なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

Stevens-Johnson症候群?

2014年09月03日 | Weblog

 昨日、56歳男性が内科医院から蜂窩織炎の疑いで紹介されて、救急搬入された。前日に長時間草刈をしたそうだ。後で漆もあったようだという話も出た。一昨日夜から40℃の発熱が出現して、市販の「ルル・ゴールド」を飲んだ。その後に頭痛もあって、さらに「ノーシン」も飲んだ。今朝、発熱が続いて、右頸部から上胸部にかけて浮腫上紅班があるのに気付いた。紅班の中心部には多発性に水疱形成も見られた。顔面浮腫と両手の浮腫もあった。下肢には小紅班が数個あった。幸いに呼吸困難・嚥下困難はなく、バイタルはショックではない。

 外科医が救急対応したが、蜂窩織炎ではないということで、皮膚科(大学病院からの応援)にコンサルトした。あっさり蕁麻疹でしょうという返事だったそうだ。いやいや単なる蕁麻疹では絶対にない。発熱をきたす何らかの感染症かあるかと、検索したが何もなかった。発熱は皮膚疾患そのものの全身症状だった。喉頭浮腫の有無を診てもらった耳鼻咽喉科医は、Stevens-Johnson症候群ではないでしょうかと返事をくれた。耳鼻科医の診断の方が正しいと思われた。内科の若い先生が担当になって、ステロイドを大量投与した(ソル・メドロール500mg)。今朝は全体的に発赤が軽快していた。顔面浮腫はまだあった。担当医はステロイド投与を継続して、漸減するという。抗菌薬投与は迷ったが投与しなかったそうだ。

 当院は皮膚科常勤医がいないので、このような患者さんが来た時にどうするかという問題がある。当地域の基幹病院には皮膚科常勤医が2名いて、うち一人は多少面識もある。すくに連絡して、救急搬送して外来でまずは診てもらうのがベストだろうということに入院させてから気づいた。以前、入院させてステロイドで経過をみているうちにTEN様になって、あわてて大学病院に転送したことがある(受け入れはかなり渋かった)。

 明日から4日間夏休みをとる(木曜金曜の夏休み+土曜日曜)。箱根に2泊して、その後東京に1泊して戻ってくる予定だ。日曜日は妻が小児科専門医試験の面接の仕事があるので、その間ひとりで時間をつぶすことになる。オルセー美術館展を見に行くが、時間が余るので喫茶室ルノアールをはしごして感染症の本を読むことにした。

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