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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

亜急性甲状腺炎?

2014年06月28日 | Weblog

 隣町の病院から43歳女性が紹介されてきた。症状は発熱・咽頭痛・甲状腺機能亢進・肝機能障害だった。咽頭痛というのは、実際は甲状腺部の疼痛で、甲状腺右葉に圧痛があった。1ケ月前から38℃前後の発熱が続き、2週間前から前頸部痛(甲状腺の疼痛)が出現した。3kgの体重減少もある。夫の話では、以前から甲状腺が腫れている(びまん性甲状腺腫)があると気付いていたが、特に自覚症状がなかったそうだ。この女性はフィリピン出身で、結婚で日本に来た。

 検査結果は、白血球増加(1万くらい)、CRP12、血沈100mmと上昇している。甲状腺機能亢進があり、程度から判断するのは困難だが、亜急性甲状腺腫の甲状腺破壊によるというより、バセドウ病のような印象を受けた(まさに印象で、根拠はない)。甲状腺エコーでは、びまん性に甲状腺腫大して内部エコーはまだらだった。分かりにくいが甲状腺全体に大きな結節が数個あるようにも見えて、その内部は低エコーになっている。甲状腺周囲に複数のリンパ節腫脹がある。

 亜急性甲状腺腫は1例しか経験がない。経過は亜急性甲状腺炎のようだが自信はない。甲状腺周囲のリンパ節腫脹はあってもいいのか。もともとびまん性甲状腺腫があるとして、それは慢性甲状腺炎なのか、バセドウ病なのか。もともとの病気+新規の病気のような気がする。

 当院の外科医は甲状腺を専門にしていて、甲状腺外来を担当している。外科だから、主には結節性甲状腺腫、つまり甲状腺癌を診るが、バセドウ病・慢性甲状腺炎・無痛性甲状腺炎も診ていて詳しい。相談すると、穿刺吸引細胞診を行って、甲状腺のマーカーと細胞診の結果だ出るまで1週間NSAID(ロキソニン)で1週間経過をみることになった。

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