なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

脳梗塞・嚥下障害・胃ろう造設

2012年02月11日 | Weblog
 75歳男性。脳梗塞。
 数年前に脳出血になり、その後に脳梗塞(ラクナ梗塞)を繰り返していた。幸い日常生活にはそれほど支障がなく過ごせていたらしい。今回は自宅内で急に倒れてしゃべれなくなった。当院に救急搬入され、当直だった私が診た。右半身の完全麻痺がある。開眼しいるが、言葉が出ない。言われたことを理解していないようだ。
 頭部MRIで左中大脳動脈領域に脳梗塞をきたし、MRAでは左内頸動脈が閉塞していた。左椎骨動脈もかなり狭窄していた。家族に、広範囲の脳梗塞で右半身麻痺と失語症があり、ADLが著しく悪くなる見込みであることを説明した。
 経過をみるために行った頭部CTで脳浮腫があり、側脳室が圧迫されていた。脳浮腫に対してグリセオールを使用して、1週間目から漸減して中止した。急性期を過ぎたところで、バイタルは安定して開眼はしているが、声が単発的に出るが言葉にはならない。
 とろみ水をむせることから、嚥下障害で経口摂取は困難と判断された。家族に胃ろうの話をして了解を得た。家族の少しでも口から食事をとらせたいという希望があり、必要な栄養は胃ろうから入れるとして、嚥下訓練をして可能であれば経口摂取もさせることにした。
 消化器科医師と内視鏡的胃ろう造設を行った。患者さんはどちらかというとやせているので、臍のすぐ左上に造設された。胃ろうのキットはボストンのpull法で行うボタン式を使用した。経管栄養が順調にいけば、自宅で介護できないため施設入所になるが、介護保険申請から始めるので数か月は入院継続になる。
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