午前8時半に田んぼ行って田植えの準備をしました。準備と言っても18日の小学生の田植えの時に既に準備していたので、田植えの基準線を設定するぐらいだけでしたので短時間で済みました。あとは耕運機のエンジンの調子を見たり田んぼの水が減っていないか見回りをしました。そのうち、午前9時半頃に恵泉女学園大学の3年生6人と先生が田植えにやって来ました。
最初小屋で着替えをしてもらってさっそく田植えを体験してもらいました。まず、素足で田んぼ内に入ります。田んぼに入るのが初めての子は、足が汚れないか虫が飛んでこないか気にしているようでした。
田んぼに素足で。泥の感触は最初ちょっと気味悪いけど新鮮かな!
田植えをした田んぼは先日小学生達が田植えした隣です。去年に比べてやや狭い田んぼですので、今年は丁寧に教えました。最初、苗の持ち方や植え方,後ずさりのタイミングなどを説明してから田植えの開始です。
いよいよ田植えの開始です。最初は戸惑い気味に苗を移植
彼女達が苗を植えている間お米についていくつか教えました。植えたお米の品種がキヌヒカリであること。食卓のブランドになっているコシヒカリが背高で倒れやすく作ることが難しく、逆にキヌヒカリが背が低く作りやすいこと。コシヒカリの「コシ」が新潟地方の古代名「越」から来ていること。なぜお米は麦に比べて水田で作れるのか、植物としての特性などを説明しました。
しばらく田植えしていると、上手く早くできるようになりました。
田んぼには、おたまじゃくしがたくさんいました。お米の話のほかに田んぼの生き物の話もしました。どじょう、あめんぼ、クモ、ザリガニ、ホタルなどの話もしました。以前はカメや貝がいたことなども話しました。
手持ちの苗が無くなると手渡しで 両端の学生は田植え紐を移動
半分田植えが済むと、場所をずらして再び田植えをしました。ここの田んぼは耕地整理していないので形が三角形です。このため田植えが終盤にはいると田植え紐が張りづらくなります。それでも和気藹々楽しく田植えを続けました。
濁っている箇所は今日の田植え、澄んでいる箇所は小学生が田植え
田植え終盤は田んぼが狭くなるので、田植え紐も張りづらく、同時に苗も移植しずらくなります。でも要領が分かれば手早く田植えが進みます。
終盤に入って狭くなった田んぼで田植えが進行中
現代の日本の農家では田植え機で効率的に苗を植えます。さらにアメリカでは苗を植えることなく飛行機で直接お米の種を田んぼに蒔くとか。しかし、ここの田んぼは古代とほとんど同じ方法で苗を植えます。すべて人の力で田植えをします。苗の間隔は100年前と同じやり方である一尺正方植えです。
畦のきわまで苗を植える 最後の一株を移植
田植えが終わると小川で足を洗う 足を洗い終わって
今日来た学生の中には海外からの留学生の方もいました。彼女達と同い年の息子が通う大学にもトルコ,アメリカ,中国などから留学生が来ています。学生生活がワールドワイドになることはとても良いことだと思います。
学生達には人と自然が共生する今回のような里山農業をどう感じたでしょうか。自然からいただく食べ物の大切さを知る大人に、将来的には自然や環境の大切さを次代に伝える母親になって欲しいと思いました。
今日田植えに来た学生達と先生、お疲れさまでした。
大学生達を送った後に仕事場である病院に向かいました。田植えの疲れが残っていたのか、深夜勤務は体にきつかったです。
しばらくぶりに仕事が休みのため、18日に小学生達が田植えした田んぼを見回りました。今年は雨が少ないとはいいながら、田んぼの水がとても減っていました。調べてみると案の定、田んぼの畦に穴が開いており水がスースー流失していました。モグラかザリガニが開けた穴から水が出ているようです。さっそく畦を強くたたいて泥を塗るなどして応急処置をしました。
この時期は小動物たちが活発に動き回り、モグラやザリガニなどのような土に穴を開ける動物が畦によく穴をあけます。近代的な田んぼではコンクリートで畦を作っているためこのようなことはありませんが、この田んぼは前近代的な田んぼなので仕方ありません。良く言えば、小動物たちと共に暮らしながら米作りしている田んぼです。
子供達が田植えした苗はしっかり根付いています
梅雨時期はいろんな小動物が活発に動いています。一番目に付くのはおたまじゃくしです。畦を歩くと靴の振動で人が来たことが分かるのでしょうか、いっせいに畦から離れるように泳ぎだします。タニシはマイペースでのろのろと田んぼの泥の表面をなめるように移動しています。水スマシは忙しそうに水面をくるくると回っています。どじょうは泥の煙幕をたてて一瞬のうちに泥の中に隠れます。動物それぞれの得意な隠れ方で逃げます。
明日、病院のお年寄りに簡単な田植えをしてもらうのですが、その時に懐かしんでもらうための小動物を捕まえました。捕まえたのは、おたまじゃくし,タニシ,どじょう,水スマシなどです。
お年寄りに見せる、どじょう、おたまじゃくし、タニシなどの田んぼの小動物
今日は、別所小学校5年生の田植えの日です。9時からの田植え予定だったので、30分前に田んぼに行きました。そして、昨夜作った田植え用の紐を田んぼにセットして子供達を待ちました。9時を過ぎる頃に遠くから歩いて来る子供達のザワザワする声が聞こえました。最初は2クラス同時に来たので、挨拶も早々に田植えを始めました。全員一度に田植えするには狭い田んぼなので、クラスを半分に分けて交代で田植えしました。
田植えを始めるためには、まず田んぼの泥土に素足を入れなければなりません。ほとんどの子が初めての田んぼ体験です。キャーキャー言いながら甲高い声を上げてためらいがちに田んぼの中に入りました。
キャーキャーと甲高い声をあげながら田んぼに裸足で入る子供達
田植えする前に、今日協力していただく保護者の方から稲の苗を一人一人に渡してもらいました。片手で一つかみの苗です。子供達のだれもが、稲の苗を持ったことは初めてのことではないかと思います。
お母さんから一人一人の子供達に苗が渡される
苗を渡すと田植えをするための紐の前に並んで立たせました。そして、苗の持ち方,植え方,植える場所などについて教えました。ほとんどの子供が不思議そうな顔をしながらもまじめに聞いていました。
苗の持ち方,植え方などについて話を聞く子供達
田植えの方法をひととおり教えると、さあ田植えの始まりです。田植え紐を張ったり,苗植えの見守り,植えた後の行動,苗の過不足供給などはお母さん達に指導をお願いしました。私はもっぱら全体の進行を見守ることにしました。そして、上手に苗を植えることができない子供がいればマンツーマンで直接教えることに徹しました。
さあ1組の田植え開始 最初は手つきもおっかなびっくり
最初はどの子供達も苗の植え方がよく分からなくて、植えた苗が傾いたり,根が露出したり,苗が浮いたりしました。でも終盤に入ると早く上手にできるようになりました。子供達は覚えるのがとても早いものです。
1組の田植えも終盤です。とても上手に田植えできました。
2組はやや水が深い田んぼ 楽しくワイワイ田植え中
2組の田んぼは山に迫る田んぼです。後ろの森を背に田植え
3組は最初男子が田植え 次に女子と交代して田植え
みんな仲良く綺麗に苗を植えることができました。苗の成長が楽しみです。
3面の田んぼは隣どうしですが、どういうわけか少しずつ違いがあります。水深,日当たり,水温などが微妙に違います。ちなみに、手前の3組が田植えした田んぼは小川から直接水を入れているためやや水温が低いです。山に接する2組の田んぼは午後から日陰になるので日当たりが良くありません。しかし、雑草が一番生えません。左の1組の田んぼは水温も高く、日当たりも一番良い田んぼです。でも一番雑草が多く生えます。これら三つの田んぼの条件の違いが、お米の成長に、また害虫の住み分けなどにも微妙な影響があります。日当たりが良く水温が高い1組の田んぼが一番収穫量が多くないのが不思議です。
反時計回りに、右から3組の田んぼ,2組の田んぼ,1組の田んぼ
田植えが終わると、子供達は生き生きと泥遊びなどの開始です。泥ダンゴを作ったり、小川で小動物を見つけたりと大忙しです。テレビゲームのような仮想の遊びではなく、体で感じる生の遊びは子供達を捉えて離さないようです。子供達の生き生きした瞳は本物です。
大きな泥ダンゴを作っておおはしゃぎの子供達
学校に帰る時間になると、田んぼ脇を流れる小川で泥にまみれた体を洗います。狭い小川は子供達のかっこうの遊び場です。石をひっくり返したり水のなかに手を入れてカニや虫を探したり、都会の子供には新鮮な遊びです。
流れ落ちる水で足を洗う 石をひっくり返しカニ探し
滑り台のような形状の小川で、全身びしょ濡れになってウォータースライダー遊びです。滑って怪我をしないか、大人たちは少しハラハラしながら見守りました。
女の子もいっしょなって楽しい水遊び
小川で足を綺麗に洗い、いよいよ学校に戻ります。来たときよりも、子供達の目が輝いて生き生きしているような気がしました。今日の経験は、きっと大人になっても覚えていることだろうと思います。将来、自然や環境を大切にする大人になって欲しいと思いました。
5年1組の子供達
5年2組の子供達
5年3組の子供達
明日は90人もの小学生を迎えての田植えになります。今日はまず、小学生達がバッグなどを置くスペースを作りました。田んぼを見下ろす畑の一角を草刈機で丁寧に草刈りしてスペースを作りました。このスペースは2クラス分の広さです。もう一クラス分のスペースは小屋前を草刈りして作りました。また、田んぼを見下ろす坂道も同じように草刈りしました。
畑と小屋を結ぶ坂道を草刈機で除草
ついでに畑も除草しました。草刈機で除草した畑は今、春ソバの花が満開です。真っ白な花の群生がとても綺麗です。春ソバは通常の秋ソバと比べて、やや収量が少なく実の角が尖っています。宿根性ソバの実のような尖った実です。
ソバは種を蒔いてから収穫までの期間がとても短い作物です。昔、早く収穫できるソバは飢饉対策としてあちこちで作られていたようです。味は秋ソバと比べて落ちるとのことですが、確かめたことはありません。
満開の春ソバの白い花
明日の小学生の田植えの準備をしていると、病院の同僚であるO.T(作業療法士)のUさんが、車で田んぼにやってきました。病院のベランダにあるプランターでお米を作るために田んぼの土をもらいに来たのです。さっそく大きめのビニール袋に田んぼの泥をクワでいれました。水分を含んでいるためやや重い泥土です。
田んぼの泥土をあげるついでに田植えをしてもらいました。田植えした田んぼは29日に大学生が田植えする予定の田んぼです。29日の田植えの目安になる位置に稲を30cmごとに移植しました。とても久しぶりの田植えで、泥土の感触がとても懐かしく良かったとのことでした。
田植え目安位置用の苗を30cmごとに移植
3列の田植えをし終えると、小川に行って足を洗いました。水量がだいぶ少なくなっていましたが流れ落ちる水をすくい上げるようにして足を洗いました。小川の斜面をよく見ると蛍の餌である巻貝(カワニナ)がたくさんいました。田植えや足を洗いながらいろいろと職場の話などをしました。
必要な数の苗を取る 足を洗うと冷たく気持ちいい
足を洗い終えると病院で育てる苗を少し彼女にあげました。戦前の農家ではお米作りは一家総出の農作業だったそうです。そのような時代に子供時代を過ごしたきたお年寄りの患者にはお米はとても懐かしいと思います。苗をあげた後に畑に行って紫や赤のジャガイモを掘ってもらいお土産に持って帰ってもらいました。
苗を手に、微笑みいっぱいのUさん
とても良い天気の中、瑞穂農芸高校の生徒二人と田植えなどの作業をしました。最初、育苗していた箱苗を隣の田んぼへ一時的に移動しました。今までは鳥などに食べられないように箱苗に網をかけていましたが、網を取っての移動です。箱苗で育苗した苗は、緑のじゅうたんのように成長していました。
箱苗を覆う防鳥用の網を取って移動
続いてトンボと呼ばれるレーキで、昨日耕運機で代かきした田んぼを平らに均します。田んぼは微妙に高低差があります。高いところは水面から土が出ています。低いところは水面下になっています。高いところの土をトンボをつかって、低いところ押し出すようにして移動します。腰を低くして力強く押すため結構疲れます。しばらく作業していると汗が出てきます。高低差が無くなると、田んぼ全体が水面で薄く覆われるようになります。
高い所の土を低い所へ押し出す 均すと田んぼ全体が水面で被覆
代かきが終了するといよいよ田植えです。最初、田んぼ内側の長辺一列に苗を30cm間隔で移植します。そして、その長辺に直角になるような列に苗を30cm間隔で次々に植えていきます。このようにして苗を植えていくと、田んぼ全体に苗が30cmX30cm間隔で均等に移植されます。
田んぼの長辺に直角になるように苗を次々と移植
田植えが終わると休憩を含めて昼食です。組み立て式のテーブルを田んぼ脇の木陰に置きました。木陰にそよぐ風の気持ち良いこと。歓談しながらの楽しいひと時です。近くで里山農業クラブの方達がバーベキューをしていて、その団体の知っている方からたこ焼き,天ぷら,ソバを差し入れていただきました。箸がなかったので近くに生えていた笹を切って代用しました。高校生にはたこ焼きが一番美味しかったようで全部食べました。残ったソバと天ぷらは、私が家に持ち帰り夕食にしました。
差し入れのたこ焼き,ソバ,天ぷらを食べる。箸は笹で代用
休憩が終わると彼女達に18日の小学生達の田植えの準備を手伝ってもらいました。田んぼ3面それぞれに、目印となる苗を3列植えました。このころになると、直射日光で田んぼの水がほかほかに温められていました。
小学生の田植え準備 目印用の苗を30cm間隔で移植
小学生の田植え準備が終わると今日の田植えは終了です。田植えした田んぼの真ん中の畦を通って、近くの小川に足を洗いに行きます。きれいに代かきされて水面が光る田んぼや田植えした田んぼを上から見下ろすととてもきれいです。
足を洗うため田んぼの真ん中を通って小川に向かう
今日の田植えや代かきなどの体験、ご苦労様でした。足を洗って着替えると元の高校生姿に戻ります。全国的に田植えをしたり代かきなどを体験する高校生はまれだと思います。とくに、機械化されていない田んぼで、昔ながらの手作りでお米を作る体験をする高校生はきわめて珍しいと思います。
高校生姿に戻った彼女達、どんな大人になるか期待十分
高校生が田植えをしている間、ある農家から耕運機をいただきました。納屋に数年間使われないまま保管されていた耕運機です。今後使わないとのことでいただくことになりました。ほこりをかぶりとても古い型式の耕運機ですが、エンジンは快調に動きます。暇な時間にどのように使えるか調査しつつ調整しようと思っています。
いただいたふるい型式の耕運機
耕運用ロータリーをつけた耕耘機 右側を代かき用車輪に取り替え
数ヶ月間も耕運用ロータリーを取り付けたままにしていました。このため、車輪と軸がさび付いており交換には力がいります。この耕運機は故障しがちな耕運機のため交換も時間がかかりました。
やっとの思いで代かき用に変身した耕運機
水が入った田んぼを代かきしましたが、この耕運機はキャブレター周りが故障しがちで何度も立ち往生しました。エンジンが止まるたびにキャブレターをはずして修理しました。代かきしている時間よりも修理している時間の方が長いありさまです。ああくたびれた!
故障で立ち往生しながらも修理しつつ代かき作業を続行
午後三時頃、別所小学校の先生方が18日の田植えの打ち合わせにやって来ました。代かき作業を中断して、18日の田植えの進行やトラブル対策について話をしました。100人もの子供や保護者が来るので、当日はとても過密な田植えになるような気がします。とにかく安全に田植えがすむようにしたいと思います。
代かき中の田んぼ、水面が光っています
田植えひもには30cm間隔にマジック等で塗った印があります。これまで使用してきた田植えひもは、その印が薄くなって見えなくなっています。これでは濁った田んぼでは全く見えません。
そこで田植えひもを新しく作ることにしました。これまでは30cm間隔の印をマジック等で印を付けていましたが、今年は新しい方法で印を付けるように工夫しました。それは、印を付けるのではなく、2cmほどの長さの熱収縮チューブをひもに通して30cm間隔で固着する方法です。
2cmほどに熱収縮チューブを切断 熱風でひもに30cm間隔で固着
この熱収縮チューブの収縮力だけではずれる恐れがあるため、熱収縮チューブの内側に接着剤を封入して固着しました。マジックなどでは経年変化で色が薄れる恐れがありますが、今回の方法では全く色が薄れません。何年も田植えに使うことができると思っています。なお、色が赤のものを一本、黒のものを2本作りました。
出来上がった田植えひも、15mのものをを3本製作
うっすらと草が生えた田んぼを耕運
今日は、18日に田植えにやってくる小学生達の田んぼを主に耕運しました。耕運したての田んぼを見下ろすと少し気持ちが高揚してきます。18日は一度に90人もの小学生達の統制をとりながら田植えをするので大変です。その準備として、15日午後に先生を呼んで田植えのリハーサルをする予定です。
小学生達が田植えする田んぼを見下ろして
6月になり日がな夏らしくなってきました。農作業していてもびっしり汗が出るようになり、休み休み作業しないととても疲れます。しかしここで作業をサボると、雑草に負けてしまいます。今日は田んぼの畦周りを草刈りしました。
作業小屋から見た田んぼ
以前は大勢で草刈りをしたものでした。鎌での草刈りでしたが、大勢でワイワイとにぎやかに草刈りすると、あっと言う間に草刈りが終わりました。今は私一人の草刈りです。やむなく草刈機で草刈りをしています。
小川から見上げた田んぼ