湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

ほぼ自画像展

2014-04-17 21:38:50 | ぶらぶらミュージアム散歩


初めて見たのは何かのポスターか、それとも「Number」誌上でか。
なんともいえない顔つきに引き込まれてしまう石田徹也氏の作品である。

去年、足利市立美術館で開催された展覧会がNHK「日曜美術館」で紹介されていたが、それが平塚市美術館にまわってきた。
その『石田徹也展 ノート、夢のしるし』を観てきた。
タイトル通り、ノートやスケッチブックに描かれたアイデアや下絵が配置されているところも見どころ。

悲しいのか、楽しいのか、つらいのか、痛いのか、幸せなのか、不安なのか・・・
もうまったくわからないけど、とにかくおもしろかった。
なにしろこんなに大量(110点)の石田氏の作品の中に身を置くことは初めて。それだけでも興奮する。

もう1回、行っちゃいそうだなぁ。

とりあえず来週末(4/25FRI)午後8:00~『ぶらぶら美術館・博物館』を見てみよう。

シメはやっぱりふつうメシ

2014-04-16 23:09:06 | B食の道


結局ボクは海鮮ものより、普通のメシが好きなのだ。
せっかく三陸まで来て、刺身関係は一切口にしなかった(笑)。釜石駅前でとった最後の昼食も「ランチセット」(650円)である。

その建物の2階には『まんぷく食堂』ともう1店、和食屋さんが入っていたが、値段の張る生ものを食べる気にはまったくならなかった。実は1階に足を踏み入れた瞬間から『まんぷく食堂』よりさらに魅力的な『駅前食堂』にやられていたのである(笑)。

メニューに「餃子」の文字が見えた。
「餃子とご飯っていうのできますかねぇ」
「餃子3づに半ライス、ラーメンとお新香がついで650円てのがあるけどね」

顔のシワがすてきなお母さん、ナイス提案!
そう、餃子と白飯を一緒に食べたいというボクの思いをしっかり汲んでくれたのだ。



この餃子がうまかった。
いかにも手づくりで、ボクの大好きな乾いてる感じ(でもパリパリではなくね)。さらに3つプラスでお願いすればよかったと後悔しきりである。



ラーメンは極細麺。あっさりスープは懐かしい醤油味。これも好みだ。
白いご飯と餃子、スープ代わりのラーメンずるずる・・・こりゃ幸せ。
海鮮ものより何倍すてきか。岩手出張最後もふつうにおいしいメシでシメとなったのである。



これがお土産市場的な大きい建物の中ではなく、ホントに駅前にぽつんと建つお店だったら昇天していたかもね。

3年後の大槌にて

2014-04-15 21:20:44 | あんな話こんな話


仮設住宅が並ぶ前、未舗装の道の端をおじいさんが孫を背負って歩いていた。
「なんだか懐かしい光景だなぁ」
ハンドルを握る僕がそう言うと、助手席の彼女が答えた。

「うちのじっちゃんと妹です」

え~っ、なんとなんと(笑)。

僕が出張でおじゃましているお店で働く女の子(20歳)を、クルマで送っていった夕方の出来事だ。
目の前に仮設住宅が現れるまで、僕はそこが彼女の住まいであることを知らなかった。お店まで30分もかかる道のりを歩いて通っていると聞いてはいたのだが。

店を閉めてクルマで宿舎に向かっていると、津波のあと更地になった中を貫く一本道をとぼとぼ歩いている彼女を見つけた。助手席に誘うという選択肢以外みつからない。

「ありがどございます」
「家までけっこうあるんだって?」
「はい、けっこう」
「自転車ならラクじゃん、あっ自転車乗れなかったりして(笑)」
「いや、乗れますけど、自転車ないんでぇ」
「ないのかぁ」

そうこうしているうちに導かれるままに奥へ奥へ。道は砂利になり、街灯も少なくなり、谷戸の奥に仮設住宅が現れたのだ。
ここまで来てようやく僕は、彼女が仮設住まいであることに気づくのだった。
そして、なぜ「自転車がない」か 、にも。

反面、おじいちゃんも妹も、なにより君も、生きていてよかった。
それにもやっと気づいたオレだった。
そうだ、オレは被災地に来ていたのだ。
帰る前日になって、それをまたリアルに体感することになったのである。


ちなみに、今日きいたところによると、ご家族は全員無事だったとのこと。お年寄りがいるお宅は、地震があったらまず裏山のお寺さ上れと言われていて急いで駆け上がったそうだ。



更地に立つバス停の名前は「旧大槌病院」。屋上に避難して難を逃れたものの孤立したあの病院も、いまは移転している。




防波堤が水圧で。この先はすべて流されて姿さえ見えない。



旧大槌町役場の裏あたりの住宅街跡に残されたメッセージ。

あれもこれもいまさらでごめんなさい。

精肉店食堂部へ入部

2014-04-14 20:12:29 | B食の道


先に帰浜するスタッフを釜石駅まで送ったついでに想い出ランチ。
昨日はおっさん二人飯ならぬ、親子二人飯。ウチの息子の1年先輩なもので(笑)。

向かったのは『工藤精肉店』だ。被災後いちはやく営業を始めたお店だという。
でも、ここ、ご飯が食べられるとは到底思えない外観なのだ。知る人ぞ知るですね。クチコミやネット経由でなければ、絶対にわからない。一応、表には『工藤食堂』という文字が読み取れるけれど。

ずっと『工藤精肉店食堂部』と呼ばれてきたらしい。

2階に上がると驚く。テーブル席と座敷が奥まで広がっていて、そこはほぼ満席状態。通りの静けさ、1階の落ち着きとのギャップがそれはそれは凄まじい。見れば、各々が目の前のどでかい料理と格闘している熱気が立込めている。

僕が頼んだのは「ロースカツ定食」(950円)だ。



大きさ、厚みとも充分。スマホと比べていただきたい。
しかも、さすが精肉店の食堂部だけあって、脂身とのバランスも絶妙である。
いつもより大きめにカットして口一杯に頬張る幸せを味わう。

そして、白いご飯。



どんぶり1杯分以上あることは間違いない。巨大なロースカツに負けないボリュームが嬉しい。『工藤米穀部』でもあるのか(笑)。

1階で待つ先客たちが置いてあるショーケースの見本を指差して「見本に~いづわりありだがら、こごは~はぁ。見本よりもでっけぇんだがら、はぁ。1.5倍はぁあるがらねぇ」と盛り上がっていたが、その言葉にはぁ偽りはながったはんで。
僕のロースカツもすごかったけど、ご覧ください、向こうで若者が格闘している「チキンカツ定食」(950円)の大きさ、厚さたるや・・・



また釜石駅に降り立ったら、まずはここですね。迷わず入部決定。

灯台の話を東大の先生に聞いた

2014-04-13 15:54:52 | あんな話こんな話


つい先日まで立ち入り禁止だったという蓬莱島に続いている防波堤が完成していた。
今回の出張で初のフリータイムに、今日たまたま行ってみたら、上陸することができたのだ。
井上ひさし氏が隣の釜石市に在住していたり「吉里吉里」という地名が入る「吉里吉里人」という小説を書いていることなどから、「ひょっこりひょうたん島」のモデルの一つともいわれているらしい。

「もう、まるっきり被りましたね」
とおっしゃるのは、離島後にこちらもたまたま足を踏み入れてしまった(笑)東京大学大気海洋研究所にたまたま実験のためいらっしゃった先生。
もちろん津波が、だ。それでもよく頂上の祠が落ちなかったなぁと驚くばかり。周囲の木も存命。周囲の波はおだやかで、どこまでも青い空を映し美しすぎる。それが苦しい。それが悲しい。

だけど僕らはくじけない、泣くのはイヤだ笑っちゃお!
すすめ~ひょっこりひょうたん島なのだ。

さて、僕らを乗せてどこへ行くんだろう?








たくわんパン

2014-04-11 23:02:11 | B食の道


トッピングの具材。
いや、トッピングじゃないな。コッペパンだから、挟む具材ですね。
岩手県大槌町にあるベーカリー「モーモーハウス」は、岩手のソールフードでもあるコッペパンをおしゃれに?提供するプレハブの店舗だ。被災地の人材雇用、地域の活性化などのためにスタートした。
マーガリン、あん、クリーム、ジャム系以外にも、焼きそばやナポリタン、ベーコン、カツ、豚の角煮など具材はユニーク。
そして、今日挑戦したのは・・・



ポリポリ、歯ごたえはたくあんのよう。でも、唐辛子がきいていてピリッとくるかと思えばマヨネーズが全体をまろやかにもしていて、なんだかたくあんのようでたくあんではない、それはなにかとたずねたら、はぁーべんべん、たくわんパン、たくわんパン。
意外にうまいじゃないか!
後味も、たくあん臭くない。これなら、堂々とオススメできるぞ。
もし、これを食べたいという方、新幹線で新花巻駅、そこからディーゼルに揺られて1時間強、釜石駅からさらにクルマで隣町の大槌までどうぞ(笑)。

青空でした

2014-04-10 23:08:30 | あんな話こんな話


3年という月日が、早いのか遅いのか、まったくわからなくなる風景が続く。
初めてお岩手県の大槌町は、重機とダンプの音と、更地にランドマークとなっている旧・大槌町役場が迎えてくれた。
この日から解体工事が始まったその町役場の、まるですでに解体中のような姿に、ただただ胸が締めつけられる思いだ。
その背景で、どこまでも空が青く、清く、美しい。
その青に言葉を失い、3年の重みをずしりと感じるのだ。


時計の針が。

赤シウマイ

2014-04-09 22:48:22 | B食の道


昨晩帰宅したら、テーブルの上にいつものシウマイ弁当が。
いや、いつものシウマイ弁当だけど、実はいつもとちょっと違う。
掛け紙のデザインが、真っ赤なチャンチャンコ仕様になっていたのだ。

「シウマイ弁当は、おかげさまで六十歳になりました」のコメントが添えられている。
そういえば、僕も小さい頃から食べ続けているから、かなりのロングセラーというわけだ。

紐を解き、いつもと違う掛け紙を取りフタを開けると、そこにはいつもとまったく変わらない幸せがキッチリ詰まっていた。

たったひとつの定食を選んだ

2014-04-08 22:31:54 | B食の道


中華街の狭い小路を抜けた正面にあった『龍興飯店』の看板に「500円」の文字を発見。

迷わず入店(笑)。

店内でランチのメニューを見直したら実は麺類が軒並み500円で、定食は「豚肉と卵木耳炒め」の1品のみだった。

迷わずオーダー(笑)。

さらによく見ると「ライスおかわり自由」「味玉付き、ただし売り切れご了承ください」の文字。

嬉しいやら不安やら(笑)。なにしろ時間はすでに13時20分である。

500円なんだから付いてなくたっていいじゃん。そう自らに言い聞かせながら待つと、あっという間に到着だ。はたして味玉はちゃんと小皿にのっていた!
しかも、杏仁豆腐まで付いているではないか、これで500円でいいんですか?
選択の余地がなくても充分です、これならね。



味もしっかり普通においしいじゃん。ホントにすごい勢いで白飯が減っていくぞ。でもコレ、どんぶりですよ。さすがにおかわりは(笑)。

というわけで直感で飛び込んだお店だったけど、大当たり。そうだ、さっそくおっさん二人飯のメンバーにも教えなきゃと思い、念のため彼のフェイスブックを見返したら、おやおや、ちゃんとこの店で食べていた(笑)。もちろん、味玉も。


別れても会ってる人

2014-04-07 22:16:18 | あんな話こんな話


夕方、以前の職場の同僚が訪ねてきてくれた。そして、彼女は会うなり大笑いだ。

「だって、その格好。初めてですよ、ネクタイしてるとこ見たのは」

なるほど。
そういえば、前々職以来だなぁ。今回もはじめはノータイで出ていたのだが、3日目からトップの指示で急遽締めることになった。あぁ、早くクールビズにならないかなぁ(笑)

さて、まだ1週間しか経っていない再会ということに加え、なにしろフェイスブックでお互い近況を毎日のように見ていたので、まだ別れたという実感が湧いてこない。とっても不思議。
実は、前職では業務で全員がフェイスブックを使っていて、4月に入ってからもみんながプライベートでも近況をアップしている。「1次選考通過しました!」「これから面接です」「今日が初出勤」といった就職関連の投稿にも、みんなが自分のことのように一喜一憂。「いいね!」を押したり、コメントしたり、なかなかホットなやりとりが続いているのだ。
「またいつか会いましょう」といって別れたけど、次の日からも毎日会って話しているような感覚(笑)。いいのか悪いのかはよくわからないけれど、これがフェイスブックの面白いところでもある。

ん~、こうなったら、フェイスブックで伝聞される前に、オレのネクタイ姿の写真、アップしちゃおうかな。