なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

血痰・肺出血?

2024年06月28日 | 呼吸器疾患

 6月24日(月)に市内の内科クリニックから58歳男性が紹介されてきた。気管支喘息で通院しているが、6月17日に喘息発作があり、短期間プレドニン少量を処方していた。血痰が続くということでの紹介だった。微熱(37.4℃)もあった。

 受診後に訊いてみると、喘鳴はないが、胸が苦しい感じがするという(酸素飽和度は正常域)。聴診でも喘鳴はなく、喘息専門の先生がchest tightnessと表現するものかもしれない。

 血痰ということだったが、痰は透明か淡黄色で、線状に血液が混じることがあるということだった。肥満があり、後で行った血液検査と画像で脂肪肝を認めた。睡眠時無呼吸の検査をしたことがあるが、該当はしなかったそうだ。

 胸部X線で右肺にすりガラス陰影が散在している。胸部CTで右肺の主に上葉・中葉にすりガラス陰影が散在していて、一部は浸潤影様になっているのが確認された。

 血液検査では白血球8100(ふだんより上昇)・CRP5.1と炎症反応の上昇は軽度だった。入院は経済的な問題もあり、したくないという。

 外来で点滴をしながら、喀痰が出たら喀痰培養(一般細菌と抗酸菌)を出そうとしたが、案外出なかった。提出をあきらめてセフトリアキソンの点滴静注を行った。抗菌薬を内服で出して、喘息の内服薬(クリニックの治療は吸入のみ)を追加した。

 3日後の27日(木)に来てもらったが、解熱して炎症反応も軽減していた。痰自体が出なくなっているという。chest tightnessはまだある。そのまま抗菌薬内服で外来治療継続とした。

 放射線科も読影レポートは「右肺にすりガラス陰影を認め、出血成分と思われる。診断:肺出血」となっていた。一側の陰影であり、感染症としての陰影かと思ったが、出血そのものなのだろうか。オーダーのコメントに血痰とは書いたが、喀血ではないので、そこまでの出血ではないと判断していたが。

 

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