なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肺胞出血

2014年09月01日 | Weblog

 僧房弁置換術後で循環器科に通院している77歳男性は数か月前から血尿・蛋白尿が続いていた。腎臓内科で検査すると、PR3-ANCAが陽性だった。それが先週の金曜日で、ちょうど腎臓内科医がやめる日だった。今週腎臓疾患の専門病院を受診するよう紹介状が出ていた。この患者さんは1週間前から血痰が出るようになっていたが、それについては言ってなかった。

 今朝血痰が増加して呼吸が苦しくなったと、内科外来を受診した。新患担当は大学病院からの応援医師だったが、胸部X線で肺炎があるので入院治療をお願いしたいと直接言われた。胸部CTを撮影すると両側肺の上~中肺野に高濃度の陰影があり、その周囲にスリガラス状が取り巻いていた。細菌性肺炎にしては変だ。Wegener肉芽腫症(RPGN)があって、肺胞出血を併発したと判断された。今日から腎臓内科の常勤医はいないので、直接専門病院に電話すると、すぐに寄こしてくれという返事だった。室内気で酸素飽和度が91%に低下していた。酸素吸入2L/分で飽和度は97%になった。ひとりで受診してきたので、自宅にいる奥さんを呼んで、救急搬送することにした。

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