熱い日差しの中、別所小学校の生徒達が家族と一緒に田植えした田んぼに草取りにやってきました。田植えは授業で参加しましたが、今日は夏休みの間の自由参加です。担任の先生も2人やってきました。
暑い日差しの中、2組の田んぼから草取り開始
田植えから約1ヶ月、小さかった苗はだいぶ成長していました。今年は2大雑草のうちヒエが比較的少なく、コナギと呼ばれる雑草がだいぶ繁茂していました。腰をかがめながらコナギを除草しました。稲の根元に生えるコナギを泥ごとかき回すようにして取り、根ごと水面に浮かせます。
どんどん進む男の子達 女の子達はゆっくりと除草
草取りをする時に気をつけることは、腰をかがめたときに稲の穂で顔を傷つけないようにすることです。穂の先は矢のようにとがっています。目に入ると大変です。ゴーグルを付けるとより安全です。腰は痛いし、日射で暑いし、腰は痛いし、昔は大変な労働だったことでしょう。
2組の草取りが終わると、次は1組の田んぼの草取り
今日の草取りに参加した家族のうち2家族はお父さんも参加しました。とても熱心に草取りをしていました。草取りしながらも田んぼに住んでいるいろいろな虫を見つけていました。アメンボ、イナゴ、カマキリ、アマガエル、おたまじゃくし、タニシ、ザリガニなどです。残念ながら、どじょうは濁った田んぼでは見つけることができませんでした。
熱心に草取りしているお母さん方
一通り草取りを済ませると、田んぼの観察会に早代わりです。草取りを続けたり、虫を観察したり、稲を触って見たり、家族ごとにさまざまです。
子供や家族別で、思い思いに田んぼで観察
草取りを一通り終わって観察していると、1家族が遅れて草取りにやって来ました。そこで、草取りが終わった田んぼをもう一度草取りしました。
遅れてきた家族と草取り 草取り後、吸水休憩・解散
草取りが終わって吸水休憩後に解散です。この後は家族ごとに自由活動。帰る家族もいましたが、残って観察を続ける家族もいました。中には小川に入って涼しい水で遊ぶ子供達や川筋を歩いてサワガニを探す子供達もいました。夏休み中の良い思い出になったことでしょう。
小川の水で遊ぶ保護者と子供達
田んぼ周辺の湿地に植えたサトイモ
サトイモは元々湿地を好む作物です。このため田んぼを囲むような湿地に沿って種芋を植えました。枯れ草を例年積み込むこの場所がサトイモに良かったのでしょうかだいぶ大きく成長しました。葉も大きくなりました。
小さな子供なら傘代わりに使えそうな大きなサトイモの葉
昨日の雨がうそのように晴れた空
草刈機にひもを付けて草刈りしました。田んぼには網を張るためのロープを張り巡らしています。このロープに引っかからないように注意しながら草刈りしました。草刈りしていると、空にしだいに雲がかかってきました。強かった日差しが弱くなり風も出てきた作業しやすくなりました。
草刈りを終えた田んぼとその周辺
田んぼ脇の笹の葉上の小さなアマガエル(小さな尾がある)
稲穂にぶら下がって脱皮しているカマキリ
梅雨が明けて、田んぼでは稲が成長を早めているようです。もともと熱帯の作物である稲は水が豊富な夏の間一気に育ちます。毎年お盆頃に目立たない白い花を咲かるまでに成長します。先月田植えした稲は田んぼにすっかり定着しています。今年は梅雨明けが早いので、それだけ収量も多くなると期待しています。
別所小学校5年1組の子供達が植えた稲
田んぼの地面には今いろいろな雑草が生えていますが、今年はヒエの発生が少ないです。毎年のようにヒエが生えてその除草に苦労していますが、いったいどうしたことでしょう。
別所小学校5年2組の子供達が植えた稲
今一番多く生えている雑草はコナギです。水槽に金魚と一緒に入れるホテイアオイ
の仲間です。この雑草は最初はとても小さいのですが、大きくなると田んぼの栄養を吸い取ってしまいます。そうなると稲の成長が妨げられます。
大学生が田植えした田んぼ、まだ緑色が薄い
26日に別所小学校の5年生が草取りにやってきます。田んぼの雑草を抜いたり、逆に田んぼの地面下に押し込みます。単純な作業ですが、猛暑の中でなかなか辛い作業です。
イタリア人夫婦が田植えした古代米
草刈り前の田んぼ北斜面、雑草が生い茂る
田んぼ北斜面は急な傾斜のため、足で踏ん張りながらの草刈りです。軽くはない草刈機を斜面に沿って動かすのは難儀でした。汗を流しながらの草刈り作業です。
この北斜面は笹などが混じる硬い草が少なくないためチップを埋め込んだ丸刃で刈り取りました。北斜面の草刈りが終わるとしばし休憩。その後丸刃でなく回転ひもを使った草刈りに変更しました。これは柔らかい草の草刈りに使用します。
草刈りが終わった後の田んぼ北斜面
このところ曇り空が続いていますが、やっとレンゲの種子を採種する時間がとれました。去年の秋に種を蒔いて、冬の間成長して、春に花が咲いて、初夏に刈り取りをして黒い小さなサヤ付きの茎や葉を干して、今日ようやく種子を採種しました。レンゲの種はとても小さくて麦のような足踏み脱穀機は使えません。ひたすら「くるり棒」(地方によっては「バタバタ」などと呼ぶ)で叩いて種を落としました。それを何度も選別して種子だけを取り出しました。
乾燥棚で干したレンゲ ひたすらくるリ棒で叩く
干してかさかさになったレンゲの茎や葉を大き目のビニールシートに移します。そして「くるり棒」で乾燥したレンゲをひたすら叩きます。この農具は江戸時代から昭和初期にかけてよく使われた農具です。ソバや麦などの穀物の脱穀にも使われたようです。
干したレンゲの茎や葉をくるり棒で叩き、種子を脱穀
叩いた後、最初は大き目の網で不要な茎や葉を除きます。この段階ではレンゲの小さな種は下の方に落ちているため肉眼ではよく見えません。この除いた茎や葉は捨てないで他の作物の敷き藁として利用します。
大きめの網で一回目の選別
一回目の選別をした後、もう一度くるリ棒で丁寧に叩きます。この段階ではレンゲの黒いサヤがまだたくさんあります。このサヤから種子を落とすように叩きます。たたき終わると二回目の選別をします。そして、より細かい網を使って種子を取り出します。
二回目の選別 細かい網を使って三回目の選別
三回目の選別を終わるとレンゲの種子をちらほら肉眼で確認できるようになります。直径が1mm以下のソラマメの形に似ている種子です。色は黄緑です。
黄緑色のとても小さなレンゲがちらほら散見
この次の選別は唐箕を使います。網と違って風を使って餞別します。唐箕のハンドルを回して風を発生させ、その風の中に細かい網で選別したレンゲの枯れゴミと種子が混ざったものを落とします。するとやや比重の軽い枯れゴミが飛ばされる一方、比重のやや重い種子が直下の管に落ちます。この唐箕を三回程度通してようやくレンゲの種子だけを選別できます。
風を使って選別する唐箕 レンゲ種子だけが赤い箱に落下
選別できたレンゲの種子は、販売品のように品質はよくありません。虫に食われた種子、カビがはえた種子、黒く変色した種子などが混ざっているためです。さらに比重選すれば品質を上げられますがとても手間がかかります。でも種まきすればちゃんと芽が出る種子が7割以上は含まれているので、これで採種終了としました。この種子を9月に同じ田んぼに蒔くつもりです。
採種したレンゲの種子、黄緑色の粒が正常な種子
なお、取り除いたレンゲの枯れた茎や葉などの枯れゴミは他の作物の敷き藁して再利用します。ワラと違って細かいので、作物の周りにとても敷きやすいです。これから熱い夏を向かえて地面を保湿したり雑草を生えにくくするためにも、このレンゲの枯れゴミは最適です。
砂糖大根(ビート)の根元に敷く ナスの根元に敷く
4月に蒔いたピーナッツがだいぶ大きくなりました。ピーナッツは二年ぶりに作ってみました。マメ科の作物だからでしょうか、あまり肥料をまかくなてもそれなりに育ちます。ピーナッツは不思議な作物で、花が咲いたあと実が地面にささるように地下にもぐって豆ができます。
肥料を蒔かずとも、だいぶ大きくなったピーナッツ
マメ科特有の花柄の花が咲いていました。実が地下で豆になりやすいように地面近くで花が咲いています。ピーナッツの不思議な豆の実り方は、害虫に食べられないように進化して結果なのでしょうか。
マメ科特有の花柄で黄色に咲くピーナッツの花
手に持ったニンジンの種 指をこするようにして種まき
種は20cm間隔の2列に蒔きました。種は密に蒔きすぎると、間引きが大変です。大体2回ほど間引きしますが、間引きのことを考えて適度な密度になるように種を蒔きました。ニンジンは発芽の成功率でその後の作柄がほぼ決まります。蒔いた種のうえに丁寧に土をかけました。
種を蒔いた後、薄く土をかける
種を蒔いて土をかけると、その上に保湿のためにワラなどをかけます。私は寒冷紗で覆って乾燥を防いでいます。このように発芽率を上げる工夫をします。
乾燥を防ぐために寒冷紗で覆う
空に向かって伸びるアピオスの茎や葉
この芋はとても強いらしく、3年前に購入した芋が毎年小さいながらも芋を作っていたようです。春先に思いもよらず芽を出してきて、今年は花を咲かしています。どんな実ができるのか楽しみですが、花に触れるとはらはらと散るように落下してしまいます。今年は成長しているので芋を食べることができそうです。
触ると散るように落ちるアピオスの花
数年間その古老の家に通って栽培方法や調理法を学びました。その古老も数年前に亡くなりました。それ以来、その古老が住んでいた西原に行くことはもう無くなりました。
移植したヒエの苗、移植時期が遅れたためまだ頼りない
ヒエは砲弾型のような穂が突き出るように出ます。シコクビエの穂は掃除に使うほうきを逆さにしたような穂がでます。鶏,鴨,そしてアヒルの足のような形にも見えます。このため、地域によってはシコクビエのことを「鴨足(カモアシ又はカマシ)」と呼びます。シコクビエを初めて見た時、こんな不思議な作物があるんだと感心しました。また、呼び名も県境や山の境でチョウセンベイ,エゾッペイ,カモアシなどと変ります。
飢饉対策の作物なだけに稲や麦のように一度に実ることがありません、だらだらと実り続け二ヶ月以上にわたって霜が降りて枯れるまで収穫し続けることができます。収穫は基本的に穂刈りです。粟粒の大きさで色は茶色で、食べてもあまり美味しいとは言えません。調理方法は基本的に製粉してソバガキのようにして食べます。
移植したシコクビエ、とても分げつが多い作物
くし状のスコップを畝横に差込み スコップを押し下げると芋が出る
ジャガイモの品種はキタアカリです。掘ってみるととの芋も中玉から小玉でした。この品種はこの畑にあっていないのか育て方か良くないようです。これまで作ってきた男爵やメークインとは違うようです。
中玉から小玉のジャガイモを収穫
6月中旬には収穫できたのですが、田植え作業が忙しく伸び伸びになっていました。この間にジャガイモの茎が倒れ枯れて芋の場所が分からず苦労しました。この辺かと思ってスコップを差し込むと芋に刺さったり、また差し込んでも何もなかったりと効率が悪くて困りました。収穫には作物に合った適期があることが良く分かります。
数日間食べる分のジャガイモだけを収穫
収穫したジャガイモを家に持って帰るとまず水洗いしました。そして、今夜食べる4個のジャガイモを選んで調理しました。一番簡単に調理できて美味しいフライドポテトにしました。皮は剥かず包丁で適度に短冊状に切り、熱く熱した油に入れました。
ジャガイモを適当な大きさに 熱した油にそのまま入れる
揚がったジャガイモをボールに広げた新聞紙を入れて、油をきると同時に熱をさましました。熱が下がりきらないうちに塩をまぶしました。そして、手で抓みながら食べました。数時間前に収穫したばかりのジャガイモはとても美味しかったです。今度は衣を付けて天ぷらにでもして食べてみたいと思います。
広げた新聞紙上に並べた揚げたてジャガイモ
田植えがすべて終わって、ようやく畑仕事ができるようになりました。草取りや伸び伸びになっていた野菜の苗の植え付けをしました。苗は4月に種を蒔いて育てたものです。今日植え付けたのは、ナス、ピーマン、唐辛子の苗です。植える時期としては1ヶ月も遅れてしまいました。
草取り中の畑、草がびっしり 植え付けたナス
野菜の植え付けが終わると、田んぼ脇に植えてあるサトイモの周辺の草取りをしました。ここは草刈機で草をとりました。ここには野生のクワ、くず、笹など茎がとても硬い強敵の草が生えています。これ以上伸びるともっと草刈りが大変になります。梅雨の時期で茎がまだ柔らかい今の時期に草を刈っておきます。
田んぼに沿って植えてあるサトイモ、その周辺を除草
私が野菜の植え付けをしたり草を刈っている間、仲間が田んぼに網をかけるためのロープを張りました。稲が実る頃になると、スズメが田んぼにやって来ます。そのスズメから稲を守るために網をかけます。毎年の作業ですが大変です。
田んぼで網をかけるためのロープを張っている仲間
3日恵泉女学園大学の学生達の田植えが終わった後、網で囲まれた苗場で古代米(赤米)の苗取りをしました。続いて代かきをしてから田植えをしていると、K氏がイタリア人夫婦を連れて田んぼを散策にやって来ました。話をしていると、その夫婦は田植えはしたことがないとのことでした。このさい体験してもらうことにしました。
田植え初体験のイタリア人夫婦と私
サンダルを脱いで素足で苗場の中に入ってもらいました。田植えひもを前にして古代米の苗を渡しました。そして、K氏の通訳の元に苗の持ち方,植え方,植える間隔などを教えました。二人は最初は恐る恐る、そしてだんだんに楽しみながら苗を植えていました。ついでに、古代米と普通の米の違いや古代米(赤米)の穂が赤くて綺麗なことなども話しました。
夫婦二人で仲良く古代米の苗を移植
だんなさんの方はイタリア人ですが、奥さんの方は元々はブラジル出身とのこと。ブラジルはラテン語の中でもポルトガル語です。同じラテン語のイタリア語と通じるのでしょう。田植えひもの二列を植えた後、次の用事があるため田んぼから足早に去って行きました。とても短い時間でしたが、初めての田植えは思い出に残ることでしょう。
K氏を挟んでニコニコ顔のイタリア人夫婦