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あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: 曲がりくねったその先に。。。

2009年04月09日 | Weblog
昨日の夜。 夕食を終え、ふと部屋の片隅を見ると、妻が毎週活けている花が新しく変わっていた。

『ふうん、花をいけかえたんだ。 今回のは、なんだか曲がりくねって、俺の人生みたいだなあ』
すると傍に居た次男が、『曲がりくねったその先に。。。花が咲く』と返す。 巧いなあ!

妻は笑い、私は苦笑い。

風来坊のように海を彷徨う、曲がりくねった人生。 いつか、花が咲く日が来るのだろうか。

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瀬戸内シーカヤック日記: 鞆の浦へドライブ

2009年03月20日 | Weblog
2009年3月15日(日) 今日は春の鞆の浦へドライブに出掛ける事にした。
『どう、久し振りにドライブに行こうか。 どこか行きたい所はある?』 『うーん、鞆の浦かねえ』 『じゃあ、行ってみよう』
***

眺めの良い海沿いの一般道を、東に向かって走る。
***
10時頃に、鞆の浦に到着。 すでに多くの観光客が通りを歩いている。
 
海沿いでは、おいしそうな干物や、茹でたイイダコを売っている。
『おはようございます。 このタコ、なんぼくらいするんですか?』 『1000円から包んであげるよ』 『ここ、何時までやってます?』 『夕方までおるけえ、帰りに寄りんさい』 『はい、そうします』
 
鞆の浦は、雛祭り。 街の家々に、ひな人形が飾られ、観光客の目を楽しませている。
***
今日は、いままであまり歩いた事のない裏通りを、ゆっくりと散策することにした。
 
『インスタント食品』の古い看板。 まだ、インスタント食品が目新しかった時代の名残だろう。 チキンラーメン、ボンカレーなどなど、ちょうど私が小学生の頃なのだろうなあ。
家々の玄関には、今では珍しい、節分の飾りである『鰯の頭』 ここ鞆の浦には、しっかりと昔ながらの風俗/文化が残っている。

これは昔の電話番号? 当時は二桁で充分だったのかなあ。
***
大きな神社に参拝。 ここからは、仙酔島も見ることができる。
 
神社の敷地内にあった『能舞台』 説明を読むと、なんとこの能舞台は組み立て式で、移動可能だという。
それにしてもクルマがなかった時代、人馬でこれを運ぶのは大儀だったであろう。
***
 
少し風は強いが、快晴で絶好の散策日和。 神社やお寺を巡り、裏通りを通って海沿いへ。
 
賑わっているこの通りでは、『村上水軍商会』の村上さんが、干物屋さんで仕事中。
挨拶を交わし、干物を試食して、おみやげに購入。 鞆の浦でのおススメのお風呂も教えていただいた。

昼食を予定していた『田淵屋』さんに行ってみると、今日は団体の予約でいっぱいとの事。 残念!
おみやげに、ここの名物の一つであるスモークチーズを購入し、再び通りに出て、お昼ご飯を食べるお店を探す。
***
散策中に気になっていた、私好みの匂いがする食堂、『ともせん』さんへ。
 
妻は日替わり定食を、私は焼肉定食を注文。 『うん、こりゃあおいしいね』 『ここは、肉屋さんだからじゃないん』 『ああ、そうじゃねえ』
ごちそうさまでした。 これは、いいお店を見つけたなあ。
***
食後は、村上さんおすすめの『鴎風亭』でお風呂に入る。
ちょうどお昼で、人も少ない。 目の前に仙酔島が見える絶景の露天風呂で、のんびりまったり。 『あー、気持ちええ』

温泉に入っている時、露天風呂から、仙酔島辺りを漕いでいるシーカヤックが一艇見えた。 今日は、海沿いを散策中にも一艇見たし、この辺りを漕ぐシーカヤッカーは増えているのだなあ。
***
 
駐車場に戻る途中で、朝に立ち寄った海沿いの干物屋さんへ。
『おばちゃん、来ましたよ』 顔を覚えていた下さったようで、『え、また買いにきたん?』
『朝は寄っただけで、後から買いにくるゆうたじゃないですかー』と笑いながら言うと、おばちゃんも笑いながら、『そうじゃったかねえ』

『街を散策して、お昼ご飯を食べて、さっき鴎風亭で風呂に入ってきたんですよ』 『なんねえ、それなら、鴎風亭でご飯を食べて風呂にはいりゃあえかったのに』 『ほうなんですよ。 ホテルに行ったら、お昼ご飯を食べたら風呂は無料じゃゆうて聞いたんです。 知らんかったから、次ぎに来る時は、そうしよう思います』

『じゃあ、タコもらえますか?』 『なんぼしょうか?』 『千円ほど』 すると、ゆであがった味付きの小さなタコを包丁で切り、私たちに渡してくれた。 試食分である。 『いただきます』 うん、ウマい。 これはビールのつまみにピッタリだ。

タコを包んでくれている間、『あんたら、どっから来たん』 『はい、呉からです』
『ほうね、私の弟が、呉の学校へ行きよったんよ。 ○○へ』 『え! そうなんですか。 私も○○の出身なんですよ』
『うちのは2期生』 『そりゃあ、優秀じゃったんですねえ。 1期、2期頃の人らは、優秀な人が多かったゆうて聞いとりますよ』
『駅の裏のあそこら、知っとる?』 『ええ、もちろん』 『弟は、そこらに住んどったん。 昔、行ったことがあるねえ』 『そこら辺りは、もう昔とは大分変わっとりますよ』 『ほうじゃろうねえ』
***
味付きの茹でイイダコ。 お土産屋さんで見ると、小さなパックで千円近くするのだが、ここでは『え、千円って言ったのに、二千円分と間違えられたかな?』と思うくらい、たっぷり入っている。
『また、鞆の浦に来たら寄りんさい』 『はい、また来ます』

久し振りに妻と訪ねた、あるくみるきく_春の鞆の浦。 良い一日であった!

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瀬戸内シーカヤック日記: 呉の地ビール

2009年03月14日 | Weblog
2009年3月13日(金) 夜、呉の街へ。 今日は久し振りに、妻との外食。
地元にありながらこれまで行った事がなく、ビール好きの私には気になっていたお店、『呉ビール/海軍さんの麦酒舘』
***

今日は、予めコースを予約しておいた。 地ビール飲み放題付きである。
 
まず、私はアルト、妻はピルスナー。 まだ少し寒い夜は、チーズフォンデュがうれしい。 ビールにピッタリ!
 
たっぷりのサラダ。 定番のソーセージ。
ビールは何しよう? ゴールドハーフアンドハーフ。 うん、美味い。
 
ピザ。 パスタ。 3,500円のコースだが、私たちには充分なボリュームの料理。 これで飲み放題付きだから、リーズナブルである。
また途中では、地元出身で海外で活躍されていると言うマジシャンの方が各テーブルを回り、見事な手品で盛り上げてくれる。
目の前で繰り広げられる不思議な世界。 なんで、こんな近くで見ているのにだまされてしまうのか? うーん、素晴らしい!これは、月に2度ほど行われる週末のサービスなのだそうだ。
***

『ごちそうさまでした』 ピルスナー、ケルシュ、ヴァイツェン、アルト、ハーフアンドハーフ、ゴールドハーフアンドハーフ。 全種類のビールを堪能。
3月の週末と言う事で送別会などの団体客が多く、店員さん達は忙しそうだったが、細やかなサービスで気持ちよく食事をすることができた。
満足、満足。 このお店、ビール好きにはコタエラレナイなあ。

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瀬戸内シーカヤック日記: あるくみるきく_似島再訪自転車旅(2)

2009年03月08日 | Weblog
自転車での似島一周を終え、集落に戻ってきた。 さて、そろそろテントを張るか。
 
昼間に教えていただいた方向に歩いて行きながら、テントを張るのに良さそうな場所を探す。 住民の方の迷惑にならず、きれいで平らな場所。 『おー、ここなんか最高じゃん!』

ソロ用の小さなテントをパニアバッグから引っ張り出し、ポールを通して張る。 中にシートを敷き、マットを膨らませ、シュラフを広げると、アッと言う間に今日の寝床が完成。
どんな場所に旅しても、テントを張り終わるまではなんだか落ち着かない。 気に入った場所を見つけ、テントを張り終わると、ようやく自分の居場所が出来た感じがして、ホッと落ち着くのである。

しばらくすると、近くにある商店の前に置いてある椅子とテーブルに、漁から帰って来られた漁師さん達が三々五々集まり、宴会が始まった。 みるとそのなかに、昼間テントを張っても良いと言って下さったおねえさんが居られた。
『昼はありがとうございました。 ここに張ったんですが、良かったですか?』 『ここにしたん。 ここは潮は上がって来んかねえ?』と、周りの漁師さん達に聞いて下さる。
『なあに、潮が来てもプカプカ泳ぐ気じゃったらええじゃない』と、笑いながら漁師さん。 もう一人の方は、『今日は潮が大きゅうないけえ、大丈夫よ』
するとおねえさんは、『ちょっと北風があるが、大丈夫かねえ』 『ええ、ここならなんとか凌げると思います。 本当にありがとうございました』と私。
***
晩ご飯までは少し時間がある。 集落を散策してみるとしよう。
 
メインストリートを歩くと、肉屋さんが開いていた。 その近くには魚屋さんも営業中。
小さな島には魚屋さんがない所も多いのだが、ここには魚屋さんがあるんだ。 新たな発見。

似島峠にも上がってみた。
***
夕方、5時半過ぎ。 再び『みなとや食堂』の暖簾をくぐる。 店に入ると、いつもの席に。

『こんにちは。 来ました!』 『テントは張ったん?』
『はい、おかげさまで助かりました。 昼間にあの人に会えて良かったです』 『あの人は、ようここにも来るんよ。 あっさりしてええ人じゃろう』 『はい、ホンマですね。 夕方前から、近くの商店の前で、漁師さん達と楽しんでおられましたよ』

『何にする?』 『ビールとおでん。 おでんは何があります?』 『ここへ来て、好きなん選びんさい』

まずは瓶ビールをコップに注ぐ。 『トクトクトク。 シュワーッ』
『いただきます』 『ゴクリ、ゴクゴク。 プハーッ。 こりゃたまらんなあ』 おでんをつまみにビールを楽しむ。
***
店には、地元のおじさんとおばさん、そして私の3人の客。 おばちゃんと、他のお客さん達は、テレビを見ながら話している。 私も時々会話に加わりつつ、おでんを食べ、ビールを飲む。

『ここは、やっぱり夏が忙しいんですか?』 『いやあ、そうでもない。 キャンプや海水浴も、それほどじゃないよ』
『最近は、貝掘りをやらんようになったけえね』 『どうしたんですか?』 『貝があんまり育たんようになった』 『前はテレビで、エイが食べる言うとりましたね』 『そんなんもあるじゃろうね』

『民宿は人気があるようなよ。 広島から宴会に来る』 『予約しとらんとだめじゃけどね。 わしらも時々宴会をやるよ』

『餅撒きが有名じゃゆうてパンフレットに載っとりましたが』 『それが、最近はないんよ。 家を建てる人も少のうなったし、漁船を新造する人もあまり居らん』 『船を造ったときもやるんですか!』 『そうよ。 でも今の不景気じゃ、船を新しゅうつくろう言う人はおらんのじゃないか』 『そうですよねえ』
***
おでんがなくなり、ビールも空に。 『おばちゃん、何かご飯を作ってもらおう思うんじゃけど、何がええじゃろうか?』
『ほうじゃねえ、焼き飯を食べる人が多いよ』 『じゃあ、焼き飯。 ビールももう一本』

『あんたあ、釣りに来とるんか?』 『いいえ、違うんですよ。 先週、カヌーで来たんですが、キャンプできんかったから、今日は自転車で来てキャンプさしてもろうとるんです。 ここで一杯やりたかったんで』
『ほうね。 そういや、魚が好きなかったら、朝早うここに売りにくるで』 するとおばちゃんが、『今朝売りに来たけえ、明日はないよ』 『ほうか。 そりゃあ残念じゃったのう』
『ここに売りに来るんですか?』 『そうよ。 朝早いけどの』

『この時期は、牡蠣を焼いて食べるじゃろお。 昔はその時、いっしょに鳥を焼いて食べよった』 『鳥、ですか?』
『ほうよ、野鳥。 あれがおいしかったよ』
***
そのうちテレビでは、野球が始まった。 1回の日本の攻撃が終わったところで、心地良いほろ酔い状態に。
『ごちそうさまでした。 おいしかったです。 なんぼですか?』
支払いを終え、いろいろなお話を聞かせて下さったおじさんにも『おかげさまで、とても楽しかったです。 ありがとうございました』 そしておばちゃんには、『ありがとう。 また来ますけえ』
すると、『明日の朝ご飯は大丈夫?』 『はい、パンやうどんを買ってあります』

ふらりと立ち寄った一人の旅人の朝ご飯を心配して下さる。 必要なら、開店前に店を開けてご飯を作ってあげようかとの心遣い。 ほんとうに嬉しいことだ。 感謝感謝。来て良かった!

***
テントに戻り、シュラフに潜り込んで今日一日の出来事を思い出す。 至福の一時。

天気予報を確認した結果、急遽シーカヤックでのキャンプツーリングを取りやめて、自転車にテントをつんで訪れた似島。
様々な出合いに恵まれ、『あるくみるきく_旅するシーカヤックならぬ旅する自転車』となった、想い出深い旅に。

これまでシーカヤックで訪れた島は、瀬戸内だけで有人島/無人島含めて数年前の時点で100を越えている。 しかし今回の旅で再認識したのだが、その島を訪れたというだけではなく、訪れた島での様々な出合いを通じ、その島の歴史やそこに住む人々の生活を知り、あるくみるきくの精神で記憶にそして記録に残していく事にこそ価値があるのだと実感した。
それにしても似島は最高だ。 また一つ、お気に入りの島が増えたなあ。

*** はてさて、天気予報の結果は? ***
翌朝。 フェリーで呉に戻る途中、ケータイで風をチェック。
すると、広島湾は穏やかだが、予定していた島の付近では6m/sの強い北東風が吹いているとの事。 やはり、予定を変更していて正解だったようだ。

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瀬戸内シーカヤック日記: 似島再訪_自転車でキャンプツーリング(1)

2009年03月08日 | Weblog
週末が近付いてくると天気予報をこまめにチェックし、ビールを飲みつつどこにキャンプツーリングに行くか具体的なイメージを固めていくのは、平日の夜の楽しみである。 そして、行き先を決める時の重要な要素の一つである天気予報は最近かなり精度が高く、特にシーカヤッカーが気にする『風の予報』は頼りにしている。

さて、この週末はどこにキャンプツーリングに行こうかな? 金曜日の夕方の天気予報を確認し、行き先を決めた。
金曜日のうちにシーカヤックをカートップし、キャンプ道具一式もパッキングして準備完了!
***
2009年3月7日(土) 朝起きると、まずは天気予報を確認。 すると、予定していた島の付近は、今日は穏やかだが日曜日は強い北東風が朝から吹く予報。 その海域が大荒れになる西風じゃないのが救いだが、それにしてもこれだけ吹くと、のんびりまったりツーリングにはなりそうもないなあ。

ひとまずコーヒーを飲んで、週末の予定を頭の中で組み立て直す。 。。。 。。。 。。。

『ようし、この週末は久し振りに自転車でキャンプツーリングに行ってみよう』 『目指すは、先週キャンプできなかった似島だ!』
***
まだ暗い早朝、凍えるような寒さの中、カートップしていたシーカヤックを降ろし、ORTLIEBの防水パニアバッグを引っ張り出す。 自転車のパニアバッグだと、シーカヤックほどの荷物運搬能力はないため、自転車旅用のミニマムパッキングに急遽変更。

テントはソロ用のシングルウオールテントに。 シュラフはダウンのコンパクトなやつにして、シルクのシーツで保温性を確保。 食事は『みなとや食堂』を基本とし、シェラカップ&イワタニジュニアバーナー、そして非常用のカロリーメイト。
iPodと本は、旅のお供として欠かせない。 最小限の着替えやヘッドランプなども含めて、リア用の二つのパニアバッグにピッタリと収まった。
***
今回は自転車旅とはいえ、基本は似の島一周を漕ぐくらいで、似島までは瀬戸内らしいフェリーを使った旅にするつもり。
と言う訳で、ネットでフェリーの時刻をチェックしプリントアウト。 後は、みなとや食堂が営業するか否かだけである。
電話を掛け、『もしもし、今日は開いていますか?』 『ええ、やってますよ』 『夜は何時まで?』 『だいたい、7時くらいまでかねえ』 これで準備はすべて完了!
『じゃあ、行って来るけん。 明日は昼前には帰るよ』と妻に告げ、家を出発した。 久し振りとなる自転車でのキャンプツーリング。 楽しみだなあ。
***
まずは、呉港へ。 家から半時間ほどで到着。
 
もう10年近く前に購入した古いSPECIALIZEDのMTB。 タイヤは街乗り仕様のセミスリック。 ペダルには、今時見ないクリップを装着。 そしてリアには、ORTLIEBの防水パニアバッグ。 ライトはミニマグライト。『うーん、旅気分』
***
呉港からフェリーに乗り込み、出航。

宇品港までは45分ほどの船旅である。 途中、左手には『安芸の小富士』と称される似島が見える。
 
***
宇品港に入港した時、ちょうど似島行きのフェリーが出発するのが見えた。 そう、この松山~呉~広島フェリーの到着時刻と、似島行きのフェリーの出発時刻が同じなのである。

次のフェリーまで1時間半。 宇品の街をゆっくりと自転車で巡り、港前の公園でしばし休憩。
***
12時30分のフェリーに乗り込み、似島へ。 20分ほどの船旅である。

フェリーを降りると、まずは『みなとや食堂』へ。
『こんにちは』と店に入り、先週と同じ席に座る。 『中華そば一つ下さい』
 
***
おいしい中華そばを食べていると、先に来ておられたお客さんも帰っていかれ、地元のおねえさんと店のおばちゃん、そして私の3人になった。
『あのう、この近くでキャンプできるところはありませんか?』と聞いてみた。 すると、地元のおねえさんが『そうよねえ。 △△は連絡すりゃあキャンプできるけど、今は季節外れじゃけえ整備しとるかどうかわからんね』
『実は先週、カヌーで漕いで来たんですが、キャンプできる場所が分からずに帰ったんですよ。 その時に、ここで中華そばとおでんを食べたら美味かったから、今日はこの島でキャンプして、夜はここでおでんを食べながらビールを飲もう思うて来たんです。 ○○へ行けば、テント持ち込みでキャンプできるとは聞いとるんですけど』

『ほうね。 じゃあ朝電話してきたんはあんたじゃったんね』と店のおばちゃん。 『はい。 そうなんですよ。 せっかく来ても、店が閉まっとったら何しに来たんか分からんですけんね』
するとおねえさんは、『○○行きゃあキャンプはできるじゃろうけど、遠くて不便じゃろ。 うちのは漁師じゃけえ、その漁港の近くでテント張ってもええじゃろう言うて、一言いうとったげるよねえ。 別に悪い事すりゃあすまあ』 『もちろんです。 自転車で似島を一周して、夜はここで一杯飲みたいだけなんです』
『じゃあ、あそこら辺でテント張りんさい。 いうとったげる』 『ありがとうございます』

漁師の奥さんらしい、さっぱりとした気っ風の良いおねえさんと、店のおばちゃんと、しばし会話で盛り上がる。 私は、カヌーにテントを積んで、瀬戸内の島を旅して回っている事を説明し、おねえさんからは、似島の漁の事を伺った。
『冬はナマコ。 じゃけど、ナマコはそろそろ終わり』 『減っとるかって? そりゃあナマコの漁もだんだん減っとる』
『ナマコが終わったら、次はエビじゃね。 このわた? うちらは作って売ったりはしよらん。 袋詰めのなまこだけ。 このわたは、家で作って食べるだけよ。 珍味珍味』
『この食堂で、よう宴会するんよ。 台所代わりに使わしてもろうて、チヌが採れたらチヌを持ち込んで料理して食べる。 広島から来た人が偶然一緒になったりしたら、そりゃラッキーよね。 料理を一緒に食べさしちゃる。 もちろんその分のお金はもろうたりせんし。 あんたも、そういう時に一緒じゃったらええね。 顔を覚えとくわ』
***
『ごちそうさまでした。 じゃあ、テント張らしてもらいます』 『今から自転車で一周して来るんじゃろ。 帰ってきたら張っときんさい』 『はい、ありがとうございます。 おばちゃん、また夜にきますけん』

自転車に乗り、時計回りで似島一周に出発。
 
海のすぐ傍の狭い道を漕ぎ進むサイクリングは爽快である。 広島湾の奥なのだが、海は澄んできれいだ。
 
瀬戸内らしい景色が堪能できる、快適なサイクリングコース。 牡蠣棚も見える。 牡蠣屋さんの前には養殖に使うプラスチックパイプがきれいに整理された状態で大量に置かれていた。

自然の家には、シーカヤックが。 自転車で来て、ここで借りて乗るのもいいかも。

島の南側はアップダウンもあり、結構良い運動に。 約10kmの爽快なサイクリングを終え、フェリー乗り場のある集落に戻ってきた。
さあて、テントを張るとするか。

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瀬戸内シーカヤック日記: 瀬戸内海(昭和34年)_中国新聞社

2009年01月31日 | Weblog
2009年1月31日(土) この週末も、今年の冬らしく強風の一日。 瀬戸内の波は、1.5mの予報。
家のベランダから双眼鏡で海の状態をチェックすると、実際に強い風が吹いている様子。

妻に、『今日の昼は、ラーメンでも食べに行くか』
***
向かうは黒瀬の『味よし』さん。 人気のある店で、私も以前からのお気に入りだが、このところ足が遠のいていた。
今日は、中華そばと、中華そばに『餃子(4個)』と『おむすび』が付いたセットを注文。

餃子とおむすびは、妻と分け合って食べる。
ラーメンの方は、なんだか以前と比べて少し出汁の味が変わっているような気が。。。 妻も、こんな味だったっけ?と言っていたので、おそらく気のせいではないのだろう。
『ごちそうさまでした』
***
『どっか回って帰る?』 『せっかくじゃけえ、”がんす饅頭”でも買って帰ろうか!』
ということで、少し大回りにはなるが、安芸津経由で帰る事にした。

このがんす饅頭は、二重焼きなのだが、養蜂場がやっている店で作っており、クリームに蜂蜜が入っているのが特徴。
独特のコクのあるクリームがおいしく、うちの家族が好きなおやつの一つである。
***
家に帰り、午後はコーヒーを飲み、がんす饅頭を食べながら本を開く。
『瀬戸内海_中国新聞社』、上下2巻。 昨日、飲み会のため広島市内に出た時に古本屋に寄り、偶然見つけた古書。

古書店で開いてみると、島の暮らしや、工業、農業、水産業などなど、昭和30年頃の瀬戸内海の島々を新聞記者達が取材した記事が掲載されている。
瀬戸内シーカヤック日記で訪れている、生名島や弓削島、豊島、大崎上島などなど、身近な島々の昔の様子を知るには絶好の資料。
上下2巻で5000円と少し値は張るが、古書との出合いは正に一期一会。 これは買わねばなるまい! という訳で手に入れてきたものである。

少し読んでみると、昭和30年頃の瀬戸内の島々には、まだ電気が通じていないため自家発電やランプで生活していた島や、電話や電報もほとんど使えなかった島、白米だけのご飯は少なくて、芋や大根などを混ぜていたことなど、当時の生活の様子がよくわかる貴重な資料である。

昭和32年といえば、ほんの50年ほど前。 日本海を漕いだ古代人ツアーでも感じた事だが、この数十年、百年で、本当に日本の、そして日本人の生活は大きく変わったのだということを、再認識させられた。
***
また、下巻を開いて驚いた事は、『瀬戸内海』を読んで、という宮本常一氏の書評が掲載されていた事。
その一部を引用させていただく。
*** 以下、引用 ***
中国新聞へ『瀬戸内海』が掲載されはじめたのは昭和32年12月20日からであった。そのはじめに企画に付いてもきいていたが、多分牧歌的なものになるのではないかと思っていた。そしてまた精精(原文ママ)半年もつづけばよいのではないかと思っていたが、ついに1年をこえ、34年の1月14日に至って幕を閉じた。
その初め、私は熱心な読者であったが、中途でよむことをやめた。読みすてにできる記事ではない。また毎日すこしずつよむ記事でもない。(中略)
新ためて(原文ママ)『瀬戸内海』を読む気になったのである。(中略)まったく読みごたえのある読物であり、寝転んで読むような手がるなものではない。しかし3日の間、よみ出してよみ終わるまで、私をしばりつけてしまうほどのものが、この記事の中にひそんでいる。
それは単に面白いからではない。考えさせられるのである。考えさせずにおかないのである。(後略)
*** 引用終わり ***
瀬戸内シーカヤック日記で実際に訪れ、私が知っている現在の島々の姿と、この本に書かれている50年ほど前の島の姿を対比させながら読んでいる。
もちろん今では電気は本土から送られており、電話もつながっている。 橋がつながり、本土と陸続きになった島もある。
しかしその一方で、高齢化や人口減少、船便の減少、商店の閉店、農林水産業の経営の難しさなどの課題は、本質的に50年前と変わっていない、あるいは島によっては更に深刻度を増しているということも、この本を読む事で理解することができた。

この本は、宮本常一を3日間しばりつけた程の、中身の濃い資料である。
あるくみるきく_旅するシーカヤック。 私もこれまで旅した島々の様子や人々の暮らしを思い描きつつしっかりと読み込み、これからの旅の視点に活かしてみたいと思っている。

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瀬戸内シーカヤック日記: 日帰りバス旅_桂浜温泉&生ちりめん

2009年01月25日 | Weblog
2009年1月25日(日) この週末も寒波がやってきた。 昨年とは打って変わって冬らしい冬。
こんな時には、無理に海に出たって楽しくない。 風の吹くまま気の向くまま、気候/天候に合わせて旅を楽しむだけである。

朝起きると、屋根にはうっすらと白い雪。 外は凍り付くような寒さである。 PCで風をチェックすると、海ではそこそこ吹いている様子。
今日は妻は試合で朝から外出の予定。 うん、それなら桂浜温泉に行ってみるか。
***
倉橋島にある桂浜温泉には、シーカヤックの帰りの潮抜きや、妻や家族とのドライブで年に何度も通うのだが、兼ねてから気になっている事があった。
それは、『生ちりめん』 倉橋島特産の『生ちりめん』を、温泉館の食堂で出しているのだが、これまで食べる機会が無かったのだ。 せっかくだから、生ちりめんでビールをグビッと飲るとしようか!
***
呉市営バスには、『エコ定期券』という良いシステムがある。
これは、『持参人定期券』を持っていれば、土日はどこまで乗っても一乗車で100円ポッキリというすばらしさ。
桂浜までは乗り換えが1回なので、往復で400円。 通常なら往復で2000円を越えるので、とってもお得なのだ。

海沿いを走るバスから海を眺める。 『うーん、やっぱり風が強い』

倉橋島方面のバスに乗り換えるため、一旦音戸で降りる。 そのままバスを乗り換えても良いのだが、せっかくの機会なので、船旅好きの私は『渡船場』へ。
音戸渡船。 以前何度か自転車でサイクリングに来て、この渡船に乗ったことがあるのだが、なんとも言えない良い風情が残っている。
 
この時間、客は私一人。 桟橋に立つと、対岸に泊まっていた渡船が動き始めた。 お客さんがある時には動いてくれるシステムなのだ。 ありがたい事である。
潮が流れている音戸の瀬戸を、フェリーグライド状態で渡ってくる。 接岸した船に乗り込み、料金70円也を支払い、対岸へ。 『はい、気をつけて』 『ありがとうございました』
***
 
少し歩いてバス停へ。 再びバスに乗り込み、海沿いの道を走り、桂浜温泉館に到着。
今日は3階が男性用。 ゆっくりと温泉につかり、サウナで汗を流す。 のんびりまったり。
***
今日の最大の目的であるお昼ご飯は、もちろん『生ちりめん』
『生ちりめん丼』と『ちりめんのつくね揚げ』、そして『生ビール』を注文。
 
ちりめん丼には生卵が載せてあり、つくね揚げは揚げたてホカホカである。
では、『いただきます』 まずはビールをグビリ。 ちりめん丼から生ちりめんを箸で取り、わさび醤油につけて『刺身』でいただく。 『うーん、いいねえ』
つくね揚げは、軽く塩を振ってパクリ。 中にはしっかりと”ちりめん”が入っており、あっさりとこれまた旨い。 そして再びビールをゴクリ。 『あー、バスで来て良かった!』

ちりめん丼は、最初はちりめんだけを刺身で楽しみ、次はわさび醤油をチラリとかけて白いご飯と一緒にあっさりとしたちりめん丼を。 そして最後は玉子を混ぜて、濃厚な玉子ご飯の中に、あっさりだがムッチリとした生ちりめんの歯応えがまざるカオス状態の旨さを堪能。 『ごちそうさまでした』
***
食後はしばし散策。
 
桂浜神社にお参りし、浜辺を歩く。 これまで気が付かなかったのだが、桂浜神社の階段のそばに巨大なシャコガイの貝殻が置かれていた。 石碑を見ると、マーシャル諸島から持ってきたもののようだ。 機会があれば、地元の方に由来を伺ってみたいものである。

散策の後は再び温泉へ。 露天風呂で、のんびりまったりと過ごし、帰路についた。

エコ定期システムを使った、地元の温泉と料理を楽しむ日帰りバス旅。 こんな旅もたまには良いものだ。

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瀬戸内シーカヤック日記: 祝島写真展@ヲルガン座

2008年11月24日 | Weblog
2008年11月23日(日) 岡村島&豊島から帰り、少し休憩。 午後からは、妻と一緒に広島へ。
今日から、広島市内にある音楽喫茶『ヲルガン座』で、今年のシーカヤックで行くビワ狩りツアーで祝島を訪れた時に知り合った”あっこさん”が、祝島の写真展を開催されるのだ。
***
『ヲルガン座』のカフェに午後遅く到着すると、ちょうどあっこさんもカフェでお茶を飲んで休憩中。 グッドタイミング!
このカフェで食事をする予定だった私たちも同席させていただき、妻を紹介し、ランチを食べながらお話をさせていただいた。

まったりとした、良い雰囲気のカフェ。 祝島の話、シーカヤックの話、友人知人の話。 おいしい食事と楽しい会話。 そして食後の紅茶とコーヒー。
食事を終えると、写真展を案内していただく。 狭い階段を登っていくと、時間の経過を感じさせる独特の雰囲気を持った面白い空間の中に、様々な祝島の写真が展示されていた。 
 
外の空間を利用した、まるで洗濯物が干されているように吊るされた写真の数々。 お風呂場だった場所に飾られた写真。
 
これまで何度か訪れた祝島の景色や、そこで出会った人たちのことを話しながら、写真を見てまわる。

久し振りに会ったあっこさんともゆっくり話ができ、雰囲気の良いカフェでおいしい食事をいただき、祝島の雰囲気が良く伝わってくる写真を面白い空間で展示で拝見させていただいた。 楽しい一時。
あっこさん、本当にありがとうございました。

*** 以下、ダイドックブログより引用 ***

● 写真展 「すおうにうかぶあおいしま -祝島のそらとうみを想う-」 

*瀬戸内海、周防灘。空と海と、日々の祝島を綴った写真展
*ひにち :11/23(日)から11/30(日) 
      ※24(月)はおやすみです。
*じかん:11時30分から22時
*ところ :ヲルガン座 4F廃墟ギャラリー
     広島市中区十日市町1の4の32 森本ビル
     082ー295ー1553

*入場料はいただきません。ゆっくりご覧になってください。
*同時開催/尾道・れいこう堂さんによる、「自然を感じる写真展」
---------------
上映会の会場となるヲルガン座さんでは、おいしいごはん、
すばらしい音楽と、とってもステキな店員さんに出会えます♪
祝島出身のあっこが、おまちしております。
ゆっくりお話でもしましょう。
でわ。

*** せっかくなので、私も自分の祝島写真展を ***

 

 

 

 

 

 

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瀬戸内シーカヤック日記: 沖家室再訪_鯛の里の魚介料理(2)

2008年11月18日 | Weblog
周防大島の観光を終えると、今回の旅のメインイベントである、沖家室島の『鯛の里』へ

この旅では、魚料理のおいしいこの民宿に両親を招待。
***
宿に入り、荷物を置くと、しばし海沿いを散歩。 秋も深まり、この時間でも既に漁港は暗くなりつつある。
波止場で釣り人達を眺めながら、静かな時間を過ごした。
 
漁港に停泊している漁船は、その漁港漁港で特徴がある。 形、大きさ、装備などなど。 漁港ごとに漁の形態が異なるので、漁船が違うわけだ。
ここの漁港は、小さな漁船が多い。 また、船縁に竹が取り付けてあり、一本釣りの漁が主体だと思われる。

後で鯛の里の松本さんに聞いてみると、やはり一本釣りの漁船だそうだ。 また、一本釣り用の餌となるエビ網を引く許可を得るため、出力制限があり、小さな船になっているとの事。 なるほど!
***
宿に帰り、楽しみにしていた夕食。 ここからは、写真が言葉ほどにモノを言うと思われる。
まずはビールで『カンパーイ』 『お疲れさまでした』
 
鯛の刺身。 カワハギの刺身、肝付き。 そして特大のサザエ。
ビールをグビリ、グビグビ。 プハーッ。 『美味い!』
***
なんとも大きなウチワエビ。
 
茹でたてほかほか、皮を外すとボリュームたっぷりのプリプリの身。

父も母も、おいしいおいしいと言いながら、ウチワエビに舌鼓。
***
アワビは一人に一つ。 2つは刺身で、2つはバター炒めでお願いする。
 
刺身はコリコリ、バター炒めはシコシコ。 そしてビールをグビリ。 ああ、なんという幸せ。
***
海鮮サラダ。 小さなコロコロさざえ。
鯛のアラ炊き。

ちょうど良い甘辛さで、酒のつまみにピッタリである。 この頃にはビールから焼酎に切り替え。

〆は、吸い物と魚介類のパエリア。 ふーう、満腹満腹。
ごちそうさまでした!
***
魚料理好きの両親も、感動するほどの新鮮でたっぷりの海鮮料理。
夜は、疲れもあってすぐに寝てしまったが、翌朝は松本さんと四方山話に花を咲かせた。 楽しい一時。

『お世話になりました。 両親も喜んでいたし、本当に来て良かったです。 ありがとうございました』
『また、ゆっくり遊びに来て』 『はい! ではまた』

晩秋の島旅。 久し振りに両親と一緒に周防大島と沖家室島をたっぷりと堪能した。
ああ、好い週末だったなあ!

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瀬戸内シーカヤック日記: 沖家室再訪_周防大島&鯛の里(1)

2008年11月16日 | Weblog
2008年11月15日(土) この週末は、久し振りに両親を連れてのドライブ旅行。 今年の春、定年延長延長で、とても長かった勤めをようやく終えた母への慰安も兼ねた旅行である。

両親と私たち夫婦を乗せたクルマは、一路周防大島へと向かった。
***
大島大橋を渡り、まずは『飯の山』へ。
狭い山道をクルマで上り、駐車場から少し歩くと展望台。 登ってみると、絶景である!

私自身も、この展望台は始めてだ。 天気も良く、大島大橋を中心とした瀬戸内の景色が堪能できる。
景色を眺め、写真を撮る。 『きれいだねえ』 『ここは良いな』 『夕方から曇るっていってたからラッキーだったねえ』
***
景色を眺めていると、『ブーン』という不気味な音が聞こえて来た。 特大のスズメバチである。
みんなの周りを偵察するように飛び回り、なんと親父の背中に止まった。 あー、これはヤバい。
『動かないで!』 少し待つとなんとか再び飛び立ち、去って行った。 『危なかったなあ』
しばらくすると再び戻って来たので、すぐに荷物を持って展望台から降りた。
『景色を楽しんだ後だからよかったなあ』
***
時間は11時過ぎ。 『じゃあ、お昼を食べに行こうか。 近くに好い食堂があるんじゃ』

いったん大島大橋を戻り、大畠駅へ。 大畠と言えば、もちろん『ちどり食堂』
『ここの瀬戸貝うどん、食べてみんさい』
暖簾をくぐり、『こんにちは』とおばちゃんに挨拶。 すると笑顔で『ああ、いらっしゃい』
『今日はね、両親を連れて来ました。 瀬戸貝うどん、4つお願いします』
調理をしていただいている間、いつものように四方山話。 瀬戸貝の漁の事、大島のみかん狩りの事、うちの両親の事、息子達のことなどなど。 楽しい一時。

『おまたせしました』 これこれ、これぞ瀬戸貝うどん。

親父は、『こんなでかい瀬戸貝は見た事ないなあ』と感心しきり。 母も、『これは大きいねえ』とおどろいていた。
『あー、お腹いっぱい。 ごちそうさまでした。 また来ます』 『じゃあ、気をつけて』
***
『そういやあ、このまえテレビで、大島はハワイに移民に行った人が多いいうて言い寄ったなあ』 『そうよ。 じゃあせっかくじゃけえ、ハワイ移民資料館に行ってみようか』

秋空の下、美しく手入れされて残されている民家。 係の方が同行くださり、ポイントポイントで説明して下さった。

澄んだ青空、暖かい気温。 まさに観光日和である。
***
次は、『星野哲郎記念館』 演歌好きの両親にはピッタリの場所である。

ここで一番のおススメは、最初にあるシアター。 目の前に広がる映像と北島三郎の歌が、なんとも心に滲みるのだ。
両親もここは気に入った様子。 来て良かった。
***
夕方までは、まだまだ時間がある。 『せっかくだから、陸奥記念館へ行ってみよう』
館内をゆっくりと見学した後は、外を少しだけ散歩。 ここは、横断隊の想い出深い地の一つである。

目の前には倉橋島。

そう、あの時は強い東風の瀬戸内とは思えない大荒れのサーフィン状態のなか、必死でここまで漕いで来たのだ。
あの時の横断は、今でも語りぐさの一つになっている。 懐かしいなあ。
***
夕方、竜崎温泉で旅の疲れを癒し、今日の宿である沖家室島の『鯛の里』へと向かった。

魚料理が大好きな父と母を、ぜひここに連れて来たかったのである。 今夜の料理、楽しみだ!

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