大阪松竹座『十月花形歌舞伎 染模様恩愛御書』1等1階センター&3等3階前方センター
★感想その一
【観たばかりの時の全体の感想】
10/21(土)~10/22(日)の日程で大阪松竹座『十月花形歌舞伎 染模様恩愛御書』を観劇すべく遠征してまいりました。期待半分、不安半分だった復活狂言『染模様恩愛御書』、これが楽しくて、楽しくて。ツッコミどころ満載な部分含めてすげー楽しかった。観てる間中、顔がニマニマしてたと思う。
21日(土)夜の部は3階から拝見。もうね、思いっきりツボに入りました。かなりクスクス笑いぱなし&ツッコミしまくり。そして想像以上に復活狂言として「歌舞伎」になっているのには大感激。
22日(日)昼の部は1階で拝見。前日同様、ツッコミしまくりでクスクス笑えるかと思いきや、客の雰囲気が違っていたのか、皆真剣に物語のなかに入り込んでいて笑うどころではない。というか皆、マジ見。私もツッコミモードがだんだん真剣モードに。勿論、笑うところはしっかり笑っていましたが。
にしても、なんでこんなに楽しいんだろう。大阪上演じゃなきゃ通ってたと思う。役者さんたち、皆活き活きしてて楽しそうに演じてらした。配役がどうなのかな?と思っていた部分が多少あったのだけど実際観て、友右衛門が染五郎さん、数馬が愛之助さんで正解だった。そして猿弥さん、段治郎さん、春猿さん、吉弥さん、芝のぶさんもピタリ嵌ってて、脇の皆さんもしっかりと固め、座組みの勢いの良さが感じられた。多少寄せ集め的な座組みかな?と思ったんだけど、いやいや、かなりまとまりの良さがあった。かなりの少数人数の座組みだったけど、舞台がとても密に感じられた。今こうして書いていても、楽しくて(笑)観ていて出演している役者さんたち全員を大好きになれる芝居だった。記念にクライマックスの火事場で舞い散った火の粉(キラキラした赤いフィルム紙&薄い白い紙)を持ち帰りしました。
そして一言!染ちゃんはやっぱ素敵だ!キリッとしたとこもヘロヘロッとヘタレになるとこも必死な形相も情感がこもっている台詞回しと声も、見事な死体ぷりも、とにかくまるごと全部良かった。私の性分だからたぶん詳細感想では演出的な部分に関しては注文も出ると思うけど、それでもこーんなに大満足な芝居を仕掛けてくれてありがとう、と声を大にして言いたいです。正直なとこパルコ歌舞伎より好きだ(笑)
【舞台演出等】
染模様恩愛御書と大きく描かれた幕。セリから講談師さん登場。今から始まる芝居の発端を説明。以後、たびたび黒御簾なのかで物語の補足をしていく。いわば義太夫の代わりの役割を果たしている。これが非常にわかりやすく、また語り口が歌舞伎と相性が思った以上に良い。これからも歌舞伎のなかで講談師を使う、のは有りだと思います。今まで使ったことはないのかな?初の試み?
舞台上には木を組んだだけの櫓のようなシンプルなセットで片方が階段が3つ、片方は階段無し。場によって襖やのれん、スクリーンなどをで様々な部屋に仕立て照明の暗転で盆廻しにして場を変えていきます。なので場面転換はかなり早くほとんど幕を閉めません。その代わり場によっては華やかさに欠けるところがあり、それが少し残念でした。最初のお祭りの部分と、見初めの杜若の場はもっと華やかにしてほしかったかなあ。
照明は普段のフラットな照明ではなく様々な色を使い、ピンスポット使いも多様。素早い舞台転換のための暗転も多様しておりました。いわゆる現代劇での照明の使い方だと思うのですがそれほど違和感は感じませんでした。ラブシーンの紫の照明はベタすぎてどうよ?とも思いましたが(笑)。火事場の赤はかなり効果的でしたがどうせなら赤一色ベタ使いではなくゆらゆらさせるような立体的な照明でもいいかなあとも思ったりしましたが、それをすると歌舞伎ぽくなくなるのなとも。
火事場の演出。天井や脇から会場全体に煙を飛ばし、舞台両端からは火の粉に見立てた赤いセロファン紙と白い薄い紙をどっさりと撒き散らす。会場全体が火事場に見立てられています。舞台上では本火も少しながら使用し、また焼けだだれた梁が天井から落ちてきたり、とスペクタクル。階段落ちは階段部分が仕掛けで滑り台のようになり、そこをざぁ~っと滑り落ちる形。
音楽はほぼ正統派な使い方。すべて黒御簾内で演奏しておりました。火事場での太鼓、鼓の音にはわくわくさせられましたー。んが、一つだけ今回のテーマソングと言いますか、「数馬愛のテーマ」と言いたくなるような歌詞の歌があったのですがこの曲調がムード歌謡な曲調なんですよ。聞いてて恥ずかしくなるんですけど…。こればかりはもう少し正統派な長唄調にしていただきたかったと。
「感想そのニ」に続きます。
★感想その一
【観たばかりの時の全体の感想】
10/21(土)~10/22(日)の日程で大阪松竹座『十月花形歌舞伎 染模様恩愛御書』を観劇すべく遠征してまいりました。期待半分、不安半分だった復活狂言『染模様恩愛御書』、これが楽しくて、楽しくて。ツッコミどころ満載な部分含めてすげー楽しかった。観てる間中、顔がニマニマしてたと思う。
21日(土)夜の部は3階から拝見。もうね、思いっきりツボに入りました。かなりクスクス笑いぱなし&ツッコミしまくり。そして想像以上に復活狂言として「歌舞伎」になっているのには大感激。
22日(日)昼の部は1階で拝見。前日同様、ツッコミしまくりでクスクス笑えるかと思いきや、客の雰囲気が違っていたのか、皆真剣に物語のなかに入り込んでいて笑うどころではない。というか皆、マジ見。私もツッコミモードがだんだん真剣モードに。勿論、笑うところはしっかり笑っていましたが。
にしても、なんでこんなに楽しいんだろう。大阪上演じゃなきゃ通ってたと思う。役者さんたち、皆活き活きしてて楽しそうに演じてらした。配役がどうなのかな?と思っていた部分が多少あったのだけど実際観て、友右衛門が染五郎さん、数馬が愛之助さんで正解だった。そして猿弥さん、段治郎さん、春猿さん、吉弥さん、芝のぶさんもピタリ嵌ってて、脇の皆さんもしっかりと固め、座組みの勢いの良さが感じられた。多少寄せ集め的な座組みかな?と思ったんだけど、いやいや、かなりまとまりの良さがあった。かなりの少数人数の座組みだったけど、舞台がとても密に感じられた。今こうして書いていても、楽しくて(笑)観ていて出演している役者さんたち全員を大好きになれる芝居だった。記念にクライマックスの火事場で舞い散った火の粉(キラキラした赤いフィルム紙&薄い白い紙)を持ち帰りしました。
そして一言!染ちゃんはやっぱ素敵だ!キリッとしたとこもヘロヘロッとヘタレになるとこも必死な形相も情感がこもっている台詞回しと声も、見事な死体ぷりも、とにかくまるごと全部良かった。私の性分だからたぶん詳細感想では演出的な部分に関しては注文も出ると思うけど、それでもこーんなに大満足な芝居を仕掛けてくれてありがとう、と声を大にして言いたいです。正直なとこパルコ歌舞伎より好きだ(笑)
【舞台演出等】
染模様恩愛御書と大きく描かれた幕。セリから講談師さん登場。今から始まる芝居の発端を説明。以後、たびたび黒御簾なのかで物語の補足をしていく。いわば義太夫の代わりの役割を果たしている。これが非常にわかりやすく、また語り口が歌舞伎と相性が思った以上に良い。これからも歌舞伎のなかで講談師を使う、のは有りだと思います。今まで使ったことはないのかな?初の試み?
舞台上には木を組んだだけの櫓のようなシンプルなセットで片方が階段が3つ、片方は階段無し。場によって襖やのれん、スクリーンなどをで様々な部屋に仕立て照明の暗転で盆廻しにして場を変えていきます。なので場面転換はかなり早くほとんど幕を閉めません。その代わり場によっては華やかさに欠けるところがあり、それが少し残念でした。最初のお祭りの部分と、見初めの杜若の場はもっと華やかにしてほしかったかなあ。
照明は普段のフラットな照明ではなく様々な色を使い、ピンスポット使いも多様。素早い舞台転換のための暗転も多様しておりました。いわゆる現代劇での照明の使い方だと思うのですがそれほど違和感は感じませんでした。ラブシーンの紫の照明はベタすぎてどうよ?とも思いましたが(笑)。火事場の赤はかなり効果的でしたがどうせなら赤一色ベタ使いではなくゆらゆらさせるような立体的な照明でもいいかなあとも思ったりしましたが、それをすると歌舞伎ぽくなくなるのなとも。
火事場の演出。天井や脇から会場全体に煙を飛ばし、舞台両端からは火の粉に見立てた赤いセロファン紙と白い薄い紙をどっさりと撒き散らす。会場全体が火事場に見立てられています。舞台上では本火も少しながら使用し、また焼けだだれた梁が天井から落ちてきたり、とスペクタクル。階段落ちは階段部分が仕掛けで滑り台のようになり、そこをざぁ~っと滑り落ちる形。
音楽はほぼ正統派な使い方。すべて黒御簾内で演奏しておりました。火事場での太鼓、鼓の音にはわくわくさせられましたー。んが、一つだけ今回のテーマソングと言いますか、「数馬愛のテーマ」と言いたくなるような歌詞の歌があったのですがこの曲調がムード歌謡な曲調なんですよ。聞いてて恥ずかしくなるんですけど…。こればかりはもう少し正統派な長唄調にしていただきたかったと。
「感想そのニ」に続きます。