なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

改善してきた慢性閉塞性肺疾患

2012年02月28日 | Weblog
 80歳台半ば男性。慢性閉塞性肺疾患急性増悪。
 感染を契機に悪化した慢性閉塞性肺疾患だが、喘鳴が目立ち気管支喘息重責発作ともとれる。酸素吸入(高炭酸ガス血症なし)
・ステロイド大量・気管支拡張剤・抗生剤で強力に治療したが、反応が悪かった。これは助からないかもしれないと思われ、家族にその旨を伝えた。患者さん自身もダメかもしれないと言っていた。人工呼吸器は使用しない方針としていた。
 1週間以上粘って治療していたが、昨日からやっと喘鳴が軽減して、今日から食事を開始した。ステロイドも漸減することにした。ステロイドはコハク酸エステルの問題があり、ふだんはデカドロンを愛用しているが、ステロイドの種類を変更すると効くことがあるとされているので、2種類使用してみた。ステロイド使用についてもっと詳しい指針がほしいが、エビデンスとしてないのだろう。
 今年の冬は呼吸器科のある病院から、退院させたいが家族が暖かくなるまで入院を希望している患者さんや、もう治療は限界で増悪したら最期で退院の見込みがない患者さんの紹介が多かった。
 私の内科は「看取り内科」とでも称すべきもので、癌の治療していて限界となった患者さんの緩和ケアや、超高齢の誤嚥性肺炎の患者さんが多い。したがって、入院患者さんの致死率は病院で一番高い。

(医学書)
 医学書院から筑波大の前野先生が編集した「帰してはいけない外来患者」が出た。ケアネットから出た前野先生のDVDは、目からウロコの症候診断の考え方を述べていて、驚いたものだった。前野先生に総合診療の本を出してほしいと思っていた。
 DVDが出たころにはあまりなかったが、その後総合診療や症候診断の本が続々と発刊されたので、今回の本は内容はとても良いが目からウロコとまではいかなかった。
 それにしても、本の装丁・印刷には不満がある。印字が薄くて、視力低下してきた私には読みにくい。特に症例提示のところは、灰色のバックに黒の印字なので、かなり見にくい。医学書院はA5版のきれいな医学書を作る出版社なのだが、この本の装丁・印刷はひどい。以前に出た医学書院の「臨床推論ダイアローグ」はきれいな本だったが、今回はいったいどうしたんだろう。
コメント
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