ここ最近、郷土館,少年少女発明クラブ,放課後子供教室,農作業,田布施コットンクラブなどの仕事やボランティアが忙しいため、本来の私の趣味である電子回路やラジオ修理などをすることができません。今日は朝から雨が降って何もできなかったため、久しぶりにトランジスタラジオの修理をしてみることにしました。たまたま手元にあった古いSONY製トランジスタラジオ TRABSISTOR-8です。ラジオ放送を聞くことはできるのですが、症状が二つあります。一つは音が小さい事です。音量を最大にしても耳を澄まさないと聞こえません。二つ目は音量調節のダイヤルがグラグラするのです。ラジオを落とした時に壊れたようです。
古いSONY製トランジスタラジオ TRABSISTOR-8の回路基板
ラジオの筐体を外して回路基板,電源スイッチ,音量つまみ,選局ダイヤルなどを露出し、回路基板を取り外しました。すると、基板構造がとても古いことが分かります。そもそも裏蓋を外すと、回路基板の裏側が見える珍しい構造です。基板の表側が見えるのが標準です。一時的に裏基板が流行ったのでしょうか。測定などのメンテナンスは裏基板が良さそうですが。能動素子であるトランジスタも古い物でした。JISの2SAxxxや2SBxxxなどではなく、SONY固有の2Txxxです。昭和30年代初期製造のトランジスタラジオではないかと思います。
ラジオの表側 裏蓋を外すと裏基板 能動素子を記録
使われているトランジスタは8個でした。周波数変換用の2T73,IF増幅用の2T75と2T76 2個,電圧増幅用の2T65 2個,電力増幅用の2T66 2個です。計8個のトランジスタが使われていました。これらのトランジスタは全てNPN型です。ちなみにSONY以外はPNP型です。ところで、音量つまみを固定する基板部分が破損していました。部品は無いので、この破損をどう直すか知恵の使いどころです。電源電圧は9Vです。安定化電源で9Vを供給しましたが、音量を最大にしても小さな音でしかラジオ放送が聞こえませんでした。気長に直そうと思います。
壊れた音量つまみの基盤部分 9Vを供給した安定化電源