なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

呼ばれた消化器内科医

2012年02月25日 | Weblog
 一昨日、病院で一番忙しい消化器内科医が救急外来がら2回呼ばれた。

 60歳台男性。肝硬変・脳出血。
 肝硬変で入院歴がある。C型肝炎があるが、アルコール性でもあり、これまでの受診時の言動からは病院では良くない印象を持たれている方だそうだ。JCS3桁の意識障害があり、救急担当医は食道静脈瘤破裂・肝性脳症を考えたのかもしれない。
 確かに血中アンモニアが高かったが、頭部CTで脳室穿破した脳出血と判明した。貧血はほどんどなく、吐血は食道静脈瘤破裂ではなく、脳出血によるCusing潰瘍のような機序による、急性びらん性胃炎か浅い胃潰瘍であろうと推定された。自発呼吸がいつ止まってもおかしくない状態で、内視鏡検査の適応はない。脳外科に入院になり、消化器内科医は予定検査の詰まっている内視鏡室へ戻って行った。

 70歳台男性。腸閉塞・肺炎。
 吐血した患者さんが来ているということで、また救急外来から呼ばれた。骨髄異形成症候群で他院の血液内科に通院中で、大動脈弁閉鎖不全で本来は手術適応があるらしい。こちらは嘔物の一部が血性ということで、消化管出血としては大したことがなかった。嘔吐した原因を検査することになったが、腹部X線で小腸が拡張してガスと消化液が大量に貯留していた。腹部手術の既往があり、癒着性腸閉塞と診断された。嘔吐した時に誤嚥したようで、右肺に肺炎も起こしていた。腸閉塞として、イレウスチューブを挿入して外科に入院した。
 
 夕方医局で診断書や情報提供書を書いていると、その消化器内科医が来て、日中に呼ばれた話をしてくれた。入院患者もかなり多く診ている先生なので、自分の科で診なくていい患者さんたちだったのでホッとしたという気持ちが顔に出ていた。ほんとに毎日お疲れさまです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする