なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

トルバプタン(サムスカ)の講演会

2014年09月10日 | Weblog

 昨日は市医師会学術講演会があって、肝硬変の浮腫・腹水に対するトルバプタン(サムスカ)の話だった。座長を頼まれていたので、開始時間の40分前から会場に行っていた。講師の先生は、大学院生の時に診療に来てもらったことがあって面識があるが、15年ぶりくらいだった。製薬メーカーで説明している間に勤務している病院の話をしていた。

 通常の利尿剤(アルダクトンA・ラシックス)の投与でも改善しない時にサムスカを使い投与する。高ナトリウム血症や肝機能の悪化の有無を確認しながら入院で使用する。アルダクトンA50mg・ラシックス40mg(静注だったらラシックス20mg・ソルダクトン200mg)使用しても効果がない時と思っていたが、アルダクトン25mg・ラシックス20mgで効果がない時から使用したほうがいいという話だった。また、数日の投与で浮腫・腹水が改善すれば、サムスカを中止するという。うっ血性心不全でいえば、重症の時にハンプを使用して、改善すれば通常の利尿剤だけに戻すというようなものか。

 肝硬変で使ったのは、基幹病院から転院してきたC型肝硬変の80歳代女性で、この方はサムスカが継続投与になっていた。処方はラシックス40mg・ダイアート30mg・アルダクトンA100mg・サムスカ7.5mgで、浮腫が改善した時に減量を試みるとすぐに悪化した。これはまれな例だろう。今のところはこれだけで、自分で処方を開始したことはない。消化器科の先生も3例くらいで、使用経験には乏しい。

 米国ではサムスカで肝機能障害が出て、肝硬変の適応はとっていない。日本で使用経験が増加してある程度安全性が保障されれば、事情は変わるのかもしれない。

 講演会の座長や講演会後の懇親会は苦手だが、昨日は講師の先生や医師会の先生方と話をしながら、テーブルの料理を普通に食べていた。少し慣れてきたようだ。

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