なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

成人パルボウイルスB19感染症

2014年09月08日 | Weblog

 先週木曜日から夏休みだったので、4日ぶりで病院に出てきた。午前中は内科再来を診ていたが、なかなか調子が上がらなかった。内科の若い先生から58歳女性のことで相談を受けた。先週火曜日に全身の発疹(紅斑)と多発性関節痛で受診したそうだ。リンゴ病の小児との接触はない。パルボウイルスB19IgM抗体を提出した。受診時から浮腫も伴っていたというが、金曜日に全身の浮腫(主に下半身)がひどくなり、救急外来受診した。・担当は外科医だったが、心不全・腎不全・肝不全ではないので、そのまま経過をみることにして、月曜日に内科外来を受診するよう伝えた。通常は60Kgの体重が68Kgに増加していたそうだ。

 朝に、先週診察した先生から、今日受診する予定だが、対応をどうするかと相談を受けた。外注検査のパルボウイルスB19IgM抗体は陽性と出ていた。診断は正しかった。これまでに成人のパルボウイルスB19感染症を数名(たぶん5人?)診たことがある。子供から感染した若いお母さんや姪からうつった若いおばさんもいた。子供から感染したお父さんは2-3週間発熱と関節痛が続いた。印象的だったのは、Pure red cell aplasiaの60歳代男性で、症状はなかったが、パルボウイルス感染の先行が証明された。当時病院にいた腫瘍内科の先生が治療したが、今思うと血液内科に紹介すべきだったか。

 いっしょに患者さんを診察すると、まだ皮疹が残っていた。関節痛は軽減して、浮腫もひどかった時よりも改善してきたという。ピークは過ぎたようだ。浮腫がこれほど目立った患者さんは診たことがないが、他の疾患を併発しているようではない。処方するとすれば少量の利尿薬だが、余計な薬は飲みたくないという。このまま1週間経過をみて、軽度に異常を呈していた検査を再検することにした。B型肝炎ウイルスのキャリアといわれているというので、そちらも合わせて検査(肝炎マーカーと腹部エコーなど)する。

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