なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

内科学会地方会教育講演会

2014年06月21日 | Weblog

 今日は内科学会の地方会に行った。いつも午前中の地方会自体には出ていないで、午後の教育講演会のみ出ている。今日は、非結核性抗酸菌症、生活習慣病、多発性骨髄腫、転移性骨腫瘍、炎症性腸疾患という内容だった。

 非結核性抗酸菌症の講演は、昨年秋の化学療法学会でも発表していた先生で、わかりやすい話だった。入院していた80歳代後半の女性は、軽快して退院した。抗菌薬は大学感染症科の先生の指示でクラリスとクラビットだった。本格的な治療は困難のため、一時しのぎの処方ということだった。2週間投与して陰影も炎症反応も改善した。原疾患自体が良くなったのか、併発した通常尾細菌性肺炎が改善したのかはわからない。抗菌薬の胃腸障害で、2週間の投与が限界だった。クラリスは400mg/日だった。CAM+RFP+EBの継続は到底無理だろう。その前に入院していた患者さんもニューキノロンで増悪をしのぐことができた。退院して数か月外来通院で診ている。

 生活習慣病の話は遺伝子解析の話で、研究で業績を出して若くして教授になった先生が自分の研究成果を出していた。開業医の先生方や勤務医が多数出ている地方会教育講演会向きではない。教授になったお披露目の意味での講演だったようだ(地方会ではよくある)。

 多発性骨髄腫は、長らくMP療法を越える治療がなかったが、最近は新規の治療が出てMP療法を上回ったどいう話だが、保険適応の問題がある。今すぐできるかというと、できない。購入使用かどうか迷った血液病の本を編集した先生だった。

 転移性骨腫瘍は、夏に出版されるガイドラインの宣伝のような話だった。内容は、ゾメタとランマークによる治療。ゾメタは使っているが、ランマークはまだ使ってない。

 炎症性腸疾患は、抗TNFα抗体のレミケード・ヒュミラ、タクロリムスの話。ただし、それは専門医が使うものだ。自分担当して処方するとすれば、軽症の患者さんに対する5ASA製剤くらいだろう。

 帰りにジュンク堂に寄って、評判の「ユマニチュード入門」を購入した。思いがけず、感染症の岸田直樹先生の新書「感染症コンサルテーション」が出ていて、即購入した。電解質の本が良かった慶応の門川俊明先生の「レジデントのための血液透析患者マネージメント」も購入した。当院は血液透析患者さん120名を管理していて、基本には透析担当の先生が診ているが、夜間休日にたまたま診ることもある。何冊かは透析の本を買ったが、あんまりわかった気はしなかった。基本的なところからやり直しだ。

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