なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

覚えきれない新薬ータケルダ

2014年06月17日 | Weblog

 選択的SGLT2阻害剤が次々に発売されている。既存の薬も合剤で次々出てくるので、組合せを覚えられない。循環器科では診察室の机と壁に合剤のパンフレットを置いて診療している。自分では数少ない合剤のみ使っている。武田薬品から新発売のアスピリンとランソプラゾール(タケプロン)の合剤(タケルダ)には驚いた。アスピリンの適応症には、新規に病名をつけなくてもそのまま使えるという。アスピリンが処方されると最近は合わせてPPIも処方されることが多いが、PPIは全部武田のランソプラゾールにしてほしいということなのだろう。まあ便利と言えば便利だ。

 循環器科や神経内科で抗凝固剤や抗血小板剤が処方される。消化管出血があると、消化器科の仕事(それも緊急の消化管出血)が増えるので、消化器病学会でもPPIを処方してもらいたいという意向のようだ。消化器病学会には「胃と腸」の関連でパリエットのエーザイが、GERDの関連でネキシウムのアストラゼネカが食い込んでいる印象があるが、業界のことは良くわからない。

 今日は内科再来をみていたが、神経内科の入院中に糖尿病の治療を担当した患者さん2名の血糖コントロールが悪くなっていた。ひとりは認知症の女性で食事は好きなように食べている。もうひとりの中年男性も入院中からまじめに治療に取り組む患者さんではないなあという印象があった(実際脳梗塞になる前は放置していた)。退院後最初の外来で、血糖がちょっと上がり、2回目の外来でぐっと上がるというパターンだ。何とかしなくてはと思うが、実際は難しい。

 糖尿病腎症の患者さん(60歳代男性)は血清クレアチニンが4を超えて、今日腎臓内科の外来に紹介していた。今すぐ透析導入ではないが、内シャントを作成するタイミングの問題がある。患者さんは絶対透析は受けないと言って、帰ったそうだ。2年前から、腎障害が悪化した時は透析になるという話を少しずつしていて、腎臓内科の外来もちゃんと受診したので、大丈夫かなあと思っていたが、ダメだった。奥さんは何としても透析導入して長く生きてほしいと希望している。患者さんのキャラクターから、病院側できつく言うよりも、奥さんの懇願でその気になってくれるのを待つしかない。糖尿病ではちゃんと通院しているが、これも奥さんに連れてくるというのが正確な表現かもしれない。現在はインスリン強化療法でHbA1cは6.0%になっているが、糖尿病の治療を放置していた時期が長く、当院初診時から腎症があった。

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