なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

今日は日直

2014年06月15日 | Weblog

 今日は日直で病院に来ている。金曜日に入院した多発性骨髄腫(まだ推定)の患者さんが、土曜日に輸血後に急性肺水腫になって、気管挿管・人工呼吸器管理になったそうだ。担当の若い先生が今朝も病院に出てきていて、教えてくれた。確かに、看護学校の血液疾患の講義で、輸血関連急性肺障害transfusion-related acute lung injury(TRALI)があることはさらっと触れているが、実際に診たことはなかった。ステロイドの投与で症状は改善しているので、月曜日には抜管できそうだという。蜂窩織炎(筋膜炎も否定できず)で意識レベルが低下した患者さんのほうが心配だったが、そちらは解熱して意識障害もすっかり回復していた。

 施設にショートステイ入所中の79歳男性が、著しい発汗と意識低下(開眼はするが発語なし)で救急搬入された。多発性脳梗塞後遺症で嚥下障害(ムセる)がある。昨年は誤嚥性肺炎で入院していた。糖尿病で治療しているので、低血糖かと思ったが、血糖は288mg/dlとむしろ高めだった。白血球増加はあるがCRPは陰性で、感染症の初期像のようだ。尿路感染症かと思ったが尿所見は正常で、見た目もきれいだった。胸部X線でははっきりしないので、胸部CTもみた。両背側に浸潤影ととれるような陰影があるが、絶対浸潤影とも言い切れない。大量の汗が出た後なので、発熱はなかった(すっかり冷えていた)。点滴を開始すると、発語が出るようになった。まだゆっくりした喋り方だが、家族の話ではふだんと同じらしい。頭部CTは陳旧性のラクナ梗塞が散在していた。すくなくとも出血はない。誤嚥性肺炎に準じて治療を開始して経過をみることになった。

 尿路感染症で1週間前に泌尿器科を退院した84歳男性が、高熱で受診した。肺炎はなかった。バイタルは発熱以外は正常で、胸部X線は立位で撮影できた。膿尿を呈していたが、尿中に細菌(-)という結果だった。この方は間欠自己導尿をしている。前回入院時も、受診時には尿細菌(-)で、入院後の尿検査で細菌(++)となった。両側水腎症になっている、間欠自己導尿がいいのか、尿カテーテル留置がいいのか。明日泌尿器科外来で経過をみることになっていた。付いてきた家族は、導尿は患者さん本人しかわからないという。家族は入院希望だった。泌尿器科で入院として、明日までの指示を出しておくことにした。

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