あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: ”安近短”、地元の島でキャンプツーリング(1)

2009年02月22日 | 旅するシーカヤック
この週末は、日曜日の午後から雨だが、それまでは高気圧に覆われて晴れの予報。 絶好のキャンプツーリング日和である。

風の強い週末が続き、なかなか海に出られなかった1月であったが、2月に入ってからは天候にも恵まれ、2週続けて『しまなみ』に泊付きツーリングに行くことができた。
さあて、2週続けて遠出した事だし、給料前でもあるし、この週末は近場でキャンプツーリングを企画する事にしよう。
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金曜日の夜。 食事を終えて地図を眺める。 『さあて、どこ行こう?』
近場で、いままで泊まった事がなく、しかもキャンプできる好い浜がある島。 頭の中で、様々なシミュレーション。
あそこの浜は? イノシシの足跡をよく見るよなあ。。。 ここは? 日曜日に急に風が強くなったら。。。
それならこっちは? 。。。

『ようし、今回は情島に決めた』 シーカヤックを始めた16年位前から、日帰り定番コースである奥ノ内湾一周ツーリングの途中に立ち寄る島であり、顔見知りの漁師さんも居られるのだが、これまで一度も泊まった事のない島。
ここなら、広くてキャンプにちょうど良い浜もあるし、ばっちりだ。 まさにこれぞ『灯台下暗し』
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2009年2月21日(土) 今日は近場ののんびりキャンプツーリング。 出発する浜までは、家から30分も掛からない。
朝からゆっくりとキャンプ道具の準備を開始し、シーカヤックをカートップして、ゆっくりと家を出た。

浜に降ろした愛艇ニヤックに、キャンプ道具をパッキングしていく。 近場でもキャンプ道具の量は変わらない。
ミニマムパッキングを基本とする私であるが、冬のキャンプを快適に過ごすには、やはり荷物が多くなってしまう。 シュラフは羽毛たっぷりの暖かいやつがいいし、広めのテントでゆっくり寝たいし、焚き火道具も捨てがたい。
 
パッキングが終わり、穏やかな初春の瀬戸内に漕ぎ出した。 目の前にある情島目指して、ゆっくりと漕ぎ進む。 やっぱ、海は気持ち良いなあ。
途中、情島の桟橋に寄ってみたが、釣り人だけで島の人たちの姿は見えない。 顔見知りの漁師さんにお会いできないかと期待していたのだが、残念だ。
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情島の南端を回り込むと、そこからは北に向かって漕ぎ上がる。
 
海は澄み、海底からは春らしく海藻が長く伸びている。 海はもう春の気配。
途中の浜には、コンクリートの遺構が。 以前、島の方から伺った話では、太平洋戦争中に戦車を島に揚げるために作られたものなのだとか。
この情島は、音戸の瀬戸経由で呉港に向かう要所にあり、当時の主要な軍港の一つであった呉港を守るため、情島には様々な軍の施設が作られていた。
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しばらく進むと、目的の浜。 これまで何度も上陸して休憩した事はあるが、キャンプするのは初めてである。
よろしくお願いします!

シーカヤックを引き揚げ、荷物を運び上げる。 浜には、石と石との間に長い板を渡してベンチが作られている。 『これは好い!』
おそらく、夏場にボートで遊びにきた人たちが、バーベキューや海水浴を楽しむために拵えたのだろう。 今日はこれを借りる事にしよう。

ベンチを中心に、キッチンと焚き火の位置を決め、調理道具や食材を入れたクーラーバッグ、水などをセッティング。
流木を拾い集め、テントを張り、着替えると、ここはもう私のプライベートビーチである。
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もう12時過ぎ。 さて、そろそろお昼ご飯の準備に掛かろう。

今日は簡単節約キャンプ。 家の冷蔵庫を漁り、見つけてきたうどん玉とお揚げ。 いつもキャンプ用調味料セットに入れている『うどんスープの素』
トランギアのストームクッカーをセットし、お湯を沸かしてうどんを作り、食す。
『フーフー』 『ツルツル』 『ジュワワワ、ツルリ』 日は当たっているが気温は低く、少し強くなってきた南風で冷えてきた体を、あついうどんで中から温める。 ウマい。
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お昼ご飯を終え、コッフェルを片付けると、もう何もすることは無い。
釣りをしに来た訳でも、島を探検に来た訳でもない。 夏なら目の前の海で泳いだり、潜って魚を突いたりできるが、今はまだ冬。 平日の仕事とは正反対の、ただひたすらにのんびりまったりとした時間を過ごすため、この浜に来たのである。
 
快適なベンチに、クレージークリークをセットし、海を目の前に本を開く。 『庶民の発見(宮本常一)』
そろそろワインも開けるかな。 朝、近くのスーパーで買ってきた、円高還元セールで400円弱だった安ワイン。
でも名前がいいじゃないか! 『DEL SOLE』 今の明るい気分にピッタリだ。
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この浜は東向き。 後ろには山があり、午後2時を過ぎると日陰になる。 気温も低めであり、少し早いが焚き火に火を入れる事にした。

暖かい! やっぱり焚き火は好いねえ。 冬のキャンプツーリングは、焚き火抜きには考えられない。
冬は寒いのが当たり前。 そして、寒いからこそ実感できる、焚き火のありがたさ。

小さな小さな焚き火に当たりつつ、海を眺め、音楽を聴き、本を読む。 独り静かに過ごす島時間。
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そろそろ夕暮れ。 早めに夕食の準備を始めるとしようか。
クーラーバッグから、新鮮なワカメの茎を取り出す。 小さく薄いまな板を取り出し、オピネルを開く。
『さあて、最初のつまみはメカブ。 いっちゃいますか!』

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