東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

稗(ヒエ)などの雑穀が出穂時期を迎える

2019年08月22日 | 麦,穀類,雑穀

 夜になるとコオロギなどの秋の虫がさかんに鳴くようになりました。それは虫に限りません。畑を見回ると、植物も秋への準備をしていることが分かります。それが一番良く分かるのが雑穀類です。稗(ヒエ)は握りこぶしほど大きさの穂が出ています。普通の人は、稗(ヒエ)と言うと田んぼに生えている雑草の稗(ヒエ)を思い出すでしょう。しかし、私が栽培しているのは、かつて田んぼができないような山間地域で栽培されていた食用の稗(ヒエ)です。15年位前まではまだ稗を栽培している家がありました。今では幻に等しい栽培植物ではないかと思います。

          大きな穂を出した、食用のための栽培稗(ヒエ)


 稗以外にも、粟(アワ)、黍(キビ)、シコクビエ、陸稲、穂モロコシなども栽培していました。粟,黍,そして陸稲はそう珍しい雑穀ではないため、今は栽培していません。30年位前、雑穀の調査のため山梨県など山間地域を巡りました。そして、その栽培や収穫をを手伝ったりしました。しかし、栽培する古老がだんだんいなくなると共に、栽培しなくなったりソバなどへの転換が進みました。古代から明治期までさかんに栽培されていた雑穀が無くなるのは寂しい限りです。それは一つの文化が無くなるのに等しいと思います。

  穂の形が特徴的なシコクビエ      穂モロコシ(餅のようにして食す)
 

コメント
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