なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

脳梗塞

2024年06月20日 | 脳神経疾患

 脳梗塞の54歳男性が、6月11日に地域の基幹病院の脳神経内科から当院の回復期リハビリ病棟に転院してきた。

 5月9日の午後から嘔気があり、5月10(金)日に右不全麻痺が出現して先方の病院に救急搬入された。その日の頭部MRI拡散強調画像でもはっきりしなかった。

 入院当初は構語障害はあったが、飲水・経口摂取が可能だったそうだ。その後、右片麻痺と嚥下障害が悪化した。5月14日(火)の頭部MRI再検では左延髄内側に拡散強調画像で高信号域を認めた。(前脊髄動脈領域の梗塞と思われる、とあった)

 経鼻胃管による経管栄養が開始された。通常はその状態(経鼻胃管)で転院となるが、転院まで少し日数があったためか、5月30日に内視鏡的胃瘻造設術(PEG)を行ってからの転院だった。

 転院後は流動の栄養剤から半固形食に変更したが、カロリーなどはそのままにした。リハビリといっても、介助で車移乗して座位保持ができるかというところまでになる。

 

 当方が行っているのは、糖尿病でインスリン強化療法になっていたので、その調整だった。それまで通院している病院(隣市)では経口血糖降下薬(DPP4阻害薬・SGLT2阻害薬・メトホルミン)に持効型インスリン(グラルギン)のBOTだった。

 経管栄養になってからは経口血糖降下薬が中止されていたので(糖尿病科で対応)、それを少しずつ再開して、インスリンを減量することにした。患者さんは母親との二人暮らしで、退院後は在宅介護が困難で施設入所になるので、できるだけ簡単な治療にしたい。

 心房細動もあり、DOAC(アピキサバン)が使用されている。DOAC(リバーロキサバン)服用下での発症なので、もし経口薬が内服できるようになったらダビガトランへの変更を、と記載されていた。

 家族(別居の姉)の話では、自宅に処方薬が大量に残っていたそうで、きちんとした内服状況ではなかったらしい。

 

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