NITE(ナイト)独立行政法人製品評価技術基盤機構製品安全センター
2024.5.14 VOL. 452より
PSマガジン(製品安全情報メールマガジン)
家の中には、大人にとっては危険がなくても、こどもにとっては思わぬ製品事故の危険が潜んでいることがあります。
普段大人だけで過ごしている親戚のおうちや宿泊施設などに旅行をするときは特に注意が必要です。
屋内でのこどもの事故を未然に防ぐためには、
事故を防ぐポイントを知り、危険な状態になっていないか点検する“おうちパトロール”が重要です。
もし、危険な状態を発見したら、こどもがその製品に近づかないようにするなどの対策をしてください。
普段は“おうちパトロール”をしていても、外出先では忘れてしまうかもしれません。
外出先でも“おうちパトロール”を実践して、安全に楽しみましょう。
今回は屋内でのこどもの事故を防ぐポイントをご紹介します。
屋内でのこどもの事故
1. 挟み込み、下敷きの事故
【扉での指挟み】
こどもがシステムキッチンの扉の丁番の隙間に指を挟み、負傷しました。
→扉を開くことで丁番に生じる隙間にこどもの指が挟まれ、負傷したものと考えられます。
【固定していない家具が転倒し負傷】
棚が倒れて周辺を損傷し、こどもが軽傷を負いました。
→付属の
転倒防止金具が取り付けられておらず、設置直後で棚に何も置かれていなかったことで
倒れやすい状態だったため、外力が加わって転倒に至ったものと考えられます。
【挟み込み・下敷きの事故を防ぐためのポイント】
○指挟み防止グッズを活用する。扉はこどもの位置を確認してから開閉する
こどもが扉の丁番等に手を触れていると扉の開閉時に指を挟み込むおそれがあります。
市販の指挟み防止グッズ等を活用して隙間に触れさせないようにすることが有効です。
また、近くにこどもがいるときは、扉の開閉に注意してください。
こどもがいつの間にか扉に近づいて隙間に触れていることがあります。
扉を開閉するときは、こどもがどこにいるのか確認しましょう。
○家具を壁や天井に固定する。家具で遊ばせない
たんすなどの家具にぶら下がったり、引き出しを開けてよじ登ったりして家具が倒れ、
こどもが下敷きになるなどの事故が発生しています。
家具は固定し、扉や引き出しにロックをかけて遊ばせないなどの対策を取ってください。
家具の固定は地震の対策としても有効です。
(参考情報:東京消防庁の「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」)
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-bousaika/kaguten/handbook/
2. やけどの事故
【電気ポットによるやけど】
宿泊施設でこどもが電気ポットを転倒させて、やけどを負いました。
→電気ポットの上蓋が確実に閉まっていない状態で置かれていたか、
若しくはこどもが電気ポットに触れた際に蓋の開く取っ手を持ったことにより転倒時に蓋が開き、
中から多量の熱湯がこぼれてこどもにかかった可能性が考えられます。
【ウォーターサーバーによるやけど】
こどもがウォーターサーバーを触ったところ、熱湯がかかってやけどを負いました。
→親が熱湯を給湯後、蛇口の先端に残っていた高温の水滴にこどもが触れたため手首をやけどしたものと考えられます。
【こどものやけどの事故を防ぐためのポイント】
○やけどのおそれがある製品にこどもを近づけないよう対策を取る
こどもは目につくもの、手の届くもの、興味を引くものをすぐに触ろうとします。
ウォーターサーバーや電気ポット・電気ケトルなどの
高温の湯を扱う製品が
こどもの触れられる場所に置かれていないか確認し、こどもから遠ざけるようにしてください。
台所など複数の危険が潜む場所は、
ベビーゲートを設置するなどして立ち入れないようにするのは有効な対策です。
製品をこどもの手の届かない高所に設置することも有効な対策ですが、
垂れ下がった電源コードをこどもが引っ張ったことで事故に至ったケースがあるため、
コードの配置状況にも注意しましょう。
電気ポット・電気ケトルなどには、
転倒してもお湯がこぼれにくいように安全対策がなされたものがありますので、
そういった製品の使用もご検討ください。
3. 窒息、誤飲の事故
【玩具の部品(磁石)の誤飲】
こどもが破損した玩具(マグネットパズル)の部品を複数個誤飲し、負傷しました。
→玩具(対象年齢3歳以上)の樹脂ケースが破損し、内部の円柱形のネオジム磁石が脱落して、
こどもが誤飲したものと考えられます。
【カーテンの操作用ひもによる窒息】
こどもの首がカーテン(シェード)の操作用ひもに引っかかり、死亡しました。
→事故発生時の詳細な状況が不明のため事故原因の特定には至りませんでした。
【幼児用ベッドガード(ベッド用落下防止柵)による窒息】
こどもが幼児用ベッドガードとマットレスの隙間に挟まり、死亡しました。
→事故発生時の詳細な状況が不明のため事故原因の特定には至りませんでしたが、
わずかに広がった柵とマットレスとの隙間にこどもが体ごと落ち込んだ際に自力で脱出できずに窒息したものと考えられます。
【こどもの窒息・誤飲の事故を防ぐためのポイント】
○小さな玩具やその部品、コイン形電池やボタン形電池の保管方法や扱いに注意する
こどもが小さな玩具やその部品、コイン形電池やボタン形電池を飲み込んでしまう事故が発生しています。
特に3 歳までのこどもは、身の回りのものを口にいれて確認しようとするので、誤飲の危険性が高いと考えられます。
玩具は購入前や使用前に 対象年齢を確認してください。
対象年齢を満たさない玩具等、誤飲のおそれのある製品は、こどもの手の届かない場所や鍵のかかる場所に保管するなど、
保管場所に気を付け、こどもに触れさせないようにしてください。
また、玩具などの部品で口に入るサイズのものが外れたりしないか、確認してください。
コイン形電池やボタン形電池を使用する玩具は、
電池を格納しているふたが外れやすくなっていないか点検を行いましょう。
○ブラインドの操作用ひも等のループ状のひもに触れさせない
こどもが室内でかくれんぼなどをしている内に、
首にブラインドの操作用ひもなどのループ状となったひもに絡まって窒息する事故が発生しています。
ひもをこどもに触れさせないよう、次の点に注意しましょう。
・クリップなどでこどもの手の届かない位置にひもをまとめる。
・踏み台となるものをひもの近くに設置しない。
ひものつなぎ目を外れやすくする安全対策を施した製品や、
ひもにループがない若しくはループが小さい製品もありますので、購入時の参考としてください。
操作用ひも以外にも、カーテンの留めひも(タッセル)や高所窓の開閉用チェーンが絡まったことによる事故も起きていますので、
ループ状のひもに注意してください。
○幼児用ベッドガードは、対象月齢に注意する
幼児用ベッドガードは、小さなこどもに使用してしまうと、
正しく固定しても隙間が生じて体が挟まり、自力では脱出できず窒息するおそれがあります。
製品購入前や使用前に、取扱説明書や注意表示で製品の対象月齢をよく確認してください。
一般財団法人製品安全協会が定めた製品安全基準(SG基準)では、幼児用ベッドガードの使用年齢を「生後 18 月以上」と定めており、
「生後18月未満は窒息のおそれがあるため、絶対に使用しない」旨、取扱説明書等に記載することとなっています。
(参考情報)
こどもの寝具に関する注意ポイントについては、以下、消費者庁ホームページも参考にしてください。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20201105/
【こどもの事故を防ぐためのポイント】
○危険であることをこどもに伝える
こどもが言葉で伝えて理解できる年齢になったら、製品の誤った使い方による危険や、
正しい使い方を普段から教えるようにし、
こどもとも一緒におうちパトロールを行ってください。
4. おうちパトロールでチェックすべきポイント例
上記で挙げたポイント以外にも、スチーム式加湿器など、こどもにとって特に注意が必要な製品や危険な設置状況が考えられますので、前述のポイントも参考に確認してみてください。
【注目!新作動画】
○その他「7.こどもの事故(屋内)チェックポイント」
屋内におけるこどもの事故を防ぐためのチェックポイント。
扉での指挟み、たんすの転倒による下敷き、電気ケトルでのやけど、ブラインド操作用ひもによる窒息の事故について。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/20240425.html
■NITEでは2024年4月25日に注意喚起として『旅先でも"おうちパトロール”を~こどもの「外傷」「やけど」「窒息」事故に注意!~』をプレスリリースしました。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2024fy/prs240425.html
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子どもの事故を防ぐには、事故のポイントを知り、
子どもと一緒に点検してみることなんですね!
子どもの好奇心は大人が思っている以上に強く、
本当に想像以上のことをしてしまうものです!
自分の家は大丈夫でも、よその家にいったときはどうでしょうか?
また、一人目は気を付けているのに、
二人目以上だった場合は、上の子どもが使っている物が事故につながったりします。
子育てって家族だけでなく、やはり周りの方全員で意識し、
協力し合いしていくものです🖕
みなさんも子育て中の家族を優しく見守り、
温かい声かけをするように心掛けてくださいm(_ _)m
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