あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

瀬戸内シーカヤック日記: カヤック事始め(2)_リバーカヤック体験@カヌーの里おおち

2020年05月02日 | 旅するシーカヤック
1992年の冬に、中古のフォールディングカヤックを購入し、独りで海を漕ぎ始めた俺。

今でこそシーカヤックはTV番組にも登場するなど一般に知られるようになっているが、当時はまだ、せいぜいカヌーを川で漕ぐというイメージの時代。
カヤックやカヌー、シーカヤックに関する情報はとても限られていて、貴重なムック本や、一般的になったばかりのインターネットを使って海外の情報などを入手して、勉強していたことを思い出す。

そんなある時、カヤックを購入したお店の店長さんからいただいたアドバイス。
『海を漕ぐにも、リバーカヤックのテクニックを知っていれば役に立ちますよ』
『昨年、島根に”カヌーの里おおち”というのができてレッスンもやっているので、一度行ってみたらいいんじゃないかな』

と言う訳で、早速調べてカヌーの里おおちのレッスンに参加することにしたのである。

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カヌーの里おおち。
俺のカヤックライフを振り返る中で、ここの存在は、とても大きな影響を受けた大切な学びの場であった。

これは古いパンフレット。
開設当初のものではないが、この中の写真の一つに、俺も写り込んでいる。

懐かしいなあ!

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もう大昔なので、記憶は曖昧な所もあるが、初めて参加したレッスンは、確かローリーイネステイラーさんも講師として参加されていた、ダウンリバーのレッスンであったと思う。

この資料は昔、ある自動車メーカーのホームページにあった、ローリーイネステイラーさんの記事。
当時、彼はプロシードマービーというSUVのカタログに出ていたので、その関係でこんな記事が出されていたのであろう。

有り余るほどの時間がある今、このブログを書くのに昔の資料を探していて見つけた貴重な資料である。

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カヌーの里おおちの下流にある、赤塚発電所の排水口付近の瀬を中心に実施された、川下りの練習。

家から持参したフジタカヌーSG-1でこのツアーに参加し、憧れのローリーさんを含むスタッフの方に、初めての川下りを教えていただけるというとても幸せな時間であった。

今思うと、それほど激しい瀬ではなかったと思うが、何せ初めてのダウンリバー。
江ノ川の本流に、左から合流してくる発電所からの排水が合流し、波が高くなっている瀬。
安定性が高いフォールディングカヤックとはいえ、今からそこに突入するのだと思うと、『ドキドキ、ワクワク』

本流に乗って下り、瀬では左舷を波に食われないように体重を右に掛けながら、必死にパドリングして漕ぎ抜け、右側のエディに入る。
エディを使って上流に戻り、再び瀬を下ることを、何度か繰り返した。

その何回目かに、気が緩んだのか左舷を波に食われ、いきなりの『沈!』
何が起こったのかも分からないまま、パドルを手離さないようにだけ気をつけてコックピットから抜け出し、カヤックに掴まって流される。
流れが弱くなったところまで来ると、スタッフの方にレスキューしていただき、河原へ。

カヤックの水を抜きながら、『人生初の沈です』
ローリーが、『これでカヤッカーとして一人前だね』
全身ズブ濡れではあったが、なんだか爽快な気分であったことを覚えている。

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当時、カヌーの里おおちでは、冬から春の間に、1年間のスケジュールが郵送で送られてきた。

参加人数が限られていて、人気もあったので、予定を確認し、すぐに電話でいつくかのツアーやレッスンを申し込んでいたことを覚えている。

当時は、江ノ川の上流から河口までを、何回かに分けて漕ぎ下るという尺取虫方式の川旅企画があったり、ローリーイネステイラーさんや堀田貴之さんと下る川下り旅があったり、秋になると江ノ川を登ってくるサケ(鮭)を見に行くツーリングがあったりと、とても充実した企画が満載であった。
そして、江ノ川をサケが登ってくるというのを知ったのも、ここのツアーがあったからこそである。

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次第に川下りも楽しくなり、ダンサープロラインを入手して、江ノ川のツアーに参加したり、錦川を下ったりもしていたあの頃。

江ノ川の河口を目指す旅など、下流でのキャンプツーリングでは、スペクトラムにキャンプ道具を積んで参加もしていたなあ。

河口に到着したら、暴風雨になり、タープの下に避難したことも、懐かしい思い出である。

この時のタープは、確かスタッフさんが持っていたタルサタイムのムササビウイングだった。
堀田さんが江ノ川に来られていた関係で、カヌーの里のコアなお客さん達の間では、ムササビウイングタープが定番であった。

うちにも、あまり使っていない当時のムササビウイングタープがあり、先日引っ張り出してみると、加水分解が始まっていたようなので手入れをしたところ。

この事態が収まったら、初期のムササビウイングタープを張って、のんびりまったりキャンプ旅を楽しみたいものである。

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独学で始めた俺のカヤックライフに、川下りのテクニックやノウハウ/経験を加えることができたのは、カヌーの里おおちのおかげである。
また、ローリーイネステイラーさん、堀田貴之さんなど、当時の憧れのカヤッカー/カヌーイストの方々から様々な考え方を教えていただき、影響も受けた。

その後、瀬戸内や日本海での尺取虫方式の旅を行ったのも、ローリーさんの日本一周旅のお話を伺った影響が大きいようにも思う。

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江ノ川では、のんびりと下るキャンプツーリングも楽しめるし、




大雨の後には、激流下りも体験できる。




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有り余るほどの時間を使い、昔の資料を引っ張り出し、懐かしく思い出しながらそれらを眺め、自分のカヤックライフを振り返る。
たまにはこんな時間も、良いもんだ。
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