたが、1月中旬に消化器科の外来を受診したころには飲酒を再開していた。血清アミラーゼの上昇とアルコール性肝機能障害があり、腹部CTで膵臓自体はもともと委縮していて腫脹は目立たないが、膵臓周囲の脂肪組織に炎症像を認め、急性膵炎再発の診断で入院となった。
 喫煙による慢性閉塞性肺疾患もあり、この日も軽度の喘鳴が聞こえた。禁煙する気はないそうだ。100kgを超す肥満があり、それだけでも体動時の息切がしそうだ。簡単に言うと、酒とタバコの人ということになる。家族に言うことをきかないのは、もともとの性格もあるが、理解力が低下していて認知症も始まっているらしい。

(医学書)
 昨日書店の医学書コーナーで、山中克郎先生のSnap diagnosisの本を見つけて即購入した。雑誌ERマガジンの特集を単行本化したもの。最近はこのような臨床にすぐ役立つ良書が増えてうれしい。来月レジデントノート増刊で出る予定の、山中先生の「攻める問診」も楽しみにしている。
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誤嚥性肺炎

2012年02月04日 | Weblog
 82歳男性。誤嚥性肺炎。
 昨日から咳・痰・発熱があり、今朝救急要請して搬入された。また誤嚥性肺炎になっていた。当直の外科医から連絡があり、入院にしてもらった。昨年から月に1回か2回誤嚥性肺炎で入退院を繰り返している。ふだんは認知症で外来通院していて、二人暮らしの妻に暴言を吐いたり、手がでたりする。夜だけでもほしいという妻の要望で精神薬などを処方している、
 最初の肺炎の時は、絶対入院にないと言い張り、やむなく外来で抗生剤の点滴と飲み薬を処方して、、なんとか治った。その後の肺炎は低酸素となり、しぶしぶ入院した。それをきっかけに入院に慣れたらしく、肺炎での入院を嫌がらなくなり、「肺炎で入院が必要です」いうとアッサリ同意するようになった。
 肺炎自体も治りにくい時もあったが、それぞれ治癒して、食事も多少むせるが食べれれて退院してきた。入院して1週間立つとすっかり元気になって、廊下に響くような大声を出したり、ベットから落ちたりするようになるため、入院は1週間が限界となっている。
 胸部X線や胸部CTでみると、肺全体に肺炎の痕跡が残り、どこが新たな肺炎が見分けるのがむずかしくなっている。今回の肺炎が治っても、またすぐ再発すると予想されるし、いすれは肺炎が治らない時が来ると思われる。
 自宅で介護している妻の負担は大変だろう。病院に入院した時が、唯一介護疲れを癒す期間になっているはずだが、もし夫が亡くなったら生きがいがなくなってしまうのかもしれない。
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急性肺炎・頸椎偽痛風

2012年02月03日 | Weblog
 68歳男性。急性肺炎・頸椎偽痛風
 近くの病院からの紹介で内科外来を受診した。2週間前から38℃台の発熱が続いている。咳と痰もあった。右手関節痛が4-5日あり、その後に軽快したが、手関節痛は昨年もあったという。後頸部痛も出現して、首を前後・左右へ動かすことができなくなった。右肘関節の腫脹・疼痛も出現した。意識は清明で、神経症状はない。歩行に支障なく、膝の屈伸もほぼ普通にできる。右肘の疼痛で自分では上肢を挙上しにくいが、こちらで手を持ち上げても肩関節の疼痛はない。
 頸椎環軸関節の偽痛風である、Crowned dense syndromeと考えた。抗炎症剤(NSAID)で外来治療もできるかと思われたが、頸椎CT検査の最中に黄色痰を喀痰を排出した。胸部X線で両側下肺野が汚い印象がある。胸部CTで確認したところ、両側下肺野に浸潤影が認められた。肺炎もある。こうなると発熱と炎症反応上昇は、肺炎と頸椎偽痛風両方の症状として、両者の治療を同時に行う必要がある。入院して肺炎に対する抗生剤と、偽痛風に対するNSAIDで治療を開始した。
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医局説明会

2012年02月02日 | Weblog
 毎週1回お昼の時間に製薬メーカーが、自社製品の医局説明会を開いている。メーカーがお昼の弁当を提供しているので、批判されかねないが、このくらいは社会的儀礼の範囲内ということで許してもらいたい(ダメ?)。
 新薬の情報も入るし、ふだんあまり使わない薬のこともわかるので、毎回出席して話を聞いている。当然製薬メーカーは自社製品に都合のいいことしか言わないので、その辺は割り引いて聞いている。説明会で聞いたから、急激にその薬の売り上げが伸びるということはほとんどないが、たまに「そんないい薬があるとは知らなかった」と、病院で購入することになったり、売り上げがグット伸びたことはある。
 今日は大雪で、高速道路が通行止めになるなど交通がかなりマヒしている。この雪のなか、弁当業者は時間通りに届けてきた。ところが、製薬メーカーは規定の時間に到着できず、説明会はなしとなった。メーカーには気の毒ではあったが、弁当だけおいしくいただいた。
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敗血症性ショック・急性腎盂腎炎

2012年02月01日 | Weblog
 80歳女性。敗血症性ショック・急性腎盂腎炎
 もともと認知症があり、神経因性膀胱で尿カテーテル持続留置されていた。3週間前に発熱で救急外来を受診した。尿混濁著明で、肺炎や胆道系感染症はなく、尿路感染症(急性腎盂腎炎)と診断された。血圧は70mmHgと低下していた。ふだんの様子はわからないが、意識レベルが低下していた。腎機能障害・肝機能障害も伴い、多臓器不全を呈していた。
 すぐに入院して、抗生剤・点滴・カテコラミン投与を開始した。家族には助からないかもしれないと伝えた。病棟看護師もその晩のうちにダメかもしれないと思っていたという。
 ところが、3日目には血圧が正常化して、空腹を訴え出した。まだ検査値の異常はそれほど改善していなかったが、入院すぐから空腹を訴える患者さんは助かることが多い。嚥下障害がないのを確認して食事を開始したが、食欲良好。2週間後には、入院時にビックリするような値だった検査値も正常化した。病棟の看護師さんと、「いやあ丈夫なもんだねえ」と言い合った。家族と相談して、数日後に退院予定とした。
 以前、90歳台の女性が両側肺炎でかなりの低酸素血症を呈して入院した。予後不良(助からないだろう)と思われ、食事を誤嚥したら、そのまま死亡するので絶食とした。ところが入院直後からずっと空腹を訴え続け、やむなく食事を出したところ、心配された誤嚥もなく完食した。そして肺炎も約1週間で治癒してしまった。抗生剤が効いたのは間違いないが、生命力にあふれる人であった。
 結論として、「空腹を訴える患者さんは治る」ようだ。
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