なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

汎血球減少症ー骨髄異形成症候群?

2014年09月20日 | Weblog

 昨日は久しぶりで骨髄穿刺をした。一昨日外科の先生から相談を受けた。大腿ヘルニアで手術をした82歳の男性が術後に肺炎・胸膜炎をきたしたが、それは何とか軽快したという。ただ、入院時から汎血球減少症があり、原因がわからないので診てほしいという。

 近いうちに退院できるならば、がんセンターの血液科の外来に紹介するのがベストですと伝えたが、しばらくは入院になる見込みという。外科病棟に患者さんを診にいくと、点滴はしておらず、食事摂取も7割くらいと、そう悪い状態ではない。手術と肺炎の治療をしている間ベット上臥床が続いたので、歩けるようになるまで、少しリハビリを要するようだ。

 Hbが7g/dl、白血球数2500~3000、血小板数8万だった。白血球分画は正常域で芽球はない。入院前の外来を受診した時の検査結果もあった。ここ数カ月でしだいに汎血球減少症になっていた。それ以前も貧血があって、白血球減少と血小板減少を伴うようになったという経過だった。多少脾臓が大きいような気がしないでもないが、肝機能障害はなく、肝硬変ではない。感染症のためでもないし、DICに陥っているわけではない。血清鉄は低下して、フェリチンは上昇していた(330)。正球性貧血で、血清ビタミンB12と葉酸も検査されていたが正常域だった。腰腹部CTで見るかぎり、明らかな腫瘍やリンパ節腫脹はない。

 骨髄疾患と思われる。追加した網赤血球数は2%だった。これだけでは何とも言えないが、再生不良性貧血は否定的だ。年齢的には骨髄異形成症候群が疑われた。以前、循環器科医に汎血球減少症の患者さんの検査を依頼されて、MDS疑いで骨髄穿刺をすると多発性骨髄腫だったことがある。血清・尿免疫電気泳動、IL2受容体抗体も合わせて提出した。血液疾患に特別詳しいわけではないので、その分野の検査を全部出してしまうことになる。

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